第20期女流雀王決定戦観戦記2日目(9回戦)

日本プロ麻雀協会 第20期女流雀王決定戦観戦記 2日目

第20期女流雀王決定戦観戦記
2日目 9回戦

【担当記者:千貫陽祐】

9回戦(奥村‐逢川-中月-佐月)

残り回戦数が少なくなってきた9回戦。
首位の佐月と中月の差は約270P。
いくらオカ有りの協会ルールとはいえ、これ以上に差がつくようだと最終日を前に消えかねない状況である。

東1局 ドラ
15巡目に逢川にテンパイが入る。

巡目の深さとタンヤオ仕掛けが二人いることからに闇テンを選択。
これに飛び込んだのが佐月、トータルトップ目から高めので嬉しい6400の直撃。
リーチをしていたら止まっていた可能性があるため見事な選択となった。

東2局 ドラ
配牌時点で4人合わせて6種類の字牌がトイツという珍しい場に。
そんな中最初にテンパイをしていた親の逢川の手が止まる。

を加カン、をポンしている7700点のテンパイ。
しかしマンズのホンイツ模様の中月がオタ風のをポンして、マンズを余らせている。
悩んだ末にツモ切りかと思っていたが、逢川はドラの切りを選択!そして次巡に引き入れる

完璧な手順のアガリである。
手応えを感じる4000オールのツモアガリ。

そして東3局、逢川が勝負を決めかねないテンパイを入れる。
8巡目に1フーロのチンイツテンパイ。

  ドラ

でハネマンのテンパイ。
しかしドラがアンコの中月と、メンタンピン高めイーペーコーの佐月が追い付きめくりあいに。
この局を制したのは…

なんとしてもトップが欲しい中月。
その想いが届いたか、大きな大きな4000オールとなる。

南1局・ドラ
先ほどの満貫のアガリで女流雀王への希望を繋いだ中月に悪夢が襲い掛かる。
親の奥村の5巡目リーチに対し、それまで大人しかった逢川が9巡目に突如リーチ宣言をして参戦。

3000/6000をツモアガり逢川の点棒は5万点超えに。
これは勝負あったか…
しかし、そう簡単にいかないのが麻雀である。

南3局1本場・ドラ
逢川が7巡目にして国士無双のイーシャンテンに。
同巡に中月はタンヤオドラドラの闇テンを入れる。
そこに「リーチ」の発声。

奥村のツモり四暗刻リーチ。
オリることのできない中月は勝負をしていき、

暗カンして、ここで勝負のリーチを選択。
そして…

見事奥村のを捉えて18000点のアガリをもぎ取る!
痛恨の放銃となった奥村だったが、早くも次局に見せ場がくる。

またしても早い巡目からツモり四暗刻のイーシャンテンだったが、2枚目のを渋々ポン。
これをトップ目の逢川からすぐに出アガリ。
自身の着順アップが難しいため、トータルポイント上位の逢川の着順を落としたい奥村にとっては理想の出場所である。

迎えたオーラス。
トップは中月の44100、2着目逢川は39700、その差は4400点。
なんとしても逃げ切りたい中月。
ここでトップを取りトータルトップへの返り咲きを狙う逢川。

先制は逢川。

ツモは無条件トップ、出アガリツモは裏ドラ条件である。 ハネマンツモで自身の着順アップが望める奥村から打ち出される
皆の視線が裏ドラに集まる!

裏ドラは乗らず!
逢川は残念だろうが、他3者はほっとしたことであろう。

最後の最後まで盛り上がった9回戦を終えた。
なんとか希望が残った中月、今後の戦いも見逃せない。