第21期女流雀王決定戦観戦記3日目/最終日(15回戦)

日本プロ麻雀協会 第21期女流雀王決定戦観戦記 最終日

第21期女流雀王決定戦観戦記
最終日 15回戦

【担当記者:五十嵐毅】

15回戦(佐月-逢川-澄川-水崎)

14回戦での水崎のトップは大きい。
最終戦を迎えて、2番手の澄川でさえ101000点差のトップラスという途方もない条件が付いている。
逢川は127800点差、佐月は150100点差のトップラスである。

東1局1本場、親の佐月がドラ雀頭のリーチをツモって4000オール。

2本場は澄川がホンイツ七対子ドラ2をリーチして倍満。
放銃は佐月なので水崎の点棒は減っていない。

東2局、逢川がドラ1リーチをツモって2000オール。
この次局が凄かった。

5巡目に水崎の切ったをポン、さらにを大ミンカン、カンドラを乗せ、最終的にはこの形でテンパイ。

をツモり上げて8000オール。

次局もポン、とドラのシャンポン待ちをドラでツモって4000オール。

この親が粘ったため、東3局澄川の親はあっさりノーテンで流れたが、東ラス水崎の親は流れ7本場だった。
ここで澄川がまたも倍満。

水崎は倍満の親被り。
ここまでなにひとつ放銃していないが、持ち点△7400と箱下になる。

しかし、あせる必要はない。
澄川にしても10万点以上の差が必要。ましてトップ目はまだ逢川である。

南1局1本場、水崎にようやくアガリが出る。

400・700だが、ゴールに1局近付けるアガリ。同時に佐月は優勝争いから消える。

南2局、逢川は連荘したが、2本場に澄川からリーチ。
優勝するためには連荘し続けるしかない逢川がイーシャンテンから放銃。
残るはラス前、澄川がどれだけ連荘できるかだったが……なんと澄川は手が入らずノーテン!
2回の親番がどちらもノーテンで終わるのは無念だっただろう。
オーラスはお決まりの流局で水崎の優勝が決定した。

水崎は女流雀王決定戦4度目の挑戦での戴冠となった。
(10期-2位、12期-3位、16期-2位)

8期後期入会。
初対面はもちろん試験のときだが、2度目に会ったのは埼玉県の大宮にあった「SPロッキー」に遊びに行ったときだった。
僕の顔を見たロッキー堀江さんが電話を掛けて、店に呼び出されたのが水崎だった。

堀江さんは「勉強熱心でいい娘が協会に入ったね」と言ってくれた。
堀江さんの予言(?)通り、すぐに女流Aリーグに上がり、10期の決定戦に進出。
半年先輩の大崎初音に敗れはしたものの、すぐにタイトル取るだろうなと思っていたのだが…

あれから12年もかかってしまったのは本人にとってもそうだろうが、僕にとっても予想外だった。
2015年に亡くなった堀江さんもきっと喜んでくれているだろう。