第22期雀王決定戦観戦記 4日目/最終日(17回戦)
第22期雀王決定戦観戦記
4日目/最終日 17回戦
【担当記者:坪川義昭】
16回戦で堀が仲林とのトップラスを決めたことによって、初日から続いていた2人の均衡が遂に崩れた。
もう一度決めることが出来たならば堀は優勝に王手がかかると言って過言ではない。
南1局
ドラ対子の矢島がダブルバックの仕掛けを発進する。
堀の手牌が良い。
この手牌でを残すのが堀の麻雀だ。
おそらく堀が麻雀界を席巻するまでは、ここで安全牌を残して形を決めるのが主流だったと思う。
しかし、堀はそれを許さなかった。
良い手はしっかりとアガリに向かわないといけない。
ここで形を決めてしまうとこの後、ポンなどが入って必要牌が少なくなった時に手牌を再構築出来なくなってしまうのだ。
少しのリスクを受け入れてでもこの手牌を成就させにいく。
矢島が更に仕掛けてテンパイ。
堀はこのドラので一旦ストップかと思ったのだが、アッサリとツモ切り。
それ程にこの半荘の結果、そしてこの親番に価値があるという判断だ。
これを打ち抜ける選手が堀以外に存在するのだろうかと思わせてくれる。
結果、堀の親番は流れるのだが視聴者の度肝を抜いてくる一打であった。
南3局
仲林から切られたを堀はポンせず。
3900点をアガると瞬間は浅井を追い抜くが、微差でオーラスを迎えると不利に打たれるのは明白だ。
ならば、そんなに焦る必要もない。
堀が自力でをアンコにしたタイミングで浅井にもダブ南のポンテンが入る。
絶好の5面待ちで堀はリーチにいった。
アガれば仲林も追い抜く。
もし、浅井が雀王連覇するための好機あったとしたら、このシーンだったのではと語られそうな場面があった。
2軒リーチの中で現物の切りが一番シンプルだが、待ちの弱さは天下一品。
野となれ山となれとドラ単騎に受けた先には…
ダブ南ドラドラを堀から直撃できていたならば浅井が連に絡む未来があり、堀がラスを回避するのは難しかっただろう。
しかし、この選択を取るならばその前の段階で矢島から降りてきたをチーする選択がある以上、この展開にはならないのだ。
残念だが、この日浅井が逆転するルートはもう残されていなかったように思える。
浅井は雀王として凄まじい活躍を見せてくれ、団体の看板選手の仲間入りを果たした。
これから毎年のようにA1リーグを勝ち上がり決定戦の常連選手になっていくと思わせてくれるインパクトを残してくれた。
もう卓上には二人しかいない。
南4局
堀にトップを譲るわけにはいかない仲林が終わらせるためにリーチ棒を置いた。
既にこの半荘トップ条件の浅井もテンパイを組む。
リーチ棒が出ていなかったら点数が足りなかった堀も仕掛けてテンパイが入った。
余りにも大きな500-1000。
堀が雀王戴冠に王手をかけた—–