第21期雀竜位決定戦観戦記 2日目(10回戦)

日本プロ麻雀協会 第21期雀竜位決定戦観戦記

第21期雀竜位決定戦観戦記
2日目 10回戦

【担当記者:坪川義昭】

遂に2日目も最終戦。
この回のポイントは「吉田が抜け番の堀を捲れるかどうか」の一点だけである。
2着で残るには42400点以上必要なため、ほぼトップ条件といえるだろう。

小池、安藤が抜けた東3局に吉田がポンの声。

マンズのホンイツだがドラのが使いにくくなるため声が出なそうな牌だが、この積極策がハマる。

更にをポンすると、そこから低打点テンパイの誘惑を全て拒否し、安藤からのリーチにも真っ向勝負。

首の皮一枚つなぐ12000のアガリを決め、抜け番の堀を追い詰める。
不恰好なアガリ形かもしれないが、必死にタイトルを守り抜こうとする泥臭い麻雀は観戦者の心を打った。
しかし、目標のポイントには及ばずこの回で現雀竜位の吉田の敗退が確定した。

敗戦後に笑顔で『悔しさはあるが自分の力は存分に出し切った』と語る吉田の表情は清々しい。
またこの舞台で彼の麻雀が観たいと思わせてくれた。

決定戦も残すところ5回戦となった。
ギリギリ生き残ったとはいえ苦しい立場には違いない堀がこのまま終わるはずもない。
史上初の3度目の戴冠を目指す江崎も静かに闘志を燃やしている。
小池・安藤はこのリードを守り、2人の勝負に持ち込めるのか。
全員に見所がある最終日を見逃すわけにはいかない。