第21期雀王決定戦観戦記 4日目(最終日)

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第21期雀王決定戦観戦記
最終日 17回戦

【担当記者:中島由矩】

トータル首位の浅井がトップを取り、ついに雀王戴冠に向けての物語が動き出した。
ここから先はフラットに打つ機会が減り、ポイント状況を考慮した手役構想や打牌選択が見られるだろう。

差し当たってこの17回戦は【浅井堂岐包囲網】といったところだろうか。
浅井にトップを取らせたくない3者は、時には協力して浅井のリーチをかわしたり親を流したりすることになる。
浅井の着順を落とすための見逃しや差し込みもあるかもしれない。

17回戦(渋川-松本-浅井-仲林)

東1局、まずは現雀王で親番の渋川難波が第一の刺客として浅井の前に立ちはだかる。

西家浅井の先制リーチはカン待ちで、これが山に1つしかなかったのだが、リーチ後1巡で吸収され山ゼロになってしまう。

それが分かったわけではないだろうが、渋川は急所のカンから仕掛けると、

の片アガリテンパイに取り、首尾よくをツモって1000オール。
渋川はその後も東1局2本場で、松本のの変則三面張リーチをかいくぐり、

松本の手に3枚内蔵されていて、なおかつ松本のアガリ牌でもあったを頭ハネで仲林からアガリ、3900は4200の加点に成功。

続く東1局3本場では、またも親の渋川が9巡目に先制リーチをかけると、安目のながら裏ドラを1枚乗せて、リーチ・ツモ・ピンフ・裏ドラ1の2600は2900オールの収入となった。

松本吉弘が第二の刺客として浅井の前に立ちはだかったのは、東2局。
前局の渋川がそうだったように、ここも松本の親番中の出来事だった。

松本は開局早々オタ風のを暗カンすると、マンズをかき集めてホンイツに向かう。
最後は受けとなるターツも外し、ラストピースのカンを埋めてテンパイ。

を縦に置き、ダマ12000のを、息をひそめてねらう。

ところが次巡、裏目となるツモを見るや否や手の中にあったを空切ってリーチを宣言。
一発や裏ドラを乗せての6000オールや8000オールをツモリにいく。

上家である松本の河にが2枚並んだのを見た浅井は、松本のリーチ宣言牌を機敏にチー。
234の三色確定の打タンキでギリギリのかわしをねらう。
もしでも食い取ることができれば、この17回戦のみならず第21期雀王決定戦の勝負を決めかねない。

最終的にはオリに回ることになったものの、松本のアガリ牌であるを手に収め、浅井はこの局を流局に持ち込んだ。
ボクシングでいうところのクリンチになるだろうか。
松本にとっては痛恨だった。

南4局は、ここまでずっと大人しかった仲林圭が意地を見せた。

まずは点棒状況から見ていこう。

東家・仲林19700
南家・渋川51200
西家・松本17000
北家・浅井12100

渋川・松本・仲林の3者による【浅井堂岐包囲網】はその役割を果たしていた。
浅井は目下ラス目で、3着になるため1000/2000ツモや5200の出アガリ、2600の松本直撃などを狙う。
浅井以外の3者は、浅井を4着に沈めたまま自身の着アップを目指す。

まずは渋川がオタ風のから仕掛けて、17回戦を終わらせに行く。
が早めに鳴ければそれでいいし、鳴けなければソーズのホンイツという二段構えの作戦だ。

そこに速度を合わせていったのが松本。
2600出アガリでは着アップが望めなかったところに、ドラのが上家の渋川から出てきた。
手の内にあるも使わなければならないと考えるとピンズの形が苦しいものの、の暗刻が攻守に頼もしい。
ドラドラの3900や5200での着アップを目指す。

最後に真打登場、第三の刺客は親番の仲林。
打点こそないものの、リャンメンリーチで連荘をねらう。
これをツモってさらに裏ドラを1つ乗せリーチ・ツモ・裏ドラ1の2600オール。
3着目の松本の条件を満貫ツモ圏外にすると、これがストレートに次局に効いた。

先ほどの2600オールツモ以前であれば、松本は上の手で打リーチとして1300/2600ツモや2600の直撃などを目指せたのだが、条件が跳満ツモとなるとこの手でリーチには踏み切れない。
として手を戻し、ドラのペンツモから打でのピンフに照準を合わせる。

こうして仲林は他家の手を遅らせることに成功し、自身はピンフ・ドラドラでリーチ。
これを、渋川から打ち取って12000は12300の加点。ついにトップ目が入れ替わった。

さらに仲林は攻撃の手を緩めない。
の暗刻にドラドラを生かし、9巡目にカンをツモリ上げて4000は4100オール。
第三の刺客は、浅井を討つだけでなく、この半荘をも鮮やかに奪ってみせた。

仲林が17回戦トップで、トータル3位に浮上。
16回戦を前にしたオープニングのインタビューで「今日の5半荘で最低3トップ必要」と語っていたうちの1トップ目を獲得した。
浅井は包囲網に屈し4着となったものの、トータル2位の松本がこの半荘3着だったためまだポイント差は100pt以上ある。
渋川はほぼ手中に収めていたトップが南4局でスルリとこぼれ落ち、この半荘は2着ながらトータル4位に後退した。

泣いても笑っても、残り3半荘。


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