第24期雀竜位決定戦観戦記 2日目(7回戦)

【担当記者:中島由矩】


7回戦(渡邊-澤崎-尻無濱-大川)抜け番・安藤

麻雀は、親の連荘がなければ全8局、平均すると10局くらいだろうか。その中から、観戦記で取り上げる局というのは限られる。絞って3局〜4局程度。

この7回戦は、筆者が今まで書いてきた100本以上の観戦記の中でも、比較的早めにこの3局が決まった。さらに、着順を巡って各者の思惑が交錯する南4局を加え、合計4局を見ていこう。

6回戦の2着で、同3着の安藤を逆転し、トータル3位に上がってきた尻無濱。

【東1局1本場】

リャンメン・リャンメンのイーシャンテンに、高めでイーペーコーが確定するツモ麻雀牌:二索を引き入れて、スムーズにリーチを打つと、

4巡後に麻雀牌:二萬をツモアガリ。裏ドラが乗らなかったのは残念だったものの、2000・4000は2100・4100を手にして、上々の立ち上がりとなった。

【南1局0本場】

最初にチャンスをつかんだのは、4着目の大川。門前でドラの麻雀牌:七筒を暗刻にして、タンヤオのファーストテンパイを入れる。麻雀牌:五索麻雀牌:八索が河に4枚見えているのが気がかりだが、ダマテンにして息を潜めた。

三副露していた2着目の澤崎も同巡、麻雀牌:発を重ねてテンパイを果たす。高めの麻雀牌:発はもちろんのこと、安めの麻雀牌:四筒でも5200でいったんトップ目に立てる。

3着目の渡邊も前に出る。麻雀牌:一筒麻雀牌:四筒麻雀牌:七筒待ちの三面張で、決意のリーチ宣言をしたものの、

その麻雀牌:六筒に、トップ目の尻無濱からロンの声がかかった。麻雀牌:南ドラ1の2000点。しかし、大川と澤崎の勝負手をかわし、渡邊のリーチ宣言牌をとらえた価値は、決して小さなものではなかった。

【南2局0本場】

二副露目を入れてテンパイを果たしたのは、4着目の大川。

同巡、2着目の澤崎も鋭く踏み込んでいく。

大川から今切られたばかりの麻雀牌:七萬を打って、ノベタンの麻雀牌:三萬麻雀牌:六萬待ちで先制リーチ。危険を承知で、勝負の土俵に上がった。

さらには、ドラドラの3着目・渡邊。麻雀牌:二索麻雀牌:五索待ちの追いかけリーチで、着アップをねらう。

三者の意地が卓上で激しくぶつかった、名シーンだった。アガリ牌は三者ともに山5、大川と澤崎は麻雀牌:六萬が重なっているが、大川は麻雀牌:九萬が2枚、澤崎は麻雀牌:三萬が2枚、それぞれ残っているため、まったく同じ枚数のめくり合いとなった。

尻無濱は苦悶の表情を浮かべながらも、なんとか安全牌をひねり出し、

最後は大川がツモアガリ。2000・4000を手にして、一気に2着目まで浮上した。

【南4局0本場】

東家・大川冬馬 26600
南家・渡邊暁大 19200
西家・澤崎彰太郎 21900
北家・尻無濱航 32300

トップ目尻無濱と2着目で親の大川は5700点差。大川は親なので、2900の直撃や1600オールのツモアガリなどでいったん逆転するが、親だからこそ連荘があって悩ましい。

3着目澤崎と4着目渡邊は2700点差。つまり渡邊は、2600を澤崎以外からアガっても着アップできないという計算になる。

親の大川は、ピンズで1メンツ。789の三色同順も見えるが、789に固定すると、受け入れが狭くなる。マンズがリャンメンになったところで、678やその先のタンヤオを見据えるか。

澤崎は、1000・2000ツモなどでの着アップを見るか、はたまた3着キープを優先させるか。

尻無濱は逃げ切れるか。場風の麻雀牌:南トイツが頼もしい。

渡邊は役牌の麻雀牌:白が暗刻で、ドラ麻雀牌:三萬も1枚ある。

◾️ダマテンや仕掛けての3着浮上

以外にも、

◾️リーチでの2着浮上
◾️リーチでのトップ奪取

も見えるようになった。

渡邊は、ツモor直撃条件のオタ風麻雀牌:東ポンから発進すると、

次巡持ってきた麻雀牌:東を、ノータイムで加カン。テンパネによる3200以上を確定させた。

最後は、トップ目の尻無濱からロンアガリ。

「ロン」と言われた尻無濱は、さぞかし肝を冷やしただろうが、麻雀牌:白ドラ1の3200放銃は、尻無濱にとってはトップを確定させるものだった。渡邊が3着目に浮上して、この7回戦は終了。

第24期雀竜位決定戦7回戦を制したのは、尻無濱航。尻無濱は、6回戦でトータル4位から3位に上がり、この7回戦でトータル3位から2位に浮上することになった。躍進の尻無濱、残るはトータル首位の大川のみとなったが、ポイント差は実に169.8pt。3日目があることも考慮に入れて、逆転戴冠へのストーリーを頭の中に思い描く。

2着になったのは、大川冬馬。1日目を終えて大きな貯金を築いた大川にとっては、2着で十分という考え方もある。ただ、6回戦で渡邊、7回戦で尻無濱がトップを取り、トータルポイントが近づいてきたことは、脅威に感じていることだろう。

3着は渡邊暁大。オーラスに着アップし、気分よく次戦に進めるようになった。下は気にせず、ただ上だけを見て残り2戦に臨みたい。

4着になったのは、澤崎彰太郎。いよいよ、3日目に進めるかどうかの瀬戸際に立たされることになった。残り2戦は、トータル首位の大川だけでなく、トータル4位の安藤とのポイント差も頭に入れ、最善を尽くす。