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日本プロ麻雀協会、関西所属協会員による西日本最強決定戦。
「第6回ウェスタン・チャンピオンシップ」開催。

最終ポイント成績

順位
名前
TOTAL
1回戦
2回戦
3回戦
4回戦
5回戦
1
一北 寛人
111.4
-67.5
60.4
53.9
56.7
7.9
2
小田 進也
56.0
21.7
6.1
-43.8
9.6
62.4
3
柴 卓司
-57.3
75.0
-48.9
-15.2
-21.8
-46.4
4
宮崎 信一
-110.1
-29.2
-17.6
5.1
-44.5
-23.9

≪決勝観戦記≫

今年で第6回となるウェスタン・チャンピオンシップ。関西協会員による最強決定戦である。
大会形式、トーナメント、そして決勝の頭取りという麻雀の総合力と、短期決戦という運の要素も必要となるこの大会。
シードが一切ないという珍しい大会でもある。さっそく今回のファイナリストを紹介する。

選手紹介(五十音順)

 

一北 寛人 第1期より在籍

関西本部長であり、第2回ウェスタン・チャンピオンシップの覇者。
大会やリーグ戦の運営に携わり、公式戦は毎年この大会にしか出ていないので
他の選手とは意気込みが違う。

担げるげんは全て担ぐというタイプで、
決勝開始前には目当てのドリンクを探しにコンビニを5件も回っていたそうだ。

 

小田 進也 第4期後期入会


今回唯一のウェスタン・チャンピオンシップ決勝未経験者。
リーグ戦はC1リーグに所属しており、七対子など縦の手役が好きなイメージである。
私が初めてのリーグ戦で最初に声を掛けてくれた先輩で明るく親しみやすい人柄である。

 

柴 卓司 第11期後期入会

第4回ウェスタン・チャンピオンシップのファイナリスト。
来期からC1リーグとなる期待の若手の一人である。
逆境に強く、準決勝では絶体絶命のところから決勝の切符を手に入れた。


 

宮崎 信一 第3期前期入会

第5期新人王で第3回ウェスタン・チャンピオンシップのファイナリスト。
リーグ戦は来期からC1リーグ。麻雀はタンヤオ重視である。
麻雀に対するストイックなところは対局中にも伝わってくる。

今回のファイナリストは麻雀のタイプは違うが、スピードタイプではないのでとても長い勝負になりそうだ。
条件や並びの意識もかなり高く、最後まで楽しみな対局である。

☆1回戦☆(小田→一北→柴→宮崎)

東1局、最初にチャンスが来たのは柴。
 ドラ
いきなりドラ色ホンイツの大物手。 を仕掛けてすぐにハネ満テンパイ。
しかしこれが簡単にアガれないのが麻雀の不思議なところである。高そうな仕掛けにぶつけたのは一北。
 ドラ

これを一発で柴が掴み5200の放銃。柴にとってはかなり痛い。

東2局、東1局にチャンス手がアガれなかった柴。しかしこの局も手が入る。
 ドラ
678の三色が見える手牌。

しかし今回もこれを阻止する者が現れる。先制リーチを打ったのは宮崎。
 ドラ
高めで満貫からというテンパイ。

さらに小田が同巡追っかけリーチ。
 ドラ
これを小田が一発でツモって裏ドラも乗り2000・4000。
2局連続で柴はチャンス手を潰される辛いスタートとなった。

東3局の小田、宮崎のリーチ合戦は流局し、2人テンパイ。
東4局1本場は親の宮崎が軽く1300は1400オール、続く2本場は一北の1人テンパイ。

南1局3本場、最初に動きを見せたのは一北。
積み棒と供託を取りにタンヤオドラドラの仕掛け。
 チー ドラ
門前では間に合わないと思い、積極的に仕掛ける。しかし同巡に宮崎から先制リーチ。
そして小田も追いついて追っかけリーチ。東1局からの激しい殴り合いが続く。
宮崎
 ドラ
小田リーチ
 ドラ
供託が3本になり一北もさらに仕掛けて前に出る。
 チー チー ドラ
しかし、このが小田に捕まり2000は2900の放銃となる。小田としては大きなアガリとなった。

南1局4本場、親の小田に大物手が入る。ドラのが暗刻の両面テンパイ。非常に待ちもよく山にも残っていそう。
 ドラ
ダマかリーチか。ダマならかなり拾えそうな場況である。
小田はリーチを選択。6000オールを狙いにいった。ダマにする意見も多かった。
しかし、小田は「まだ1回戦。ダマにする局面ではない。これをダマにするのは3回戦ぐらいからだろう」と言っていた。
ここで全員の心を折りにいったのである。

リーチして2巡後にツモ。6000は6400オール!!強烈な一撃である。
それをリーチしてくるかという表情を浮かべる三者。これは決まったか。

南1局5本場、これ以上小田に連荘されるわけにはいかない。一北がドラのを切りテンパイ。
 ドラ
親の小田が次巡に合わせたのを見てツモ切り先制リーチ。しかし小田も追っかける。
 ドラ
同テン対決。さらに柴が3人目として参戦!!


2巡後、柴が静かにツモりあげる。
 リーチツモ ドラ
「8000・16000は8500・16500」
ツモなら高そうな手というのは捨て牌から想像はできるが、ここまで高いとは。
小田も厳しい表情を見せる。しかし小田と柴の点差は約5000点。まだまだ柴のトップが決まったわけではない。

南2局、7巡目に親の一北がを暗カン。しかし、新ドラのを雀頭にした柴が先制リーチ
 ドラ
一北も終盤に仕掛けてテンパイをいれ、小田も形式テンパイをとる。
一北
 チー 暗カン ドラ
小田
 ドラ
18巡目、一北の最後のツモはの選択。一北の選択は
裏ドラものって柴へハネ満の放銃となった。
「冷静に考えれば、のほうが通りやすいよね。のトイツ落としリーチだったからね。前局の役満で少しアツくなったね」
と本人は話していた。

南3局、ハネ満をアガリ、点棒状況に少し余裕ができた柴。この親番でさらに大きく加点をしにいく。
ポンから入りマンズに染めに向かう。
これを見て宮崎はドラを切って親を蹴りにいく。小田も大きく被せにいきたいところだが、宮崎と共に親落とし狙い。
柴の上家の一北はこれ以上の柴の加点を許さんとばかりに完璧に絞る。三人でこの親を落としにいった。
先制リーチは宮崎。すぐに小田も追っ掛けリーチ。
宮崎
 ドラ
小田
 ドラ

しかし柴もチンイツのテンパイ。
 ポン ドラ

結果は柴が小田に2000の放銃。

南4局、宮崎が見た目2900の仕掛けをいれるが、実は12000のテンパイ。
 チー ポン チー ドラ
しかし柴がダマテンで一北からアガリこの半荘をトップで終える。
ほぼ毎局2軒以上のテンパイが入っていたこの殴り合いの半荘は、役満をアガった柴が制した!!

1回戦結果
柴 卓司   +75.0
小田 進也 +21.7
宮崎 信一 ▲29.2
一北 寛人 ▲67.5

 

☆2回戦☆(小田→柴→一北→宮崎)

2回戦のテーマはもちろん柴の連勝を阻止すること。これが柴以外の三者の共通のテーマ。
5回戦の短期決戦で2連勝されることのダメージは全員が知っているはず。もちろん柴は連勝したいであろう。

東1局、11巡目にリーチをしたのは一北。
 ドラ
しかし小田もすぐに追っかけリーチ!
 ドラ
これで何回目のリーチ合戦か?門前派が多いとはいえ、これだけぶつかるのだろうか。
これに勝利したのは小田。3900のアガリ。一北は苦しい展開が続く。

東1局1本場、柴にチャンス手が来る。
 ドラ
チャンタ三色が見えるイーシャンテン。これが決まると連勝に一歩近づく。
しかしこれを阻止したのは宮崎。6巡目にリーチを打ち、これを柴から直撃。
 ロン ドラ 裏ドラ
5200は5500。柴から直撃できたのは点棒以上に大きい。

東2局、1回戦トップの柴の親。
柴の下家の一北が少し遠いマンズのホンイツ仕掛けを入れて、柴に対するプレッシャーをかけにいく。
柴も手牌が苦しく、一北、宮崎の二人テンパイで流局。柴の親を流すことに成功。

東3局1本場は、一北が12000は12300をアガリ、2本場は一北、柴の二人テンパイ。
続く3本場、柴から先制リーチを受けた一北の手牌が難しい。
 ツモ ドラ
打牌候補は。現物のを切るか、通りそうなを切ってチートイツも見ながらゆったり構えるか。
長考の末、一北の選択はもよさそうに見えていてさらに柴の現物。考えれば考えるほどを切りたくなる。
しかしツモは無常にも。中スジでをツモ切り。そしてツモ
選択がならこれでツモっている。一北にとっては柴とトップラスの状況だけに、かなり苦い顔をしていた。
結果は宮崎が追っ掛けリーチをしてツモアガリ。
 ツモ ドラ 裏ドラ

南1局での点棒状況。
小田29200 柴17200 一北34100 宮崎21500
1回戦トップだった柴をラス目にして迎えた親の小田が先制リーチを打つ。
 ドラ
この親で連荘してトップを取ればかなり優位な立場になれる。しかし、一北が捌きに前に出る。
宮崎が自分の手牌都合と一北に当たってもいいと小田の現物のを切り、一北に1000点の放銃となる。
 ポン ロン ドラ
宮崎としては、ここで小田に走られるよりは一北に差し込んでもいいと考えたのだ。
苦しい展開が続く宮崎だが、しっかり並びも考えて踏ん張っている。

南2局は、宮崎が柴の親を1000で流し、南3局は小田がトップ目の一北の親を2000で流す。

南4局での点棒状況。
宮崎21500 小田30200 柴15200 一北33100
小田がトップを取るのは小田以外の三者は相当都合が悪い。しかし、最初に仕掛けたのは小田。
 ポン ドラ
を1鳴きし2000のテンパイ。現状、一北からの直撃条件だが、234の変化もある。
柴がラス目なので2着で良しとするのかと思っていたが、柴から切られたをスルー。
柴が切ったの後に一北、宮崎が合わせてを切る。
これほど見事に合わせ打ちされれば2着でもアガるだろうと思っていたが、
この一瞬の隙をついて宮崎が仕掛けて2000オール。宮崎、一北の光る一打だった。

南4局1本場、前局は3着に上がるチャンスがあった柴。
しかし、宮崎の2000オールによりハネ満ツモ条件となった。
最初に仕掛けたのは小田。2巡目にダブを仕掛け2600は2900なら同点トップになるというプレッシャーをかける。
一北もを仕掛けてアガリ競争となる。小田はさらにをポンして加速。
一北
 ポン ドラ
小田
 ポン ポン ドラ
これを受けて柴の手牌がこちら。
 ドラ
メンホンになりそうだが、ここで柴は一北のアシストを開始する。自分がアガることよりも、一北にトップを取らせることを優先した。
結果は一北が2000・4000は2100・4100をアガりトップ。

自分のアガリが全てではない。優勝するために最善を尽くす。彼らにとっては当然の選択かもしれないが、さすがである。

2回戦結果(カッコ内はトータルポイント)
小田 進也 +6.1(+27.8)
柴 卓司   ▲48.9(+26.1)
一北 寛人 +60.4(▲7.1)
宮崎 信一 ▲17.6(▲46.8)

 

☆3回戦☆(宮崎→小田→柴→一北)

この戦いも折り返し地点。まだそれほどポイント差があるわけではないが、宮崎だけ連対条件。

小場の展開で場が進み、大きく動きを見せたのは東4局である。

 ドラ
大三元が少し見えるところ。すぐにをポンする。しかし、宮崎に鳴けないを切られてしまう。柴がツキに見放されかけているようにも見えた。 なら足止めもできたのだが・・・
結果は鳴けないを切った宮崎が1300・2600をアガる。
宮崎
 ツモ ドラ 裏ドラ

南1局は小田の1人テンパイとなり、平たい点棒状況が続く。
南2局1本場、親の小田が4巡目にイーシャンテン。しかしここから手が全く進まない。親を落としたいところで宮崎が最初にを仕掛けた。
 ポン ドラ

それに合わせて一北も親の安牌を抱えながらタンヤオで仕掛ける。この一北の仕掛けが宮崎に試練を与える。

宮崎はを引きテンパイ。しかし切るのはドラの
連対条件でトップが欲しい宮崎としてはこれが一北に切りづらい。
宮崎は、ここでテンパイ取らずの
「この一打でちょっとおかしくなったかな」と宮崎は言っていた。
結果はドラを引いてテンパイするも一北に2000は2300の放銃。無難な選択であったことは事実。
ドラを切っていても同じ結果になっていたかもしれない。しかし心のどこかにモヤモヤを残してしまったのかもしれない。

南4局の点棒状況。
一北26100 宮崎27700 小田22100 柴24100
全員がトップを狙える状況。誰が神様に選ばれるのか。神様に選ばれた人はすぐにわかった。
 ドラ
親での配牌イーシャンテン。あっさりテンパイしリーチ。そしてツモ!!これでトップ目に立つ。

次局、柴が小田からリーチ棒と2000は2300を受け取り終了。
一北連勝!宮崎もなんとか連対条件をクリア。

3回戦結果(カッコ内はトータルポイント)
一北 寛人 +53.9(+46.8)
柴 卓司   ▲15.2(+10.9)
小田 進也 ▲43.8(▲16.0)
宮崎 信一 +5.1(▲41.7)

 

☆4回戦☆(一北→宮崎→小田→柴)

残り2半荘。一北のトップを阻止しなければ、最終戦の条件がかなりきつくなる。

東1局、東2局ともに小田が1300・2600をアガリ、スタートダッシュに成功!
東3局、このまま勢いで押し切りたい小田の親番。ここで動いたのは一北。
6巡目にをポンして、8巡目にテンパイ。
 ポン ドラ
これに追いついたのは親の小田。ドラがでありが一北に切りづらい。
ソーズのチンイツには向かわず、少し考えてリーチ!!
 ドラ

4巡後、小田が持ってきたのは。チンイツ4面待ちになっていた牌(リーチ宣言牌が)であり、一北のロン牌。
さすがに捉えられない選択だと思っていても、顔を歪める小田。一北にとっては非常に大きいアガリとなった。
さらに東4局では2000・4000をアガリ、一北がトップ目に立つ!!これは他3者にとって厳しい展開になってきた。

東場終了時の点棒状況。
一北32100 宮崎19100 小田30400 柴18400

南1局は小田が一北の親をあっさり1000で流し、南2局は宮崎の親をまたもや小田が捌き切る。宮崎はかなり苦しい状況になった。
南3局は親の小田が先制リーチをして1人テンパイで流局。

これまで多くのメモを残してきた私だが、ここである点に気がついた。柴のメモ欄に記入がほとんどない。何もできない時間が続いているのだ。
「緊張しているのではないか」
そんなコメントを3回戦終了時点で私に言ってくれたのは、採譜者の吉田。本当にそうだったのか。

南3局1本場、先制したのは小田。9巡目にリーチ。
 ドラ
これを受けた柴の手牌。
 ツモ ドラ
ドラを切ればテンパイ。小田にドラは通りそうだが、問題はリーチをするかどうか。が小田の現物である。
現在の点棒状況。
小田36100 柴16700 一北29400 宮崎16800

柴は最低でも2着になりたい。しかしここでリーチを打って、小田から出た時にどうするかだ。
裏ドラが乗ると、一北が微差のトップ目に立ちオーラスへ。この展開はあまりよろしくない。自分の点棒も欲しい。長考・・・

柴の出した結論はダマ。リーチしてもいいのではないかという意見もあった。難しいところであった。
最終戦の条件の為にも、一北トップ阻止を第一に考えた結論だろう。
その後、を引きオリ。自分の手の復活と安全度でを選択。しかしこの選択が思いもよらない展開を生む。

このを一北がポン。
 ポン ドラ
なんと四暗刻のイーシャンテンだったのだ。これでトイトイのテンパイ。そしてこれを掴んだのは小田。5200は5500。

結果は最悪。しかし、最善の努力の結果だからしょうがない。
「リーチをしていれば・・・」
そんなことは思っていないと思うが、柴の心情はいかに・・・

追い風を受けているのは一北である。しかし、まだオーラスが残っている。

南4局、タンヤオでアガリに来た一北をなんとか阻止して連荘。
南4局1本場、柴が10巡目、11巡目に仕掛ける。
 ポン チー ドラ
見た目はタンヤオ。しかし、苦しいバックの仕掛け。周りには少し焦っているようにも見えたのか。
一北のテンパイ気配が少し感じられたのか。微妙な空気が漂う。
ここで宮崎が柴に当たりそうなを切る。宮崎は連対するには条件が厳しい。ならばせめて一北のトップは阻止しなければならない。
点棒状況的に柴に差し込めるのは自分だけ。最終戦の条件の為にも、自分のできることはやる。そんな意図が見える一打。

しかし、結果は無情にも一北に放銃。これは見ている私も心が苦しくなる瞬間だった。
 ロン ドラ

4回戦結果(カッコ内はトータルポイント)
一北 寛人 +56.7(+103.5)
小田 進也 +9.6(▲6.4)
柴 卓司   ▲21.8(▲10.9)
宮崎 信一 ▲44.5(▲86.2)

 

☆5回戦☆(小田→柴→宮崎→一北)

最終戦!!まずは条件の確認。
小田は、一北とトップラス30000点差をつければ優勝。
柴は、一北とトップラス34500点差をつければ優勝。
宮崎は、一北とトップラス109800点差をつければ優勝。

まずは一北をラスにしなければならない。そうしなければ、上記の点差に+20000点必要になる。
とはいえ、小田、柴の可能性はまだ現実的である。
一北をラスにしなければならないので、点棒状況的にはアガリに向かわない人も出てくる。
連荘してもらい、親が一北を捲ってから親を落としに行くケースがある。長い最終戦になりそうだ。

東1局、小田が1人テンパイ、1100オールと連荘するが、宮崎が3200・6200のツモアガリ。
宮崎が先行してくれるのは、小田、柴にとっても好都合。

東2局の柴の親は一北に蹴られ、東3局に宮崎が4000オールをアガる。

東3局1本場の点棒状況。
宮崎46500 一北18000 小田19800 柴15700

これ以上宮崎に連荘されるのは、一北が喜ぶだけなので、柴、小田も親を落としにいくだろう。柴がホンイツで仕掛ける。
そして10巡目にテンパイ。
 チー ポン ドラ
13巡目に宮崎から出たを見逃す。一北からの直撃狙いだろう。しかしここはアガってもよかったのではないか。
点差と一北から直撃を取りたいという思考が少し強くなりすぎたか。
直撃を取れればいいが、そのを一北がポン。ピンズが切れなかった一北がこれによりテンパイ。
そして、ホンイツからチンイツに向かった小田からが出て、一北のアガリ。これは柴にとっては痛い。

東4局、一北の親はなんとしてでも落としたい。
しかし、テンパイ料、2900は3200、3900は4500と連荘。
次局小田が柴から5200は6100をアガリなんとか親を落とす。

東場終了時の点棒状況。
小田11500 柴16300 宮崎43500 一北28700

親番は残り1回ずつとなった。
小田は連荘しなければならない。ここで、柴、宮崎に今後のプランが2つ用意される。

柴のプランA
・・・小田が一北を捲るまで連荘してもらい、それから小田の親を落としにいく。

柴のプランB
・・・小田の親をさっさと落とし、小田の条件を無くす。

宮崎のプランA
・・・小田が一北を捲るまで連荘してもらい、それから小田の親を落としにいく。その後柴が一北を捲ってから親を持ってきて大連荘。

宮崎のプランB
・・・さっさと小田、柴の親を落とし、二人の条件を無くして、一北との1対1の関係を作る。

一北から直撃を取るのはなかなか難しく、条件が無くなった人は役満くらいしかアガリに来ない。
そうなると、一北の点棒を減らすことが難しくなる。ということで、柴、宮崎が選んだプランは両方Aだった。
もちろんプランBを選ぶことも考えただろう。実際はどちらがいいかわからない。
宮崎の条件がもう少し現実的な条件なら、宮崎はプランBを選んでいたかもしれない。

さて、2人がプランAを選んだことにより、小田の親を落とせるのは一北だけになってしまった。
ここから小田VS一北の戦いが始まる。

南1局0本場、1本場、2本場は流局。一北もなかなか親を落とせない。
南1局3本場、12巡目にタンヤオで仕掛けた一北がテンパイ。まだ小田からリーチは入らない。
一北
 ポン ドラ
しかし、13巡目に小田がを暗カン。そして次巡リーチ。
 暗カン ドラ

一北が持ってきたのは。これは切れない。しかも、宮崎も押している。長考するがオリ。
次巡一北が持ってきた牌はさえ押せていたら・・・
そして小田がツモアガリ!!4000は4300オール!!これで一北を捲る。

南1局4本場、小田が一北を捲ったので、そろそろ全員で親を落としにいく。
しかし、この親がなかなか落とせない。
4本場は流局、5本場は小田が1500は3000を、6本場は4000は4600をアガる。
7本場に一北がようやく1000は3100で小田の親を落とせた。

南2局、点棒状況。
柴2900 宮崎24000 一北25400 小田47700
柴が一北を捲ると、小田と柴は一北の背中が見えるところまでくる。

一北はこの親を早く落としたい。しかし、柴がここで4000オール。
さすが、逆境に強い男。さぁ、これで一北の背中が見えた!!

南2局1本場、小田に条件ができた。一北から満貫直撃すると、逆転する。
しかし、この条件ができたことにより、小田と宮崎との協力関係に少し亀裂ができる。

最初に仕掛けたのは宮崎。2巡目にドラのを仕掛ける。
 ポン ドラ
バックの仕掛けだ。これを持っているのは小田。
役牌が以外は全て切られて、明らかに役牌バックに見える宮崎の仕掛け。
これに対して小田はを絞る。ここでの小田、宮崎の考えはこうだった。

宮崎「満貫が見えるからを鳴かせてもらえば一北からしかアガらない。そうすれば自分もトップラスの関係を作りやすい。
なのでを鳴かせてほしい。一北をラスにしたいのは全員の願望でしょ!」

小田「宮崎の考えていることはわかる。しかし、本当にそうなのか。自分が切ったがロン牌のときはポンと言ってくれるのか。
自分から満貫をアガって、自分の条件をきつくして1対1の関係を作る可能性もなくはない。宮崎を100%信用していいのか。
確かに宮崎が一北から満貫をアガれば、条件は達成するけど」

2人の間にはこんな駆け引きがあった。さらに柴も連荘をするためにトイトイで参戦。
小田の親の時の三者の関係に亀裂が入る。その隙をついたのは一北だった。
 ロン ドラ

この局は非常に印象に残っている局で、全員が自分が優勝するために条件や並びを協力してここまできた。
しかしこの局だけはその関係が崩れたように見えた。小田、柴、宮崎の表情を見ると、心境まで伝わってくる。
これで柴の条件はかなり厳しくなった。小田はマン直条件のまま。宮崎は連荘するのみ。

しかし南3局は一北があっさり1300・2600をアガリ、いよいよオーラスを迎える。

南4局。
条件を確認すると、
小田は倍満を一北から直撃、柴は一北から役満を直撃。
一北は伏せれば終了。長かった決勝戦もこれが最後の1局。
丁寧に牌を選び捨てていく一北。

そして、流局。

5回戦結果
小田 進也 +62.4
一北 寛人 +7.9
宮崎 信一 ▲23.9
柴 卓司   ▲46.4

最終結果
一北 寛人+111.4 小田 進也+56.0 柴 卓司▲57.3 宮崎 信一▲110.1

時計を見ると21時。開始時間が11時なので、10時間に亘る長丁場。
これを制したのは一北 寛人。本当におめでとうございます!!

関西本部長として、大会の運営をすることが多く、一年で唯一出る公式戦で優勝。
この大会に懸ける思いが、他の選手よりも大きかっただろう。

最終戦は3時間を超える対局。こんなにも長い対局はあまりない。4人全員がしっかり優勝を目指して努力したからではないだろうか。

麻雀は4人でやるもの。対局は4人で作り上げるもの。4人全員が最後まで諦めず、優勝するために最善を尽くす。
こんなすばらしい対局の記者として仕事ができて、本当によかったです。私も今度は書かれる側になるために、頑張りたいと思いました。

最後まで観戦記を読んで頂きありがとうございました。
そして対局されたみなさん、お疲れ様でした。

(文・松浦 裕充)

準決勝

準々決勝

予選スコア

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