第2期関西雀王決定戦観戦記 1日目(4回戦)

第2期関西雀王決定戦観戦記
1日目 4回戦

【担当記者:松浦裕充】

4回戦(中本-角谷-後藤-御崎)

ここまで苦しかった角谷が先行する展開がようやくきた。
東2局の親番で3巡目リーチは流局するものの、続く1本場で後藤から5800は6100をアガり。

このままトップを取り、トータルポイントもプラスに転じたい。
しかし、オーラスに角谷に試練が待ち受ける。

南4局、アガればトップの角谷がをポン。形も悪くない。

続いて中本もをポン。
アガれば3着浮上、3900なら同点2着である。
7巡目角谷が待ちでテンパイ。

角谷が切ったを後藤がチー。

満貫ツモならトップ、3900アガれば2着。
三色のイーシャンテンだったが、3枚目のを切られたのでここは3着キープを選択。
トータルトップの中本がラスならば良しということだ。

角谷の状況がどんどん良くなる。しかし、なかなかアガりが出ない。
14巡目、御崎がバックで仕掛ける。

15巡目角谷の手牌。

後藤の役は三色かバックかというところか。
後藤が三色の場合待ちは何か?候補が何個かあったのだが、前巡にが通った。
捨て牌から考えると三色の場合は待ちか、三色完成ならば自分と同じ待ち。

ドラが2枚出ているので、後藤の手牌は高くて3900だろう。
角谷自身テンパイしているので、差し込みが失敗した場合に自分がノーテンになってしまうことを考えるとテンパイ維持は自然。

しかしこの直後、御崎が2つ目の仕掛けを入れバックのテンパイ。
テンパイ打牌のを中本がポンしてホンイツに向かう。
そこへ角谷がもってきた牌は生牌の

ここはを勝負したが、これは御崎のアガり。
かなりいい状況で進んでいたが、なんと角谷の放銃でオーラス続行。

南4局1本場

今日1番の注目シーンだ。
状況は御崎が先制リーチ、それに対して中本がをポンしてドラのを勝負。
角谷がそのドラをポン、さらに御崎からをポンしてテンパイ。

そこへ持ってきたのが通ってない
中本はピンズのホンイツ模様で、角谷は中本に満貫放銃すると3着落ち。
誰もがこのは切らないだろうと思っていたが、長考の末角谷が出した結論は打

角谷はどのような考えでこの結論を出したのか?対局後に聞いてみた。
角谷の返答は「で放銃しても満貫にならなさそうだから。」

この言葉から推測すると、中本の打点レンジが広いためで放銃してもトップになる確率は高いと判断したのではないかと思う。
確かに中本の打点のレンジは点棒状況を考えると広い。
1000点アガれば3着になるので、ホンイツのみのケースもある。
しかしダブ南暗刻やトイトイがつけば満貫。今の私には到底打つことのできる牌ではない。

これを押し切ったら流石に角谷トップかと思った。
しかし、結果は予想外の結果となった。
角谷の渾身のプッシュも虚しく流局。
次局後藤がハネ満をアガり、角谷を800差で捲る。

まさかまさかの展開で4回戦は後藤のトップ。
角谷にとってはトップがすり抜けていった半荘だった。