第20期雀竜位決定戦観戦記 2日目(10回戦)

第20期雀竜位決定戦観戦記
2日目 10回戦

【担当記者:五十嵐毅】

座順・吉田(+38.7)-下石(△70.5)-小池(+50.3)―富永(△63.8)
※カッコ内は9回戦終了時のポイント

最下位が最終日打てなくなって敗退確定者が決まる10回戦。
この回抜け番で2日目を打ち終えた秋山は+45.3で安全圏だ。

注目はやはり富永と下石。この回、着順が下のほうがここで終わる。
残る2人は敗退の心配はほとんどない。ポイントを稼ぎに行くだけだ。

東1局、親の吉田が先制リーチ。

ドラ

これをドラ2の小池が追っ掛ける。

ドラ

ペンチャン対3メンチャンだが、残り枚数は意外にも3枚ずつと同数。

吉田がツモって裏ドラを乗せ2000オール。

1本場も小池がリーチ。

ドラ

の形にドラを引いてイーシャンテンに進んだ吉田が一発でを放銃。2600+300のアガリ。

東2局、注目の2人がぶつかる。
富永、4巡目にリーチ。入り目は百点満点の中。

2巡後をツモ切り、高目がスジになる。
下石としては富永のリーチを看過できない上に親である。

がポツリ浮いたイーシャンテン。
これにくっつけばトイツ落としだろうが、親だけにポンでの連荘狙いもありえる。

ここに、現物が途絶えた吉田がを手放した。

下石はポンテンを取る。出ていくのはしかない!

での3200、または1300・2600ツモならともかく、満貫直撃放銃は大きい。下石には痛すぎる展開。

東3局、小池の先制リーチを下石が追っ掛け。

ドラ

小池が一発でを掴むが、ドラ裏ドラでどちらもなく、2600。

東4局、行くしかない下石はアンカンとやる気を見せていたが受け入れが狭くイーシャンテンまで。ポンドラ1の小池がツモって500・1000のアガリ。

南場を迎えて、富永30000、吉田28600、小池23300、下石18100という点棒状況。

富永にとっては理想的。
下石とは1着順上でいいのでトップラスまで必要ではないが、点差があるのはやはり安心感がある。
加えて、現在首位の小池が3着なのは好都合。
この並びで終われば上位との差をぐっと詰めて最終日を迎えられる。

南1局、富永7巡目にピンフをテンパイ。

ドラ

ヤミテンですぐに小池からアガり、せっている吉田の親をあっさり流した。

テンパイで切ったのはドラの
これに声が掛からなかったので次巡リーチという手もあるが、おそらく富永はヤミのままだろう。
トップ目を固める加点も欲しいが、いま一番やってはいけないのは下石に直撃のチャンスを与えることだから。

南2局、下石の親番。
一通の手変わりを見てヤミテンにしていた吉田、7巡目に場に2枚目となる小池の切りを見て、このマチはヤマにかなりあると読んでツモ切りリーチを敢行。

ドラ

一発目のツモが

小池の切りがなければ捕まえていただろう。
ワイプに映る吉田、マスクのせいで見えないが、口元には苦笑いが浮かんでいるはず。
吉田とは、私・五十嵐と共に最高位戦時代から25年以上の付き合いになる。間違いない。

ドラ

下石が追いついてリーチするも、このは非常に薄かった。対して、は場に出ている2枚以外すべて残っていた。

結果、下石がを掴んで放銃。
裏ドラはで乗らず、失点は1300+リーチ棒で済んだが、頼みの親番が終わり苦境に立たされる。

南3局、下石が7巡目にリーチ。

ドラ

これに対し、親の小池はチーテンを入れ向かって行く。

吉田もポンでイーシャンテン。

下石のリーチに富永は打つわけにいかないが、吉田と小池に敗退の危険はない。

吉田の手は役ナシだが、トップ目富永のわずか100点下。
富永が真っ直ぐ行けない隙をついてテンパイ料で逆転するチャンスだ。

吉田は持ってきたを切らずに加カンしたのが成功で、リンシャンからを引いてテンパイ。
カンドラは場に3枚切れので誰にも影響しない。

  ドラ

小池の最終ツモは

ツモ チー

も通っていないが、残りヤマは2牌。ここを乗り切れば連荘できる。

ということで、がツモ切られた。

下石は終盤になって見逃すことも考えていたという。
明らかに富永の1人ノーテン、しかも自分の手はこのままなら2600。流れればアガるより大きく差を詰められ、かつ局が進まない。

しかし、吉田のカンによっていまは裏ドラが2枚見られる。

下石の決断は「ロン」。しかし裏ドラはで乗らず。

喜んだのは富永だろう。下石との差は少し縮まったが、1人ノーテンで吉田に逆転され、かつラス前1本場となるよりはトップ目のまま自分の親番1局だけとなったのだから。

しかし、富永31000、吉田30900と変わらず100点差。
小池は19700で満ツモで2着、ハネ満ツモでトップになる。
下石は18400、ターゲットの富永を躱すのに満ツモでは700点足りないが、この局面なら吉田、小池、とくに小池からリーチ棒が出る可能性は高く、その後に満ツモかハネ満ならば残留できる。

緊迫のオーラス、最初のテンパイは吉田。シャンポンの仮テンに、9巡目にを引いて打、場に2枚切れのカン一通テンパイ。

ドラ

役アリなのでダマ。ツモならばピンフにするだろう。

そのときの小池の手は、

ドラ

とリャンシャンテン。
富永は、

ドラ

受け入れが圧倒的に広いイーシャンテン。
仮にを持ってきても止められずに打つだろう。
だが、その後の結果を知れば、吉田に5200を打ったほうがまだマシだった。

12巡目、小池があの手から追いついてリーチ。
一発でツモって満貫確定の上に雀頭を裏ドラにしてハネ満になった。

小池、連勝でただ1人プラスが100を超えた。

一方の富永、下石との残留争いには勝ったが、東2局からずっと守っていたトップの座を親被りで3着にまで落とされ、決して満足のいく結果ではなかっただろう。
吉田、秋山は小池を1戦で逆転できる点差だが、富永だけは180.8Pも離されているうえに、他2人とも120P強の差。
最終日5戦中3トップ以上が必要だろう。