第22期雀王決定戦観戦記 4日目/最終日(18回戦)
第22期雀王決定戦観戦記
4日目/最終日 18回戦
【担当記者:坪川義昭】
堀が連勝を果たしていよいよ仲林とのマッチレースになった。
仲林もこの回にポイント差を縮められないと残り2戦を普通に戦うことが出来なくなる。
天下分け目の一戦が開始された。
東1局
親番仲林が一色手メインの進行をする。タンヤオを主体に考えるならば切りのシャン戻しもあるかもしれないところだが、ここは一色手を強く見て危険度の高い方から手放していった。
すると堀がカンチャンでチーを入れる。
ドラ対子とは言え形の苦しい手牌であれば、こういう進行も悪くない。
仲林の手牌が煮詰まってきた。
ここで溢れたを堀はチーする。
なんとをチーした後に自力でドラのをアンコにしていた。
待ちも良さげで今にでも放たれそうな待ちだ。
満貫イーシャンテンの矢島がをツモ切り8000点の収入となる。
東3局
堀にトップは当然、上の着順も取られるわけにはいかない仲林がチートイツのテンパイを入れた。
ここはリーチとして倍満ツモアガリを狙っていきたいところだ。
しかし、待ちが良くてもリーチとなれば絶好の待ちも止められてしまうかもしれない。
すぐに堀が掴んだ。
リーチといっていたら堀は対仲林にはかなりシビアな押し引きになる為、止められていても全く不思議ではなかった牌だった。
見事なヤミテンから絶好のデバサイで一気に仲林のムードが上がっていく。
南2局
親番堀の第一打が面白い。
ドラのなのだ。
字牌4組を使ってアガリに向かうならば手牌は自然とホンイツになる。ならば、将来の色をボカすという作戦だ。
この後、手牌から出ていくのはソーズになるので他家からの印象はピンズのホンイツになりやすい。
ここに待ったをかけたのが浅井。
三色確定のリーチを打つ。
堀にとっては自身のトップが叶わないならば浅井に譲りたいわけで、この手を成就させることができるか、無理ならば浅井のアガリを願う。
オリという選択は存在しない。
堀に弩級のテンパイが入ったもののテンパイ打牌で浅井に5200点。
これはこれで納得の放銃となった。
南3局
矢島が2巡目にして国士無双イーシャンテンだ。
矢島から溢れるペンからチーを入れる仲林。
立て続けにソーズを持ってくる矢島は切らざる得ない。
あっという間に四頭立ての完成だ。これをアガれば仲林はトップを逆転し堀とのポイント差を80p以上縮められる。
仲林と山との勝負かと思われたが、親番浅井が絶好のヤミテンを入れていたのだ。
この7700点を打ち取られた仲林に逆転する力は残されていなかった。
とはいえ最低条件である堀よりも上の着順を取ることに仲林は成功。
泣いても笑っても残り二戦だ。
会場の緊張感もピークに達しようとしている。