第20期女流雀王決定戦観戦記3日目(11回戦)

日本プロ麻雀協会 第20期女流雀王決定戦観戦記 最終日

第20期女流雀王決定戦観戦記
最終日 11回戦

【担当記者:武中進】

現在のスコアは以下の通り。

逢川が首位だが、それを佐月が僅差で追走、僅か17P程度の差。
ちなみに昨年(第19期)の最終日開始時のスコアは以下の通り。

ポイントや順位に差はあれど、逢川・佐月が1,2位で最終日を迎える点は昨年と同じ。
この数年、協会の女流雀王争いはこの2人が何かしらの形でかかわっている事が多い。
かって崎見・眞崎時代、朝倉・大崎時代と言われるような歴史あった中、佐月・逢川時代と呼ばれる時がくるのではないだろうか。

11回戦(佐月-中月-逢川-奥村)

場が大きく動いたのは東2局1本場、この局の中月の進行と結果が印象的だった。
まず親の彼女の配牌。

ドラが3枚、そしてダブがトイツとスピード・打点ともに文句なしの手。
3巡目、ソーズのペンチャンを払うかと思いきや、ここを残して打

さらに4巡目に佐月が切ったをスルー。
これを鳴いてタンヤオとダブバックの両天秤を目指すのがマジョリティと考える筆者には意外に見えるこの選択。

さてそんな中で奥村、6巡目に以下の形から切り。

安全度を考えるならばからだが、を引いての三色を狙う。
8巡目に待望の引きで567三色のイーシャンテン、この進行はまさに教科書通り。

正直にここまでを見た時点では、この局は奥村に軍配が上がる気がしていた。
中月の「現在のポイント状況でこのS級配牌をもらったからにはハネ満クラスに仕上げたい」という気持ちは理解できるが、さすがに大振りでは?というのが正直な感想だった。

しかし予想とは裏腹に、中月が11巡目に6000は6100オールの和了。

この手を4000オールに出来る打ち手は多くいるかもしれないが、というソーズを重ねてチートイツの6000オールに仕上げる事が出来るのはほぼ中月だけではないだろうか。
多くの誘惑をはねのけ、強い意志でこの手をまとめ上げたその手順に、ただただ驚愕した一局だった。

この半荘トップを取ればいよいよ首位も射程範囲になる彼女、だが無論他家が黙ってみているはずはない。

ここから怒涛の追い上げを見せたのが佐月。
まず次局の東2局2本場、リーチツモチートイツで1600/3200は1800/3400。

ここからジリジリと中月との差を詰めていき迎えた親番、南1局1本場。
をポンしマンズの染め手に向かう。

さらにもチーする大胆な進行で他家にプレッシャーをかけつつ手を進める。

そしてこの積極的な仕掛けがマンズの鉱脈を掘り起こす。
,,と引き入れて、リーチをしていた奥村から会心の12000は12300。ついに中月を捲って首位に。

だが中月も黙ってはいられない。
このまま佐月トップで終了した場合、たとえ自身が2着でもかなり厳しい戦いを強いられる立場ゆえ、トップを奪還すべく懸命にあがく。
まず南1局2本場では1000/2000は1200/2200で佐月を再逆転。

しかし二の矢が放たれることはなかった。
手こそ入るものの、最後の1枚の競り合いに屈してジリジリと失点を続ける。
そして南3局では佐月が決定打のタンヤオ・ドラ2の和了。

11回戦は佐月トップ、中月2着、逢川3着、奥村4着という並びになった。

逢川はまだトップ1回で佐月を捲れるポジションだが、中月・奥村はいよいよ土俵際に追い詰められている状況。
戦いはクライマックスへと突入していく。