第4期関西雀王決定戦観戦記 1日目(5回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】

原田の3連勝によってトータルポイントは以下の通り。

トータル2位の中本でも原田まで150ポイント近い差になった。

3日間15回戦のトータルで決まる決定戦の4回戦までとはいえ、追う3者にとってはそろそろ気を引き締めなければいけないポイントになって来ただろう。

東1局 親:山代

1500点をアガって1本場、山代はこの形。

麻雀牌:二萬を切ればツモり三暗刻のところ麻雀牌:一萬が全見え、ペンチャンリーチを選択。
ペンチャンでもツモれば点パネして2600オール。見た目の待ちの多い方にしよう。

結果的に麻雀牌:三萬は山に1枚だったが、これがなかなか姿を現さない。

そして巡目は進み、新田の懸命な形式テンパイにより、ハイテイ牌が親の山代に。
「待ちはまだ1枚あるぞ?」「あるぞ??」と解説席が盛り上がる。

山代、最後の麻雀牌:三萬をハイテイツモで4000オール。
その後もさらに加点して東3局には山代の持ち点は42800点に。

「山代はどんな気持ちでしょうか?」と実況の夏月が問う。

実は今までの5回戦で山代はほとんど先行している。今度こそは逃げ切りたい。
一般的な協会ルールだと3万点台のトップ目ではまだ稼ぎにいかなければならないし、5万点台のトップなら多少は安心できる。

さてそんな山代は、

このリーチ。三色のカン麻雀牌:二萬がなんと4山、まだまだ稼ぐ気満々だ。
しかしまたしても原田がやってくる。

残り枚数は同じだったがここは原田の勝ち。山代から3900点の直取りとなる。

東4局は山代vs中本。

中本の6巡目、ここから何切る?
普通に形の上では麻雀牌:一萬だがドラだ。麻雀牌:二筒を切ってその後のツモに聞いてみるのもある。中本の選択はドラ受けもトイツ手も残す麻雀牌:一筒切り。

その選択に麻雀牌が応えるように麻雀牌:二筒麻雀牌:一萬と引いてきた。
七対子ドラドラのイーシャンテンであると同時にMax四暗刻まである。鳴いても高い。

そうこうしている間に山代が十分形からこのリーチ。

新田もここからリーチ一発に通っていない打麻雀牌:二萬

さらに原田も678三色のイーシャンテンから無筋の麻雀牌:一索切り。リーチにソウズは1枚も切れていない。
協会らしい全員の真っ向勝負を制したのは山代。

ドラの麻雀牌:一萬をツモると裏ドラも麻雀牌:一萬で満貫のツモアガリ。

南2局

親の中本がじりじりと3本場まで積み上げる。

新田の麻雀牌:九筒ポン。かなり遠いがトイトイ、混老頭、1の三色同刻などを見すえていく。
そして中本の手が止まる。

678の三色とタンヤオも見え、麻雀牌:一萬を切るのが自然な手順。
しかし新田の仕掛けは何だろう??

麻雀牌:九筒ポンの前巡までに麻雀牌:七筒麻雀牌:五筒と切っており、ピンズの染め手は考えにくい。
ドラが麻雀牌:東なのでドラ含みの仕掛けなら怖いがもう2枚場に出ている。またそれ以外の字牌も麻雀牌:南麻雀牌:北麻雀牌:発は2枚切れ。麻雀牌:中は1枚切れ。麻雀牌:中トイトイや混老頭含みなら新田の手は高くなる。字牌やその他の候補の牌が場に出ており少なくなっているだけに、残った生牌麻雀牌:一萬は新田の欲しい牌である可能性が高い。

そして中本は冷静に打麻雀牌:四筒。まだまだ加点したい親番だけに簡単に相手を進ませない我慢を見せる。
新田の必要牌を握りつぶした中本もテンパイできず、ここは流局。

次の親番でやっと新田にアガリ番が来る。

麻雀牌:南ドラドラ(ドラ麻雀牌:発)の5800点だが、4本場と供託リーチ棒により合計8000点の収入。
新田はここから巻き返せるか。

南3局

24500点の2着目、中本ここから何切る??

麻雀牌:四萬麻雀牌:六萬が普通に思えるが中本はここからメンツ手拒否の打麻雀牌:五索

七対子ドラドラのイーシャンテンであるし、よもやの四暗刻まであるといったところか。
さすがにこれは成就せず原田、新田の2人テンパイで流局。

ついに南3局6本場。
山代 34400
中本 23000
新田 20900
原田 20700

山代が頭1つ抜け出ているが、全員トップからラスまであり得る点棒状況だ。
アガればオーラス安心の山代がテンパイを入れるも、仕掛けた原田のツモアガリ。

2000-4000は26000-4600に供託リーチ棒付き。

オーラスを迎えて山代と原田の差はわずか300点になる。
ただし原田はラス親なので横移動、被ツモでは必ず2着以下になる。山代やや有利。

14巡目に原田が仕掛けてテンパイを入れると

中本もしぶしぶチーして形テンをとる。

3着まで4100点差の新田は黙テンからのドラ麻雀牌:七萬を引き入れリーチ。

山代も同巡にイーペーコーの黙テンと一気に4人テンパイだ。

そして17巡目に新田のツモ切った麻雀牌:五萬に原田が止まる。

現状はフリテン、麻雀牌:四萬片アガリ、その麻雀牌:四萬は自分で2枚使いと実質的にほぼ形式テンパイだ。
麻雀牌:五萬麻雀牌:四萬麻雀牌:六萬でチーして現物の麻雀牌:八萬を切ればテンパイを維持したまま、ツモ番を1回キャンセルすることができる。

しかし---

無情にもチーで食い流したのは最後の麻雀牌:四萬。さらにハイテイ牌で

新田にアタリの麻雀牌:六萬をツモってしまう。降りれば2着、振れば3着以下必至。
原田の選択はそのままツモ切り。新田に放銃。

原田には辛いがほかの三人には望外の喜びとなったか。

【1日目5回戦までの結果】