第4期関西雀王決定戦観戦記 1日目(7回戦)
【担当記者:角谷ヨウスケ】
6回戦の原田-山代のトップラスにより、トータル首位の原田と2位以下との差が200ポイントに広がった。中本、山代、新田の3人は自身のトップは厳しくとも、原田よりは上の着順でいたい。
しかし―――
東1局
中本の1300-2600ツモ
東2局
新田→原田1300
東3局
中本→原田1000
と軽いアガリの展開が続く。7回戦が始まってから、ここまでわずか12分である。
東4局
さらにここから原田劇場が始まる。
7巡目に山代リーチ。
10巡目に原田リーチ。
12巡目には新田リーチ。
今までの軽い展開から急な3軒リーチに発展。それぞれが山に1~2枚残りの薄い勝負だったが結果は原田の勝ち。
リーチ棒+裏ドラものり、7200点の収入。
南1局 親:原田
一気通貫やマンズの多面待ちも見える形なので余裕のテンパイ取らず。
予定通りを引き、マンズの3面待ちにとってリーチ。
混戦を抜け出す親の2600オール。
南1局1本場
ドラドラ(ドラ)の恵まれた配牌からの4000オール。
南1局2本場
原田は三色確定のテンパイをダマテンに構えると、新田がリーチした瞬間に山代から7700は8300の出アガリ。リーチ棒もゲット。
4連続アガリ、しかも平均得点は9000点を超える本手ばかり。これで原田の持ち点は6万点を超えた。
東場を15分で終えたにも関わらず、現時点で原田の親番が20分以上も続いている。
他人の親番は軽く流し、自分の親番はじっくり連荘という麻雀の理想的状態である。
南2局
原田は親が流れてしまったが、2着までの差は34000点あまり。こうなると着順操作もしたくなってくる。
具体的にはトータル最下位の新田に甘く打つなど。
–の両面リーチも悪くはないが、原田は北家。シャンポンの片アガりにして一旦ダマに構える。
そこへ親の山代がリーチ。ドラなし役なし愚形と苦しいが、原田に親で連荘されたリードなら自分も同じことをやり返せば良い。
無理をする場面ではない原田もテンパイから出来メンツから中抜きしてオリ進行。
そうするうちに新田から追いかけリーチ。
挟まれた原田。字風のは暗刻でほかに共通現物もある。ベタオリするのは簡単だ。
しかし―――現在の点棒状況としては原田56200点、新田12700点、山代(親)8600点。
2人のリーチにドラは見えておらず打点不明でやや怖くもあるが、その分、新田はトータル△142のラス目である。
原田の立場からすると何なら新田に満貫くらい当たっても良い。
(厳密な素点で言えば倍満あたってもよい。さすがに倍満は嫌だろうけれど。)
というわけで原田の選択は親の山代に現物かつ新田に無筋の打。
リーチタンヤオ、裏のらずの2600点で親流しに成功。
実際にこのリーチが満貫跳満である可能性も十分あった。しかし現実は2600点。
この後も危なげなく進行し、点棒も並びも原田に都合よいまま7回戦終了。
【7回戦の結果】 ()内はトータル
原田 +74.7 (+270.7)
新田 +8.6 (△134.0)
中本 △16.8 (△45.8)
山代 △56.5 (△91.9)