第24期雀竜位決定戦観戦記 最終日(15回戦)

【担当記者:坪川義昭】

尻無濱、大川のマッチレースとなった最終戦。
その差は57.8pとなりました。
大川が追いかける立場になるとは、誰が想像したことでしょうか。
渡邊は3位を狙ってきます。
澤崎に関しては3位を死守しながらも、一つ上の順位が狙えそうならば狙ってくるでしょう。
東2局1本場

尻無濱に、ドラ単騎のテンパイが入りました。
リードしている立場としては、リスクを負いにくいのでヤミテンを選択します。

あっさりとラス牌でツモアガリを決めて1,000-2,000。
満貫にならなくとも、非常に大きな加点ですね。
南1局

南場に入り、尻無濱が微差のラス目に落ちています。
2着でも17,900点差を付ければ大川は優勝なので、絶対に親番は手放せません。

ドラトイツの勝負手リーチを打ちます。
これが、アガれるかアガれないかでは雲泥の差。

見事、山に3枚いたを手繰り寄せて4,000オール。
この一撃で、大川が微差ながらトータル首位に躍り出ました。
この後も一進一退の攻防が続き、2人の勝負はオーラスまで縺れます。

この対局を解説席で見守っていたのが、現雀竜位の安藤でした。
昨年二度目の戴冠を果たし、今年の大本命と称されていましたが、二日目で無念の敗退。
『必ず来年またこの舞台に戻ってきます』と力強い言葉を残してくれました。
その攻撃的な麻雀は、きっとまたこの舞台で輝くことでしょう。
———第5位 安藤弘樹
南3局1本場

尻無濱と大川のポイント差は、ほぼ並びとなりました。
早々に満貫テンパイを入れた大川は、震える手を必死に抑えながらアガリ牌を待ち侘びます。

尻無濱にもテンパイが入り、勝負をかけました。
ここで大川に競り勝つことが、如何に重要かを理解しています。

3位を目指す渡邊にとって最後の親番。
撤退の二文字は当然ありません。

テンパイすら叶わず、渡邊にとっての決定戦は終焉を迎えました。

ポイント的には最終戦前で、優勝の目がなくなった渡邊ですが、非常に高い雀力を沢山の局面で魅せてくれました。
渡邊が勝てなかったのであれば、誰が座っていたとしても勝てなかったと思わせてくれる程に。
数年後には、団体を背負うようなプレイヤーになっているのではないでしょうか。
———第4位 渡邊暁大
南4局

7,600点のリードを許してしまった尻無濱がを仕掛けます。

同巡に澤崎がをポン。
3位を守るために、全力を尽くします。

最後まで自身の利を追求する、素晴らしい決断であり、美しいプレイではないでしょうか。
数週間後には開幕する雀王戦で、頂上のA1リーグに到達した澤崎は、雀王と雀竜を同時戴冠の可能性を秘めています。
来期は偉業に挑戦する澤崎から、目が離せなくなるでしょう。
———第3位 澤崎彰太郎

大川に役ありテンパイが入りました。
あとは、絵が合えば試合終了です。


尻無濱は対局後のインタビューで、こう語りました。
『第一目標は優勝することですけど、第二目標は視聴者が楽しめる展開を作ることだったので、それは達成できましたね』
尻無濱じゃなければ最終戦まで勝負が、もつれることはなかったでしょう。
最高の麻雀を魅せてくれて、ありがとうございました。
———第2位 尻無濱航

長きに渡る雀竜位決定戦は、大川のツモアガリで決着。
尻無濱を再逆転した大川の優勝で、幕を閉じました。

序盤に大量リードを持ったことによって、それがプレッシャーとなり、生涯で一番苦しい時間を過ごしていたであろう大川。
最後は、その苦しみに打ち勝ち見事な雀竜位戴冠となりました。
これからの一年間は、協会のナンバー2として団体を背負いながら未体験の世界へと突入していきます。
夢を掴んだ新星の活躍にご期待下さい。
———第24期雀竜位 大川冬馬







