第4期関西雀王決定戦観戦記 1日目(1回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】

第4期関西雀王の座を争う選手は……

◎新田友一(関西Aリーグ1位通過)
10期(13年目)
今期は8~9節で300p勝ち、10節で100p負ける。
濁流の申し子。

◎山代直毅(関西Aリーグ2位通過)
9期(14年目)
今期のリーグ戦は3桁マイナスなしの安定感で勝ち上がり。
決勝経験は2回目(ウェスタンカップ)

◎原田翔平(関西Aリーグ3位通過)
12期(11年目)
決勝4名の中では1番の若手(若手?)だが雀竜Aに所属し実力十分。
初の決勝戦をどう立ち回るか。

◎中本裕也(関西Aリーグ4位通過)
18期(5年目)
優しきオールドルーキー。
麻雀牌に愛される打ち方を知っている。

この4名はみな関東での雀王戦Aリーグ未経験かつノンタイトルである。
うち新田、山代、原田の3人はプロ歴10年をこえる。中本は比較するとキャリアは浅いが関西雀王の決定戦は2回目。つい先日行われたオータムトライアルでも決勝2位。競技麻雀においては決勝まで到達し、あと一歩で敗れるのが最も悔しい。
三者三様、みな初タイトルへの渇望はいかばかりか。

【1回戦】
起家から新田-原田-中本-山代

東1局から手がぶつかる。
5巡目にして北家、山代がこのテンパイ。

鳴いている牌は、チー麻雀牌:五索麻雀牌:三索麻雀牌:四索 ポン麻雀牌:九索麻雀牌:九索麻雀牌:九索
自身で麻雀牌:九索をポンしているとは言え、見た目8枚残りの麻雀牌:六索麻雀牌:八索麻雀牌:九索の三面待ちだ。
さすがにアガリは決まったかと思いきや南家、原田はピンズの清一色テンパイ。

新田はチートイツのテンパイ。

3者に挟まれ丁寧に降りていく中本。
結果は枚数が大事と言わんばかりに山代が1300-2600のツモアガリ。

東2局(親:原田)も山代がリーチ一発ツモで3000-6000を決め、ダントツの42200点へ。

東3局(親:中本)はこの配牌から、

一色手及び下の三色を見据えての打麻雀牌:八索とする。

そして狙い通りの123の三色リーチ、高め麻雀牌:一筒ツモで4000オール。

続く東3局1本場は流局で連荘すると、中本が仕掛けてテンパイ。

同巡、原田がリーチ。麻雀牌:二筒麻雀牌:五筒麻雀牌:八筒6枚残り特に高めのドラ麻雀牌:二筒が4枚残り。

さらに山代リーチ麻雀牌:四筒麻雀牌:七筒は3枚残り。

中本テンパイ復活麻雀牌:三萬麻雀牌:六萬4枚残り。

これを即アガり、中本が2軒リーチを躱した。
中本38300点、山代36600点となり一時は2万点の差をつけられたトップ逆転に成功する。

3本場

中本リーチ。ドラの麻雀牌:三索と一盃口なので打点は同じ。

新田もドラ待ち、気持ちはオナテンのリーチ。ドラ麻雀牌:三索は2枚残り、ツモれば跳満だ。

中本がツモって裏裏の4000オール。
このアガリで新田、原田の点棒は10000点を割ってしまう。何もしていないわけではない。十分に勝算のあるリーチや仕掛けを打っているのにこの仕打ち。ツライ。

さらに東4局に大事件発生!!

中本はこの形からどうするか??
ピンズが10枚そろって清一色に行きたくもあるが、ドラ麻雀牌:九索含みのメンツができている。
両面待ちのリーチ+1翻であるからツモって裏1で満貫、素直にリーチをかける人の方が多いだろうか。点パネして2翻50符3200点なので出アガリしてもわずかばかり嬉しい。
しかして中本の選択は、打麻雀牌:七索で清一色へ。
牌に愛される男中本、連続でピンズを引いてこの形。

さきほどの3200テンパイからわずか3巡で清一色三暗刻テンパイ、ダマ倍満である。
だが中本はさらに先を見据えていた。

清一色四暗刻テンパイ、そして堂々のリーチ。
(出す人はいないだろうが出ても3倍満)
この手をアガると中本は1戦で100p以上の大トップとなる―――

同卓の3人はどう見えただろうか?
無駄ツモがなかったため、誰の目にもドラメンツを落としたことは明らかである。
麻雀牌:八索が2枚出てきているのでチートイツも考えづらい。
しかし全員がオリきって何とか流局。
原田に休憩時間に聞くと「中本さん、1回戦で優勝を決めるつもりかと思いましたよ」と苦笑していた。

南2局(親:原田)
そんな原田は親番に、

引き方によっては小四喜まであったが、

終盤に混一色の跳満テンパイするも無念の流局。
1回戦は中本の独壇場で終了。