第2期関西雀王決定戦観戦記 2日目(6回戦)
第2期関西雀王決定戦観戦記
2日目 6回戦
【担当記者:新田友一】
1日目に3トップで首位の中本は18期入会のニューフェイス。
初日はさほど見た目には感じられなかったが緊張もあっただろう。2日目はよりリラックスして打てそうなので、ストレート昇級から一気に頂点へと期待も高まる。
2トップでまずまずの初日だったのが関西雀王の後藤。ディフェンディング制ではないため今年もAリーグを戦って決定戦を決めている。初日は逆転に次ぐ逆転で南場の後藤と呼ばれていた。この位置で2日目を迎えられた追い込み型にもはや死角はないのではないか。
一方でトップを取れなかった2人。
2年連続で決定戦に残り雀王戦でもB1へ昇級を決めている御崎、今年は主戦場を関東に移しすでに関東でも注目を集めているが去年も掴めそうで掴めなかった関西雀王の称号を何としても持ち帰りたいだろう。
そして第15期雀王でA1リーガー、aiko結婚で涙に暮れる角谷。逆境を力に変えて、巻き返しは必至。取られたら取り返すスタイルの角谷が4位にいることで混戦になるのではないか。
●6回戦(中本‐後藤‐御崎‐角谷)
東2局の中本の配牌。
いったんやに手をかける人が多いだろう。中本の選択は。
そもそも配牌もよくないので、ここは字牌を温存して守備寄りに七対子に決め打つ。
イーシャンテンで、仕掛けている親の下家に鳴かれそうで自分でも切っている2枚切れのを止めるも次巡にテンパイすると、を横に曲げる。ドラ2の後藤は当然これを仕掛けて–待ちで2人のめくり合いに。
–は4枚も山に残っていたが、中本がを手繰り寄せる!
序盤を慎重に進める中本を象徴するようなアガリを決める。
東3局
親番でドラ2の好配牌を手にした角谷、ここは仕掛けて9巡目にあっという間に両面テンパイをはたすもこれが山に1枚しか残っていない。
しかし、当然いますよねといった様子であっさりとツモアガリ。
もちろん1枚しかいないことを角谷は知る由はないのだが、今日はなんだか勝つ気がする。
東3局1本場
ここも好配牌を手にした角谷、ところがツモが利かず先手を取ったのは御崎。
数巡後に角谷が追いつくのだが、無筋のを縦に置く。今通ったばかりの現物待ちとはいえ、らしくない選択に思えた。
序盤にドラも切っていて、リーチに無筋を押すのだから普通は最大限に警戒されるだろう。
しかし、を切っているのは角谷である。
角谷でなければ2軒テンパイ濃厚と読むかもしれないが、角谷だからこそまだテンパイではないのかもと思わせる。
しかし、次巡に掴んだのはさらに危険な。これを切るとさすがの角谷といえどテンパイだと思われるだろう。ここで手牌のと入れ替えて横に置くのだが・・・
これは御崎の高めのアガり牌。
南入して、後藤が御崎から5200をアガるも次局すぐに御崎が後藤から5200を取り返す。
僅差のままオーラスを迎え、親の角谷が先制リーチ!
トップ目だが、放銃するとラス落ちまで見える御崎。
すでに––待ちのテンパイを入れており、ここは腹をくくって真っ向勝負。
初日にトップのなかった二人のめくり合いは、枚数差の通り順当に御崎が制した。
一方、トータルポイントで1位の中本と200ポイント以上離された角谷はそろそろ巻き返していきたいところである。