第21期雀竜位決定戦観戦記 2日目(8回戦)

日本プロ麻雀協会 第21期雀竜位決定戦観戦記

第21期雀竜位決定戦観戦記
2日目 8回戦

【担当記者:佐治敏哲】

10回戦が終わった時点で5位が敗退。
フラットなポイント状況のため、全員にそのリスクがある状況。
「優勝を意識しながらも、足下も見なくてはいけない」
普段以上に考えることが増え、バランスがより難しい。

■東2局

江崎の強みの1つが打点構想力。
が重なり、ここから切り。
選択もさることながらその一片の迷いもない判断の早さに驚いた。
リーチのみを嫌い、高くなる可能性を常に考えている証拠だ。
この1シーンだけで『江崎文朗』という打ち手にグッと引き込まれる。


最終的にここまで育てるも流局。

■東3局3本場 供託5本
5000点のボーナスは誰もが欲しい。
そのため供託の多い場は親が連荘しにくい。

親の江崎がから動く。
そこに安藤が仕掛け返した。

この十分形からをチー。
実際はドラが3枚組み込まれた仕掛けだが、タンヤオのみの1000点もありえる状況。
供託5本が程よいカモフラージュになっているのだ。

さらに仕掛けテンパイを入れ、ついに均衡を破った。
 ツモ   ドラ

■南4局
先制したのは親の安藤。
 ツモ ドラ 裏ドラ

2着目の江崎を突き放すことに成功。
前局ライバル江崎の親番も、下家の吉田にアシストして流している。
そして自分の親ではしっかりアガる理想的な展開。
卓全体が見えているゲームメイクだ。
このあたりに、雀竜A級で生き残り続けている要因がありそうだ。

■南4局1本場
吉田の先制リーチに堀が追いつく。
 ドラ

吉田から直撃orツモかつ裏1でラス回避できる。
しかし勝ったのは吉田。

ダマテンで狙った三暗刻変化をしっかり捉えた。
そして堀のリーチ棒で江崎を逆転し2着に浮上。

トップは安藤。
トータル首位の江崎が3着に落ちたのも大きい。
これでラスを引かなければ敗退もない。

一方で苦しかったのは堀。
先制テンパイが入らず、勝負手が入った時には周りのスピードに追い付けない。
今のラスでトータル5番手に。

大本命、堀慎吾の敗退があるのか・・・
去年の雀竜位決定戦では、A1リーグ所属の実力者である下石戟が2日目で敗退した。
エース級の選手が負けてもおかしくない。
それだけ全体のレベルが上がってきているということかもしれない。