第22期女流雀王決定戦観戦記3日目/最終日(12回戦)
第22期女流雀王決定戦観戦記
3日目/最終日 12回戦
【担当記者:小川裕之】
11回戦で澄川がトップを取ったことで、トータルトップの逢川から4位の澄川まで126ポイントとぎゅっと縮まって迎えた12回戦。
だが逆にトータル2着の奥村と逢川の差は94ポイントと広がっている。
逢川がここでトップを取って、女流雀王戴冠へのマジックを点灯させるのか?
それとも他の誰かが、追いすがる一番手への名乗りをあげるのか?
要チェックの12回戦が始まる
まず先手をとったのは奥村。
ドラ筋の安めながらも700/1300のツモアガリで先手を取る。
次局も5巡目にはこの形。
20年振りという麻雀界最長ブランクの女流雀王戴冠への道が開くか!?
奥村のこの手が逢川の絞りもあり進まない中で、先手を取ったのは「現」女流雀王。
「この一年女流雀王としてほんとにいい経験ができたので、本当に連覇がしたいんです」
と言っていた水崎。
道中、澄川から追いかけリーチが入るもハイテイと裏1で大きな大きな6000オールのアガリを掴む。
二本場でも澄川とのリーチ合戦を制して、
持ち点も55000点を超える。
このまま逢川を沈めた状態でトップを取れば大きく道が拓けてくる。
しかし過去5年で3度戴冠している女王は簡単には沈まない。
次局に難しい手をきっちり仕上げて、
澄川から仕留める。
迎えた親番ではまず奥村から7700をアガり、
次局ピンズの一気通貫やソウズの両面変化を見てダマテンにしていたところに、澄川のリーチを受けると意を決してツモ切りリーチといった。
これを受け思わず「しぶといなー」と苦笑いを浮かべる水崎。
親の逢川のツモ切りリーチはこの場面でどういった手だろうか?
早い本手が入っていたのか?
不十分だがリーチを受けた以上このままいったほうがいいのか?
打点は?形は?
ただ一つだけわかるのはこの半荘、逢川のトップを阻止しなければ自分の女流雀王への道がとても険しい道になるということ。
4000オールをツモられるよりも8000放銃のほうが逢川との差は縮まらないのだ。
そして逢川の親を落とすこともできる。
もちろん逢川の澄川への放銃が一番いいのは百も承知。
水崎はここから他に安全牌がある中、逢川の現物のをツモ切った。
逢川の親番を落とす大きな2600の差し込みに成功。
ポイント、点棒状況に応じた素晴らしい差し込みである。
この一年女流雀王としていろんな舞台で戦ってきて成長した部分をあらためて見た。
南場は澄川が南3局の逢川の親番で4着から3着へ浮上するアガリを決めて、
オーラスは逢川がきっちり2着死守のアガリを決めて終局。
水崎は女王への挑戦権を手にするために、できることをしっかりとやってみせた。
逢川もしぶとく2着に踏みとどまり、強さを改めて感じさせた印象だ。
最終日の楽しくも苦しい決定戦は後半戦へと続く・・・