第20期女流雀王決定戦観戦記3日目(12回戦)

日本プロ麻雀協会 第20期女流雀王決定戦観戦記 最終日

第20期女流雀王決定戦観戦記
最終日 12回戦

【担当記者・中島由矩】

12回戦(佐月-逢川-奥村-中月)

当会のプロテストには、現在のタイトルホルダーを書く欄がある。
21期受験予定の人たちは今回の女流雀王決定戦を見てくれているだろうか。

12回戦は逢川の押し引きを見て勉強しよう。

2日目を終えて首位だったものの11回戦で佐月にその座を明け渡した逢川だったが、12回戦はこの配牌から反撃を開始。

ダブ東をポンすると、イーシャンテンからを加カンし新ドラを1枚乗せる。
新ドラ表示牌でもあるを引き入れてテンパイを果たすと、リーチいていた中月からをとらえて7700。

東2局1本場は一転して守備力が光る。
チートイツのテンパイ、が3枚見えていて他家が使いづらそうな単騎だがリーチは自重。

すると次巡、自身が切っているを引いてきて少考。
チートイツテンパイをキープするならツモ切るしかないが、下家の奥村がドラ含みの嵌でチー、ポンと仕掛けソーズ模様。

逢川の選択は打
フリテンの単騎テンパイだが、これは事実上の撤退。次巡に持ってきた生牌のを見てテンパイを崩した。
このとき奥村にはのシャンポンテンパイが入っていた。

逢川が待ちでリーチをかけていたらこので放銃に回っていた公算が高い。
逢川の「強さ」を因数分解すると、「放銃率の低さ」「相手の手牌読みの正確さ」という解が出てくる。

しかしこの局は奥村が残り1枚のをツモって、白・ホンイツ・ドラ1の2000/4000は2100/4100をアガる。

東3局の逢川は、かわし手をサボらなかった。
この12回戦以外の逢川の対局を見ていても、一発消しや海底ずらしなど、逢川はいつでもやれることをやる。やり切る。
2日連続で合計10もの半荘を打っていて、集中力の切れるところがなかった。

ここからを先切ってをつり出し、両面変化のある嵌待ちに取るとそのままアガリとなった。

東4局は、門前での進行をリーチして高打点に引き上げる。

この配牌から字牌、端牌を丁寧に処理してテンパイ。
ドラ表示牌を含めて場に4枚見えている待ちで即リーチと行く。
三面張テンパイが入った親の中月から一発でを仕留め、リーチ・一発・ピンフ・裏ドラ1の8000の出アガリ。

南2局は高打点が見える配牌を積極的に仕掛けていき、中・南・ホンイツの12000に仕上げた。
まさに逢川の独壇場といった様相。

今年の東京五輪スケートボード女子ストリートで初代女王となった西矢椛選手を指すフレーズで、「13歳、真夏の大冒険!」という名実況が話題になった。
この12回戦のトップで首位まであと2.4ptと迫った逢川の・・・ええと逢川は令和生まれを公言しているから、「3歳、真冬の大冒険!」は残り3半荘を残すのみとなった。
女流雀王という金メダルは獲得できたのだろうか、13回戦以降も注目だ。