第4期関西雀王決定戦観戦記 1日目(2回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】

起家から中本-新田-原田-山代

東1局から場が沸き立つ。

8巡目に親の中本がこの形のカン麻雀牌:七筒待ちでリーチすると、

次巡には山代が上の形でテンパイ。親リーを受け一旦ダマとする。

さらに次巡には原田が麻雀牌:四筒麻雀牌:七筒で追いかけリーチ。
一瞬にして麻雀牌:七筒がトリプルロン状態である。(実際にはプロ麻雀協会にダブロン、トリロンはないが)
結果はこうなっては手替わりを待っていられんとダマから追いかけリーチに転じた山代の勝利。

1000-2000のツモアガリ。

東2局にも4人本手の全面戦争が勃発する。

親の原田が123の三色リーチを入れると、

新田が456の三色リーチ。

さらに山代も原田の当たり牌である麻雀牌:三筒を吸収してメンタンピンのリーチ。
原田の待ちは山になくなってしまう。

さらに中本までもがカン麻雀牌:六筒のテンパイを入れる。3軒リーチを受けてはいるがドラ3(ドラ麻雀牌:八萬)とあってダマプッシュ。
原田は親として当然のリーチであったが純カラになっては勝てるはずもなく、新田の三色に12000の放銃となってしまう。

東3局

親になった原田は5巡目リャンペーコーを冷静にダマテン。(欲しい麻雀牌:四筒は1枚場に出ており見た目で2枚残り)

麻雀牌:五筒を引き、変則3メンチャンでリーチ。
しかしここは決定戦、みな勝負手を入れてくる。

山代がこの形で追いかけリーチをすると高めの三色を一発ツモで3000-6000。
大物手の応酬で南入時点で持ち点が、
中本17200
新田37400
原田1500
山代43900
と大きく広がる。

さて近頃は麻雀プロ、また女性の麻雀人口も増え、麻雀プロ同士での結婚も珍しくなくなってきた。
そうなると対局会場やゲストなど仕事の場において”かぶってくる”ことも当然増える。この関西雀王決定戦1日目においても実況、夏月美勇は原田翔平の嫁である。
増えて来たとは言え、”旦那のタイトル戦初決勝の実況が嫁”とはなかなかドラマティックなシチュエーションではないだろうか。
夏月はもちろん実況としてフラットな立場から発言している。しかし家に帰ればもちろん夫婦だ。このまま負けたらご飯抜きですねと笑いながら話す。
するとそんな放送席での会話が聞こえたかのように、1500点持ちの原田の猛攻が始まる。

南3局(親:原田)

原田は自然な手順で仕上がった7巡目のリーチ。
この時点では4枚山、普通なら十分な残り具合だか愛妻の夏月曰く「4枚で大丈夫かな……」と、心配の通りに流局。こんな簡単なリーチもあがれないのか。いよいよ晩御飯が危うい。

1本場

原田8巡目リーチ。今度は6山だ。ほとんど丸残りと言っていい。さすがに??
ひとまず1300は1400オール。

2本場

好配牌から自然な手順で3連続のリーチ。

5山リーチを一発ツモで6000は6200オール。
これで29000点持ちの2着に浮上。

3本場

原田4巡目リーチ。1300は1600オール。
これで1500点持ちからついに34100点のトップ目に。

4本場

3巡目の中本に楽しみな形。
三元牌は麻雀牌:白が1枚見えているだけ。中本は原田の爆発によってラス目になってしまっている。なんとか一矢報いたいところ。

夢の見える形ではあったが、両面が入り残りも両面待ちなので普通にリーチ。ツモって1300-2600の4本場で中本は合計6400点の収入。オーラスに3着まで満貫圏内になり望みをつなぐ。

南4局(親:山代)
山代31000点、原田31100点と絶妙な点差。
ラス親のアガリ止めがない協会ルール。山代は連荘しても次局も親番を続けなければならない。100点差と言えどもずいぶん原田に有利な展開だ。

山代はこの配牌からすぐに自風の麻雀牌:東をポン。

中本もW南ドラドラ(ドラ麻雀牌:八筒)で満貫仕掛け。みんな必死だ。

原田は7巡目にこの形。役なしなのでリーチをしないと出アガリできないが、リーチ棒を出すと瞬間2着になってしまう。そこでさきほどの「山代が親番」ということが原田にとって生きてくる。

中本は仕掛けていて、ドラの所在がわからないものの、仮に跳満をツモられても原田はトップ。もちろん横移動でもトップ。山代がアガッても次局にまだ望みがある。うっかり自分がツモっても当然トップ。したがってトリダマを選択。

そしてこれもある。麻雀牌:二索ポンの麻雀牌:二萬単騎で出アガリ可能に。
展開次第で中本に放銃してしまうルートもあったが原田の選択がはまりトップ維持。原田家の晩御飯は守られた。