第4期関西雀王決定戦観戦記 1日目(12回戦)
【担当記者:角谷ヨウスケ】
東3局 親:山代

親の山代が1巡目からをポン!すると

上家の原田はここからのトイツ落とし、さらにできメンツの打
と激しぼりの構え。
まだ200ポイントほどの余裕があるが。

もちろんそれも覚悟の上の山代はここから色を見せない(現状の山代の捨て牌はピンズしかない)ように打。

しぼっていた原田だったがドラのと
のトイツになり、山代の捨て牌もまだ余りがないため
をチーして打
。

このを山代がチー
して打
。山代の形は、
ドラ
かなり苦しいがマンズを打ってきた原田に対しての圧力込みだろうか。
しかし、ここからまた主導権がめまぐるしく変わる。
現状の原田目線で山代は、(オタ風)ポンによりチンイツがない。
チーによりホンイツトイトイや一気通貫もない。
自身にがトイツなのでそれらの暗刻がない。(仮に山代が
シャンポンなら持ち持ちなのでアガリはない)
また直前にが出ているのでそれらのシャンポンはない。
怖いのは暗刻の時くらい。
そもそもチー出し
なのでホンイツとしてもまだできていない可能性が高い。
したがって山代の仕掛け恐れるに足らず。

原田は山代からをポンしてテンパイ。

山代はここからテンパイ効率最大でドラ打ち。
山代のテンパイ可能性は高まったが、ドラトイツやドラ単騎など高打点の可能性はますます低くなった。
しかし原田はひいてしまう。

原田視点で唯一の高打点に当たりうる牌、そうだけはダメ。
しぶしぶ原田が迂回し、山代は何とか親の連荘に成功するのだった。
南2局 親:原田
いろいろあったが、点棒的には大きく動かずにやってきた南場の原田の親番。
今度は山代が原田の親を流したい。

山代が1巡目からオタ風のをポンすると、

原田も、
と仕掛け、全面戦争の構え。どちらもトイトイ含みの仕掛けだ。

そこへ元より降りる気のない中本もリーチ。中本も残り4回戦で7連勝するレベルの大勝が必要なのだ。

さて、山代はどうしよう。
役ホンイツ、トイトイなど見える楽しみな手だったが、シャンテン数的にはまだまだ。
リーチを受けて一発目。手牌の数牌は無筋だし、字牌はどれも生牌だ。
自分都合ならかもしれないが、中本リーチのド裏筋。
また原田の最終手出しがであり原田のトイトイに刺さる可能性もある。(実際には原田は
のターツ落としでトイトイに移行した形でピンズは持っていない)
考えを巡らせて選んだのはだった。

山代痛恨、原田の東トイトイへ7700の放銃。
南2局にしてトータル首位の原田とトータル2位の山代トップラスの形になってしまう。
南3局 親:山代
実況の夏月が最高位戦の今村順平プロの言葉を紹介する。
今村曰く「麻雀は理系要素が大事と見せかけて実は文系要素が大事」とのこと。
例えばこうだ。から何か1つ切るとなると打
で両面に受けるのが普通。こういった受け入れや点数計算は理系(算数)の範囲である。
ではから何か1つ切る(
は安全牌とする)となるとどうだろう?
受け入れは当然に打だが、シャンポンには期待せずに
を先切りする選択もある。
が手牌にあれば安全度は高まるし、
を先切りすれば後々になってテンパイした時に
を引き出しやすいかもしれない。
こういった要素は相手次第の面もあるし、数学的に簡単に答えが出ることではない。そういった意味で文系的だ。
さてここで中本の仕掛けがある。

中本はピンズとマンズをバラ切りしたあと8巡目にチー。
のトイツ落としも入っていて、普通に考えればソウズのホンイツ(チンイツ)だ。Max大三元も可能性としてはあり得る。
とはいえは1枚ずつ切れており、通常はここから大三元におびえていては切るものも切れない。通常は。
は変化しやすいカンチャンだし、中本の手牌にソウズが多くあれば複合系になっていることも多いだろう。

さらに次巡に大ミンカンをする。
この時点で原田に、山代の手に
がぽつり浮き。
中本の手が3900くらいであれば原田は打ってもいい。中本を押し上げることにより、ライバルの山代とトップラスを決めやすくなる。
だがもしもの役満クラスを打つわけにはいかない。
大ミンカンて何??大三元、小三元から大ミンカンする人がいるだろうか??
もし中本の手に、
ドラ
(Xは何かの雀頭)とあれば安めの場合のツモり三暗刻を拒否することになる。または
ドラ
このホンイツ一気通貫確定ドラ1の5翻満貫なら新ドラを求めての大ミンカンはありうるか…??
またが切られてから中本は2回しか手出しをしていない。
先に切られた時点トイツであれば鳴くだろうし、トイツでなければ重なっているチャンスも少ない。
理系的に考えれば相当に切って良い。そもそも中本はまだテンパイしているかもわからない。(原田はテンパイしていないと考えたとのこと)
しかし今はタイトル戦の3日目、中本はトータル大幅マイナス。特殊状況中の特殊状況だ。

結果は原田激痛の12000放銃。
南4局 親:新田

ドラなので
切りでピンフ三色や一盃口など、自然に満貫跳満が見える手だ。
しかし今の山代は原田と16200点差。倍満ツモが必要、原田をまくるため、もう絶対に倍満が必要。
よって打とし、

たどり着いた倍満テンパイ。リーチして一発ツモで原田をまくる。
12回戦の結果
