第21期雀王決定戦観戦記 2日目(8回戦)
第21期雀王決定戦観戦記
2日目 8回戦
【担当記者:五十嵐毅】
8回戦(仲林―松本―渋川―浅井)
東1局、親の仲林がチャンタのイーシャンテン。
ドラ
ここに持ってきたドラをツモ切る。
これに反応したのが下家の松本。
ドラ
このイーシャンテンからをチー、打。出来メンツをスライドさせて喰いタンへ。
さらにもチー。このときの打牌は。全員が「なるほどね」と思ったにちがいない。
仲林がイーシャンテンのままで放銃。2000点。
ロン チー チー ドラ
東2局は渋川が満貫。
先制リーチは仲林。
ドラ カンドラ
渋川は、
暗カン ドラ カンドラ
ここに通っていないを引いて現物の切りで手を狭めたが、をツモってテンパイ。とのシャンポンでリーチ。
このをポンして浅井もドラ2のテンパイ。
ポン ポン ドラ カンドラ
次巡、喰い下げたは止まらなかった。
が持ち持ちでもっとも不利なマチだった渋川、裏は乗らなかったが70符で満貫。
仲林の––はどこへ行った?
東3局、松本がハネ満。
ドラ
ドラを一発でツモって裏ドラが。仲林の––とはえらい違いである。
東4局、仲林がポン、ドラ雀頭の–マチでテンパイ。
これは浅井が5枚持ちで薄かったが、
ツモ ドラ
ロン牌が出て行くように七対子テンパイとなってで放銃。
南1局、浅井に本日初のアガリが出る。
ドラ
この6400を仲林から。
南3局、渋川が6巡目にリーチ。
ドラ
11巡目、親の松本が渋川の現物でテンパイ、ヤミテン。
ドラ
ここでイーシャンテンになった浅井、
この形からで渋川に3900を放銃。
イーシャンテンとはいえ、浮いているもドラも通っていない。
手詰まっているわけではない。渋川に通る牌はとある。
は、トップ目からドラマタギのをブンッと行った松本に怖いが、たったいま通ったとは松本にも安牌である。
この放銃は少々淡泊に映った。
南3局は親の渋川が国士狙い、仲林と松本がを持ち持ちという局になったため、浅井が終盤ながらもリーチ。
一発でをツモり、満貫。(ドラ 裏ドラ)
オーラス、点棒状況は、
松本37000
渋川27900
浅井20600
仲林14500
テンパイ一番乗りは松本。
ドラ
このイーシャンテンの10巡目、上家の仲林が切り。
解説の須田良規は「チー」と言ったが、フリテンとなる牌のほうが2種類と多く、チーはなかなかできないだろう。するとすぐに自力でを引き、一通完成形で満貫テンパイ。
ただし、この–は薄い。須田の「チー」発言も、それが解説席ではモニター越しに見えているためであったのだが。
しかし、13巡目、浅井が選択に迫られる。
ツモ ドラ
が出ればポンテンの手だったが、この巡目まで出ないまま。持ち持ちも懸念される。(実際にはヤマに深かっただけで誰も持っていない)
のポンをあきらめ、リーチで押すのなら、高打点にしたい。
そのため、345、456の三色を天秤にかける形で切りが選ばれてしまった。
浅井、痛恨の放銃。仲林は予期せぬ形でのラス抜けとなった。
終わってみれば連荘なしの全8局。しかし中身は濃い一戦だった。