第22期女流雀王決定戦観戦記3日目/最終日(14回戦)
第22期女流雀王決定戦観戦記
3日目/最終日 14回戦
【担当記者:浅井堂岐】
現在トップの逢川に一番近い水崎でも163.7差で迎えた最終戦の前の14回戦。
他の3人はできればトップラスを決め、最終戦の条件を緩和したい。
逢川より下の着順は自身の負けを意味する。
現女流雀王の水崎がこの手牌からを切る。
下家の澄川がマンズのホンイツということもあり単騎のチートイツを最終形には選ばない。
良さそうな単騎を持ってくればリーチチートイツ、暗刻になる牌を持ってくれば四暗刻を目指す一打。
首尾よくを引きをトイツで落とす。
1枚目のをスルーし、すぐに放たれた2枚目のをポン。
ドラ
アガリは取れなかったものの現女流雀王の意地が見れた素晴らしい手順だった。
水崎は南場の親番で4000オール。
さらにトップを盤石にするべくリーチを打つ。
この水崎のリーチに待ったをかけたのが奥村。
345の三色に変化すると勝負のリーチ。
これを水崎が掴みトップへの足掛かりとなる8000をアガる。
展開によって逢川がラス目になっているため、場はさらにヒートアップ。
先行リーチが入っても水崎、奥村、澄川の3人は次々と無筋を押し勝負をかけていく。
南3局を制しトップ目に踊りでたのは澄川。
水崎の三面張リーチ、逢川のマンガンを潜り抜け、最終戦女流雀王に挑戦できる大きなアガリとなった。
オーラスはラス目の逢川が水崎にはトップを取らせるわけにはいかないと澄川への1000点の差し込み
これによって最終戦は以下の条件となった。
逢川-澄川は113.9pt差、1着-4着33900点差以上で逆転。
逢川-水崎は132.3pt差、1着-4着52300点差以上で逆転。
逢川-奥村は181.2pt差、1着-4着101300点差以上で逆転。
※同ポイントの場合は現女流雀王以下、A1リーグの成績上位者が上位となる。
この半荘追われる立場の逢川だったが、全体的に素晴らしいリスクマネジメントをしていたので1局ご紹介したい。
めいっぱいに手牌を広げるわけにはいかないのでを先切り。
を引いたとなればを打ち三色を見つつ守備力を保った一打。
これ以外にも随所に細かい好プレーが見れるので、ぜひ皆さんには逢川の立場になってどうするか考えながらご視聴いただきたい。