第12回関西女流スプリント決勝観戦記(5回戦)

第12回関西女流スプリント
決勝観戦記 5回戦

【担当記者:新田友一】

●5回戦(小松-夏月-鳥井-大島)

大島と夏月の着順勝負がメインとなるが、鳥井・小松も自身のトップが必須かつ並びを作る必要はあるものの全員にチャンスがある最終戦となった。

東1局
こういったポイント状況のときには、ゲームが長くなる傾向がある。
小松が役牌を仕掛けだしてスタートする。
大島と夏月は小松に多少アガられても構わないが放銃はしたくない。
鳥井・小松もトップが必要ではあるが、大島と夏月を3、4着に沈めたいので、お互いの親番では無理にかわしたりはしない。
少し点棒を持ってもらってまくり返す、これがセオリーであるから長引きやすいのである。

役牌を仕掛けた小松が、終盤にドラ単騎のテンパイを入れ、最後のツモで力強いアガリを見せる。

東1局1本場
鳥井にチャンスが訪れる。
ドラのを暗刻にしてテンパイ。
普段ならリーチもあるが、ここは大島か夏月からの直撃を狙いたいためひっそりとダマテンに構える。

結果は無常にも自由に打たれて夏月にアガられてしまう。

東2局は小松が跳満のツモアガリで連覇の可能性を残す。

その親かぶりで失った点棒をすぐに取り返す夏月。

東場を終え、勝負の行方はまったく分からない。

南入時点での点棒状況は、
小松43200、夏月23300、大島17800、鳥井15700

小松は夏月が2着のままだとあと2万点ほど稼ぐ必要があるが、6000オール一発でほぼ並ぶ。
ラス目の鳥井はこの並びのままトップに立てればよいので、まだ悲観する状況ではない。
夏月、大島は依然僅差の着順勝負である。

南1局、加点したい小松は1500をアガり連荘に成功。
そして1本場、ついに大きく動く。

夏月の先制リーチに親の小松が追っかけリーチ。
しかし、この宣言牌が夏月に掴まってしまう。

今日一番の会心の一撃!
メンタンピン三色ドラ1。
開けられた瞬間、全員の険しい表情が浮かぶ。

着順勝負の大島に大きな差をつけるとともに、並びが必要な鳥井・小松にとってもかなり厳しい状況となった。
特に親の落ちた小松は絶望へと突き落とされた。

南2局の夏月の親番は流局。
南3局1本場、鳥井最後の親番。
まず2000は2100オールで連荘すると、2本場はドラを暗刻にして6000オールも見えるイーシャンテン。

しかし、役無しだがテンパイを入れていた夏月!

いよいよ優勝へのカウントダウンか。
大島の親番のオーラス。
優勝のテンパイを入れた夏月だが、ここは大島がアガり望みを繋ぐ。

そして次局4巡目リーチ。
この早さでナント高めツモだと一撃で優勝ポジションである。

この局は小松からの12000となり、いよいよ7200点差。

しかし大島の反撃もここまで。
夏月が点差を守り切り、4年ぶり2度目の優勝に輝いた。

この決勝戦、序盤は苦しかった夏月だったが1~3回戦を耐えに耐え、
4、5回戦と連勝しての優勝。
ポイント状況を加味したゲーム回しが見事にハマり、少ないチャンスを活かしての見事な勝ち方であった。

4位 鳥井ゆう
くじけず来期も5年連続の決勝、そして悲願の優勝を決めて欲しい。

3位 小松慧
力強いリーチ選択はスプリント王者の貫禄だった。
すぐにチャンスは訪れるであろう。

2位 大島麻美
何度も何度も訪れた優勝を決定づけるチャンスが一つでも実っていたら…
いつかこの悲運を糧にがんばろう。

1位 夏月美勇
優勝おめでとうーー!この時を待っていました!
では、石原さとみ似の女の子の紹介よろしくお願いします。