第22期雀王決定戦観戦記 2日目(8回戦)
第22期雀王決定戦観戦記
2日目 8回戦
【担当記者:坪川義昭】
堀慎吾が雀王を戴冠したのが今から4年程前なのだが、その時の戦いを読者の皆さんは覚えているだろうか?
初日に200p以上のリードを稼いで以降そのポイントを減らすことなく圧勝した。
その時の堀の戦い方に新しい衝撃のようなものを受けた記憶がある。
ポイントをリードしている立場で一番ギリギリまで攻め込み、ひたすらにトップを重ね続けるのだ。
守るよりも最終戦を迎える前に全員が優勝を諦めさせる心を折るような麻雀は余りにも新鮮で、衝撃的だった。
南2局
矢島がダブ南、ホンイツのテンパイ。
生牌のの後にマンズも手牌から余ったことでテンパイ濃厚に見えるかもしれない。
注目は矢島に副露させている堀の手牌だ。
親番でこの手であれば一撃で勝負を決めることができる。
そう簡単には引き下がらない。
仕掛けに対応していた浅井もテンパイとなればリーチの一手。自然と堀包囲網のような局が出来上がった。
堀はすぐに掴んだを逡巡もせずに河に放った。
矢島が堀から8000点の直撃に成功。ポイントリーダーをラス目に落としたのにも関わらず、観ていて恐怖を感じた。
堀以外の人間が座っていたならば、確実にを切ろうか切らないか。何枚切れているか。くらいは確認する。
結果切るかどうかではなく、その一瞬に麻雀打ちの力の差というのは出る。
堀はきっと自身で優勝を確信するまではこうやって戦い続けると思う。
ならば今のように薄い薄い目の不幸が連続して続いていかない限り倒すことが不可能だということなのだ。
同じ条件でこの4人が戦い続けるならば誰が勝ってもおかしくない。
しかし、このポイント状況での戦いに於いては堀に適う者はいないかもしれないと思わざるを得ない放銃だった。
南4局
堀に2着順浮上が見える手牌が入った。
が役牌ではないのでよりもを残して進行しているのだが、ほとんどの人がこの段階でシャンポン待ちはリーチ。
引きのリーチの有無。
さぁ早くテンパイする牌を持ってきてくれ。
考えるのはこんな感じではないだろうか?
正直ピンズのメンツがの時点でこの発想は無い人が圧倒的多数じゃないだろうか。
そんな無理して鳴かないでもイーシャンテンなんだから有効牌1種類ツモってくれば良いだけじゃない?
という意見もあるとは思う。
しかし、現に今残り2枚しかない内の1枚が切られている。知らぬ間に自分の首がどんどんと締まっているのだ。
そうはさせまいとラス親の浅井がリーチ。
親がリーチと来るならば次の局もある可能性がアップした。
ならばと手仕舞いするかと思ったが、堀はお構いなしに突き進む。
この局は矢島が浅井から1000は1300をアガり2着は死守する。リーチ棒を出していた浅井がラス落ちで終局となった。
堀の背中はポイント以上に遥か遠くに見えるように気がした。