第20期女流雀王決定戦観戦記2日目(6回戦)

日本プロ麻雀協会 第20期女流雀王決定戦観戦記 2日目

第20期女流雀王決定戦観戦記
2日目 6回戦

【担当記者:武中進】

初日終了時点でのポイントは以下の通り。

まだまだ大きな差はない状況である。

2日目初戦となる6回戦。座順は佐月、奥村、逢川、中月。

東1局は奥村リーチからの一人テンパイで流局。
その後の東2局1本場、まず中月が先手好形でテンパイしリーチ。

手役はリーチのみだがは山に6枚残りで文句なし。
本日12/25、クリスマスにサンタが中月に送る最初のプレゼントか、、、

と思っていたが、中月の待ちは次々と他家に吸収されていく。
そしてこの局アガったのは佐月。

先行リーチに対して迂回していた佐月だったが、終盤にドラのを重ねてピンフ・ドラ2をテンパイ。
を4巡目に切っておりフリテンだったが、腹をくくって真っ向勝負の追っかけリーチ。
そんな姿勢を気に入ったのか、サンタが最後のを彼女のツモに送り込んだ。

次局は親の逢川がリーチのみではあるが先制攻撃。
待ちのがスジにかかっており出アガリも十分期待できる形。

しかしこれに追いついたのが奥村。

ピンフ・ドラ1、高めイーペーコーの勝負手、更には待ちのは山に5枚残り。
一方で逢川の待ちは直後に中月に1枚流れたのもあり残りが1枚のみ。
打点も待ちも圧敗、まさにまな板の上の鯉となった逢川だったが。

なんとその残り1枚のアガリ牌を手元に引き寄せる。
奥村としてはただでさえ好形勝負手での競り負けで心えぐられる中、めくられた裏ドラのが自身の雀頭というメンタル攻撃も加わる悲しい展開。
点数以上に大きな2000オールのアガり。

奥村はとにかく苦しかったこの半荘、東4局でも4巡目に好形に恵まれるが。

佐月の速攻にかわされ、かみ合わない展開が続く。
最後まで手は入るものの加点に至らず4着となってしまった。

その奥村とは対照的に、とにかく展開に恵まれたのは佐月。
東3局ではリーチ・ツモ・チートイツで1600/3200。
裏ドラこそ乗らなかったが他家を更に引き離す。

南場はトップ目での慎重な進行で進めていた中、南3局でトップを決定づける2000/4000。

アガリだけを目指すなら前巡にドラを切ってマンズ待ちにする局面だったが、トップ目かつ終盤ということもありのいびつな待ちに取り流局OKの形にしていた。
が、僥倖ともいえる4枚目のツモ。
サンタから次々とアガリ牌がプレゼントされているかのような理想的な展開だった。

2着は中月。
オーラスに点棒状況を考慮してキッチリと大ミンカンで打点をあげつつ相手にプレッシャーを与え、3900点の和了につなげたのが大きかった。

このカンが無ければほぼ間違いなく仕掛けた逢川がアガリ切っていただろうし、仮に1本場に突入できてたしても奥村に捲られていた可能性が高かった。
値千金の好プレー。

トップの佐月が逢川を逆転しトータルトップに躍り出る。
しかし4位の奥村でも130P程度の差、勝負はここから中盤戦へと差し掛かっていく。