第21期雀王決定戦観戦記 4日目/最終日(18回戦)
第21期雀王決定戦観戦記
最終日 18回戦
【担当記者:田籠謙介】
残すところあと3半荘にて決着となる第21期雀王決定戦。
しかし、トータルの暫定首位と4位の差が132.6ポイントと未だに誰が優勝するか分からない大乱戦を繰り広げている。
東1局、親の浅井がリーチ。
東1局 東家浅井 11巡目
ドラ
捨て牌を見ると、が1枚ずつ出ていて、ヤマに残っていそうな雰囲気だったが、先制点を取られたくない3者が、を上手く抑え、 気が付けば浅井のアガリ牌は純カラの状態。
仲林から見てが3枚見えているヤオチュウ牌という薄い理にすがってを切ったが、 浅井に掴まり裏ドラの12000の出アガリ。
仲林は痛い放銃となり、渋川、松本にとっても浅井のトップを阻止したいところで嫌な展開になってしまった。
東3局、ここで渋川が動き出した。
東3局 北家渋川 8巡目
ドラ
高めタンヤオのメンピンリーチをかけたのだが、 またもや安牌に窮した仲林がアタり牌のを切るものの渋川は見逃し。
この時の場況を見ると松本は宣言牌のをチーして危険牌を通していることから確実にテンパイ、 仲林もピンズの染め手をテンパイしてを打ったとも解釈できるため、見逃すことのリスクは高い状態にある。
それでも、渋川はトータルポイントを考えてか、裏1乗っても3900の出アガリで局を進めるより、確実に親の松本にテンパイが入っているなら、流局しても局を進めることなくテンパイ料を貰える方がよいと判断したようだ。
この局は松本と渋川の2人テンパイで流局し、迎えた次局。
渋川が作戦が見事にはまり、3000/6000は3100/6100のツモ。
マジ魔人。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・(´―`)ん?
東4局、このまま渋川のペースかと思われたが、浅井が松本から8000の出アガリ。
松本は浅井のリーチ前にピンフのみのヤミテンを入れていたが、浅井のリーチにより直撃のチャンスとなりツモ切りリーチをかけたが、敢え無く返り討ちにあってしまった。
南1局、続けて親の浅井がヤミテンに構え、松本から2000を出アガリ。
南1局 東家浅井 10巡目
ロン ドラ
この時、松本にはドラ3のテンパイが入っており、浅井は知ってか知らずかピンチを凌いでいた。
南1局 西家松本 10巡目
ドラ
浅井のペースになってきたかと思えたが、
南1局1本場、渋川が先行リーチをかけ追っかけた仲林より5200は5500の出アガリ。
このアガリで浅井との点棒は100点差。
南2局1本場、松本がカンチャン待ちのタンヤオのみをリーチして終盤に2000/4000は2100/4100をツモ。
このアガりを皮切りに松本が親番の南3局でアガリを重ねる。
2000オールのツモ、役牌の仕掛けで1500は1800、2900は3500の出アガリと4連続のアガリを決める。
これ以上、松本に復活されては困ると、続く3本場は渋川が序盤でドラ対子のリーチ。
南3局3本場 北家渋川 6巡目
ドラ
このリーチを受けて、浅井がを持ってきた所で少考の上、テンパイ外しの打。
手出しのの2枚切りからの安全度が高く、タンヤオも狙える。
そして浅井が狙い通りのを引いてリーチをかけ、渋川が一発で掴んだを打ち取り8000は8900の出アガリ。
正に値千金の出アガリを決め、この半荘の攻防に終止符を打った。
渋川に苦しめられながらも、終わってみれば浅井の快勝となった18回戦。
浅井は7期の小倉孝以来の、Aリーグ1年目にて雀王戴冠の快挙へ王手をかけた。