第2期関西雀王決定戦観戦記 最終日(14回戦)

第2期関西雀王決定戦観戦記
最終日 14回戦

【担当記者:新田友一】

14回戦(御崎-角谷-中本-後藤)

いよいよ最終盤の14回戦、それぞれに条件が突きつけられる。240ポイントほどの差のついた後藤は自身の連勝だけでなく御崎とトップラスを連続で決めてもそこそこの点差が必要。中本も自身の連勝は必須で御崎とトップラス2回分くらいの差。角谷も必須とまでは言えないが連勝しないとかなり厳しい。

東1局、積極的に仕掛けてアガりに向かう親の御崎に対して後藤がチートイツのリーチでツモか御崎からの直撃を狙う。

ところが、角谷が後藤の待ちのを余らせていて同巡にテンパイしてリーチ宣言牌となったため、6400の後藤のアガりとなる。

東2局、今度は中本がドラを重ねたチートイツをテンパイする。
待ちにして、初牌のを横に曲げると御崎がこれをポンして役役ホンイツのテンパイを入れられてしまう。は山に2枚おり選択としては間違っているとは言い難い。もし切りリーチだったら、という空想の話をしてもしょうがないのではあるがその先の未来を見てみたかった。

結果は、その後にテンパイした親の角谷もリーチといくが、リーチ後に御崎の当たり牌を掴んでしまう。角谷はもちろんのこと、後藤、中本にとっても絶望的な御崎の8000の加点である。

さらに次局も御崎が1300-2600をアガると、最もポイント差が近かった角谷に3万点以上の差をつける。すでに誰がどう見ても御崎の優勝濃厚だろう。

だが、せめてこの半荘が終わるまでは安心できないのは実際にその立場にある御崎だろう。角谷の親番もまだ残されているのだから。

日本プロ麻雀協会の歴史の中で、何度もあった大逆転劇。19期の女流雀王決定戦でオーラス役満条件を満たした佐月の逆転劇は記憶にも新しいだろうか。

もちろん御崎も知っているだろう、だからこそ最後まで丁寧にいつも通りに打つ。

南1局、御崎の親番

全員のかすかな希望を切り裂いたのはまたしてもの一発ツモ。

南2局、角谷がこの親番で約6万点差をまくるか、まくれる点差まで詰めておかないと終戦となる。この戦いのオーラスとなるかもしれない。

結局、詰まった点差は15000点ほどで終戦。これで御崎もさすがに優勝を確信しただろう。

南3局、南4局は御崎が自力でアガって、関西雀王を決める戦いは実質終わった。

押す局面、引く局面、攻守のバランスが見事で抜群の安定感でここまで進めていて、1年前にあと一歩後藤に及ばなかったのは本当にわずかな差だったと思う。今年は13回戦と14回戦の三色テンパイを見事に一発ツモで決めてそのわずかだった差を跳ねのけて優勝を決定づけた。