第21期雀竜位決定戦観戦記 3日目(最終日)(14回戦)

日本プロ麻雀協会 第21期雀竜位決定戦観戦記

第21期雀竜位決定戦観戦記
最終日 14回戦

【担当記者:坪川義昭】

13回戦のトップにより、安藤はこの14回戦で小池とトップラスを2半荘連続で決められない限りほぼ逆転される可能性はない。

堀がアンカンを入れたタイミングで小池、江崎のリーチ合戦。

更にオリることを許されない堀も参戦して3件リーチの捲り合い。
本来ならこのラス前の捲り合いは勝負所の一つであり緊張感が走るものだが、優勝という一点で見ると誰が勝ったとしてもゴールテープは目視で確認できないくらい遥か彼方なのだ。

最後は安藤があっさりと締めてラスト1回ウィニングランを残すのみとなった。

15回戦中6戦もの記事を著者は書いていたのだが、、記事を読み返した時に一度も安藤の麻雀に関する内容を書いていなかったことに気付いた。

放送対局を観た際に、
通常だったら鳴く牌を鳴かない選手、
普通だったら切れないような牌を勝負して魅せる選手、
常人には成し得ない手順を踏んで独創的なアガりをものにする選手がフィーチャーされている。

『麻雀はバランスのゲーム』

麻雀というのはとんでもないファインプレーをした人が勝ちやすいゲームではない。
常に正着を追い求め、ミスをせずゴールまで走り切ることが勝利に繋がる。

安藤はそれを最後までやり通した。
この決定戦で彼だけが実現できるファインプレーは存在しなかったかもしれない。
しかし、誰が観ても違和感のない無個性の強さを証明してくれた。

それは麻雀において一番大切なものを体現してくれたのではないだろうか。