第24期雀竜位決定戦観戦記 1日目(1回戦)

【担当記者:中島由矩】
1回戦(澤崎-大川-安藤-渡邊)抜け番・尻無濱
「今期はフレッシュな顔ぶれになった」と関係者が口をそろえる第24期雀竜位決定戦が、ついに開幕した。
激戦のA級を勝ち抜いた4選手を紹介する前に、東1局1本場、現雀竜位・安藤弘樹の6巡目を見てもらいたい。

安藤は右下の西家だ。門前で、・
・
がそれぞれ暗刻になった、四暗刻タンキも見えるイーシャンテンになっている。

安藤は1枚目のをポンテンに取らなかった。
「は鳴くでしょ。人として」と、人の道を説いていた解説の浅井堂岐も、これには思わず「まじ?すご!」と称賛を送る。安藤の胆力が、この試合で季節外れの花火を打ち上げるのだろうか。
ところで、安藤は試合前のインタビューで、「決定戦の注目選手は?」という質問に対し、「今期(雀王戦)A1リーグへ昇級した澤崎彰太郎選手です」と答えている。

安藤は澤崎に、あるいは抜け番の尻無濱や視聴者を含めた全員に、自らの選択で示した。「今期も俺が雀竜勝って、協会初・3回目の雀竜位戴冠を果たします」と。
さあ、そうとは知らない渡邊暁大の選択がまた面白い。

対面の大川冬馬から出た1枚目のにポンの声をかけると、

澤崎がツモ切ったのは、ラス牌の。渡邊がもし「ポン」と言わなかったら、安藤は四暗刻タンキテンパイを果たしていたということが、明らかになった瞬間だった。

この局は、陰のファインプレイをした渡邊が、澤崎のリーチ宣言牌をとらえてロンアガリ。5200は5500に、供託も1本手に入れて、自身初めての雀竜位決定戦で好スタートを切った。
続く東2局0本場、

ポンから発進し、ドラドラの手牌に役をつけにいったのは、安藤。前局の四暗刻は未遂に終わったが、勝負はこれからだ。この手をアガって、立て直したい。

渡邊はポンから、ソーズのチンイツへ。

安藤は、目に見えてラス牌のをチーできたことが大きかった。
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待ちの3900テンパイになる。

渡邊も前に出る。安藤が打ったを、食い延ばす形でチー。
が目に見えて、ないものの、
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待ちのチンイツテンパイで、最後の1枚を待ち構えた。
ここで、大川の打牌を紹介する。

ピンズの伸びを見切り、ポンテンはもちろんのこと、ドラのチーテンも視野に入れた打
。
–
待ちでテンパイを入れている安藤は当然ノーリアクションでツモ山に手を伸ばすのだが、

ドラのを引き入れて、今出たばかりの
タンキに受ける。

が暗刻になり、1歩進んだ澤崎が
を打ったのは、必然だった。安藤の手牌が開かれる。

「ロン、8000」

ところで、澤崎は試合前のインタビューで、「決定戦の注目選手は?」という質問に対し、「やっぱり安藤くんですかね」と答えている。理由は、現雀竜位だからではなく、数少ない友達だからだそう。この檜舞台で友達から言われた「ロン、8000」は、さぞかし骨身に染みたことだろう。
【南4局0本場】
東家・渡邊暁大 24200
南家・澤崎彰太郎 14300
西家・大川冬馬 21500
北家・安藤弘樹 40000

実は、事前インタビューのくだり、大川は「渡邊くんかな」と答えている。

2着目でラス親の渡邊が形式テンパイに向かう仕掛けを入れる中、大川は

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待ちで先制リーチ。
◾️ツモアガリ
◾️直撃で一発or裏1
◾️脇から一発裏1or裏裏
での逆転をねらう。

最後は、渾身のツモアガリ。500・1000で親の渡邊をかわし、2着を確保した。

第24期雀竜位決定戦のオープニングマッチを制したのは、現雀竜位の安藤弘樹。同年代が集まった今期、風格すら感じさせる勝ち方となった。
2着になったのは、大川冬馬。巡り合わせが悪い部分も大きかったこの試合を、オーラスのツモアガリ条件を満たし、2着でまとめられたのは大きい。
3着は渡邊暁大。できることを精一杯やり切り、安藤の大物手を事前に封殺できた価値は高い。ちなみに、渡邊は事前インタビューで注目選手を「尻無濱選手ですね」と語っていたので、尻無濱が抜け番であるこの試合では使わなかった。2日目以降に再検討だ。

4着になったのは、澤崎彰太郎。ポイントに余裕があったA級とは異なり、最後方からのスタートとなったが、2回戦以降はアグレッシブな進行で、特大のトップを手に入れたい。





