第20期雀竜位決定戦観戦記 1日目(5回戦)

第20期雀竜位決定戦観戦記
1日目 5回戦
【担当記者:五十嵐毅】
5回戦(下石-小池-吉田-富永)
ここまでトップがなく、4着、3着、2着で△103.2と一人大きく離された下石。
この日の最終戦はトップ、それもできるだけ大きなトップを取りたいだろう。
それが現実に…それも本人が思っていた以上の大トップになるとは!
東1局、起家を引いた下石が2巡目にピンフをテンパイ、当然の即リーチ。
時間はかかったが14巡目にツモ。1300オール。
ツモ
ドラ
裏ドラ
1本場、下石がと
をポン。ドラが
だけに他3人には相当なプレッシャーになる。
14巡目にようやくテンパイ。
ツモ
ドラ
他家の動向を見定めて悠々とを打つ。
他者もが打てるようになったが、時すでに遅し。
下石があっさりとをツモった。
2本場は富永が5巡目にリーチ。
ドラ
リーチ宣言牌のをチーした下石、
ドラ
切りもあるが、その場合は最終形がカン
かシャンポンを迫られる可能性が高い。そこで
切りとした。
次巡をツモると、ここでもくっつきの好形を求めての打
で放銃。
裏ドラがそので3900+600。
東4局、親の富永が9巡目リーチ。
ツモ
ドラ
裏ドラ
この2600オールで富永がトップ目に。
南1局、8巡目に小池がテンパイ。
ツモ
ドラ
ドラを打ち出してリーチといった。
これを下石がポン。
受け入れ8種、どれを持ってきてもリャンメンテンパイが組める絶好のイーシャンテン。
次巡ツモで打
、
待ちのテンパイ。
するとすぐに小池がを持ってきて12000の放銃。
この親満を皮切りに下石「戟場」(命名:柚花ゆうり)が始まる。
1本場 ロン
ドラ
2本場 ツモ
ドラ
3本場、ドラ2枚の富永が七対子をテンパイして8巡目リーチ。
ドラ
捨て牌にはとある上に
は3枚残りの絶テン。
しかし、2巡後に下石が追っ掛け。
ドラ
こうなるとやはりリャンメンが強い。をツモると、裏ドラは
で6000+300オール。
4本場、吉田が8巡目リーチ。
ドラ
富永も10巡目に追いかけリーチ。
ドラ
このとき下石はテンパイしていたが、
ドラ
中膨れと
のシャンポン、しかも
はすでに2枚切られている。
この時点では誰も下石のアガリを予想していなかっただろう。
リーチ後、富永が場に2枚目となるをツモ切る。
直後に下石が最後のをツモ。
が4枚見えたことで
は完全安牌。
しかも残る2枚はヤマにいることはほぼ間違いない。
ということでを切ってカン
マチにすると思われたが、長考した下石の決断は
切り。
ドラ
マチに取った。
序盤にを切っている富永には通しやすいが、吉田にはまるで通っていない。
4枚持ちで
の心配はないが、
は色濃く残っている。
下石の次巡のツモはだった。
切りとしていると、ここで再び
を打って
の4メンチャン
依然有利ではあるが、先のことはわからない。
ここは下石の英断をほめるしかない。
すでに溢れかえっていたいた点箱にリーチ棒2本込みで1万点以上が追加された。
5本場、富永がピンフのヤミテンを小池からアガり、ようやく長い親が落ちた。
南2局は小池が1500ながら連荘するも、1本場は下石が仕掛けて小池の親を流す。
南3局も下石が700・1300のアガリで手を緩めない。
オーラス、は着順アップが望めない吉田が仕掛けて1000点のアガリで終わらせた。
下石、3桁(8万点トップで+100になる)にわずかに足りない+99.9の大トップ。
これにより上から下まで21.2ポイント差の大接戦となった。
△10.0Pで抜け番だった秋山がまさかのトータル5位となり、2日目最終戦抜け番の不利を押し付けられることになるとは思ってもみなかっただろう。
