第20期雀王決定戦観戦記 2日目(10回戦)

日本プロ麻雀協会 第20期雀王決定戦観戦記 2日目

第20期雀王決定戦観戦記
2日目 10回戦

【担当記者:千貫陽祐】

折り返し地点となる10回戦。
雀王載冠のために負けられない想いが東1局からぶつかる。

全員テンパイの熱いめくりあいを制したのは…

渋川!矢島からリーチ・ピンフ・ドラドラの8000。
ポイントリーダーの渋川が主導権を握る。

東3局、矢島らしい手組と仕掛けが始まる。

ここからポン。ホンイツとトイトイの両天秤であろう。

そしてこのテンパイ。
相手をけん制しつつ、山読みで重ねてトイツを作っていくところは流石である。
しかし、この局の主役は別にいた。

矢島が仕掛けだした直後にこの手牌の渋川、リーチまで秒読みである。
しかしテンパイはするが不満の残るテンパイ形となるツモばかり。
しかもテンパイを外している間に急所のをポンされ、矢島がのシャンポン待ちでテンパイ。
そこに初牌のを掴まされ、矢島の構想通り一人旅になったなぁ…と思っていると…

あの手牌をチャンタに仕上げた!だれがこんな未来を予想しただろうか。
渋川がさらにリードを広げて親番を迎える。

東4局
ドラがトイツの親の渋川がをポンしタンヤオへ向かう。

自身のトップのためには、これ以上渋川に点棒を稼がせるわけにはいかない小川。
前巡にを手出しされておりピンズが打ちづらいが、危険度の高さは承知の上で小川はを切り出した。
この時渋川の手牌は
素晴らしい切り時である。

そして、ここではマンズのリャンメンターツ外しを選択。
ツモでテンパイしリーチ。

見事にツモアガる!
これにはかなり手ごたえがあったのではないだろうか。

南3局、そんな小川にチャンス手が舞い降りる。

 ドラ
ここからを暗カンするとカンドラが
嶺上牌が、十分な打点が見込めるためドラのをここでリリース。
次巡にをツモり待ちでリーチといく。
これは小川が抜け出すか?と思った矢先、この半荘の主役が登場する。

仲林はこの形の時に切られた小川のを平然とスルーしていた。
シャンテン数が変わらない鳴きとなるが、テンパイへの受け入れが増えハネマンの手順も残る。
ほとんどの打ち手が鳴くのではないだろうか?
しかし仲林は鳴かず、自信のある今の受け入れで勝負と決める。
当然のようにを引き入れて追っかけリーチ。

先行リーチの小川の打牌を一発で捉え、リーチ・一発・ドラ4のハネマンをアガり切る。
これはスゴイ。

オーラスもきっちり条件を満たすアガリでトップをもぎ取った。

やや縦長になってきた感はあるが、協会ルールの10半荘は何が起こるかわからない。
後半戦もお楽しみに!