第2期関西雀王決定戦観戦記 最終日(12回戦)
第2期関西雀王決定戦観戦記
最終日 12回戦
【担当記者:新田友一】
12回戦(中本-角谷-後藤-御崎)
9回戦終了時には2位以下と150ポイント以上離していた御崎が、10回戦、11回戦とラスを引きトータルトップの座を角谷に明け渡した。1位から4位まで65.9ポイント差と1戦ごとに順位が激しく変動してこの接戦となっている。
東2局、親の角谷がドラドラのタンヤオで仕掛けているところに御崎のリーチ。
イーシャンテンの角谷がこのチャンスから引くことはない。いや、角谷でなくても押さざるを得ないか。
直近は苦しい戦いを強いられていた御崎が角谷からようやく捉えることに成功する。
このあともうまくさばいてリードを築いて南場を迎える。
南1局中本から強烈な親リーチが入る。
高めは出アガりで18000の大チャンスだが、この手に対しても三者三様の対応を見せる。
リーチ後にをポンして抗戦体制の角谷、後藤も形は作っていたが早々に脱落。トップ目の御崎は1枚も押さないがひょっこりとテンパイを入れる。
中本は毎巡気合を入れてツモるも、引くことはできず。角谷も結局テンパイすら取れず。トップ目の御崎はテンパイしてからも1枚も危険牌を引くことなくテンパイを維持して2人テンパイ。
中本は一気に逆転も見える両面リーチが空振ったどころか、トップ目の御崎と2人テンパイという残念な結末に終わる。
その後も御崎は自身のアガりで局を消化していく。
決して無理をせずにバランスよく進めているのを象徴しているのがこの南3局。
チャンタのテンパイを入れたこの局面。
親の後藤がポン、をでチー、その後に掴んだ。
役牌は自身が対子のとしか残っておらず、ホンイツではなさそうなのでこの2種の役牌が濃厚。
そうするとでの出アガリの可能性は低く、暗刻だとすると–は本線。
これに対応してを対子落としして迂回すると、2枚目のを後藤が鳴いてバックのテンパイ。
ここに打ち出されたをチーしてペンのホンイツにして押し返す。が2鳴きであることからも暗刻のテンパイのパターンはほとんどないため以外はすべて押すことができるという判断。
後藤のところに、アガれないのほうをツモって切ったところを御崎が捉えることに成功したのだ。
この半荘は苦しい展開の角谷だったが、オーラスのリーチ合戦を制してなんとか3着でフィニッシュ。
オーラスのリーチ合戦に敗れた後藤はトータルトップの御崎とは120ポイントほど離されてはいるが、まだまだポイント差は大きくは開いていないと言えるだろう、残りは3半荘!