第22期女流雀王決定戦観戦記2日目(8回戦)
第22期女流雀王決定戦観戦記
2日目 8回戦
【担当記者:坪川義昭】
今年の女流雀王決定戦も半分が終わり後半戦に突入した。
勝負はまだ長くやっと折り返し地点なのだが、1人の選手にとってはここが正念場である。
澄川なゆだ。
トータル最下位は本日をもって敗退となり、最終日の5戦に参加することはできない。
4位のりんのを捲り最終日に滑り込むことが出来るかどうか。澄川のたった1人の闘いが始まった。
出親を引いた澄川の手牌はパッとしない。
対照的に逢川の手牌が抜群に良い。
これを観ても【流れ】がないと言えるのだろうかという程の格差である。
あっさりと5200点のヤミテンが入る。
逢川がヤミテンにせざる得ないテンパイを入れたことが澄川にチャンスを生む。
もし、逢川が先制リーチを打てるようなテンパイが入っていればこの展開にはなっていなかった。
少しだけ澄川に運が味方し始める。
りんのも澄川に対してはまだポイントに余裕があるとはいえ、目指すところは優勝の一点のみ。
ラス前にしっかりとアガリを拾いトップ目でオーラスを迎える。
南4局
最初にテンパイを入れたのはりんのだ。
ここでトップを取ればほぼ澄川の敗退が決定して、上位陣の混戦に自身も加わることができる。
ここに待ったをかけたのがラス親の奥村。
泣く子も黙る親リーチとくる。
トップを取らねば敗退が決まる澄川にも満貫のテンパイが入った。
2着で幕を下ろすわけにはいかない澄川は、このを当然の見逃し。りんのから直撃かツモアガリ以外で手牌が倒れることはない。
澄川の押しっぷりを見て条件の満たすテンパイが入っていることを察知したりんのは自らアガリ切ることを選択した。
この勝負牌が奥村に当たり痛恨の12000点放銃となり仕切り直し。
更に奥村は逢川から12000点をアガリ三つ巴の最終局となった。
まずは澄川が先制リーチを放つ。
すぐにりんのも追いついた。
お互い待ちを選んでいる余裕はもうない。
3件目はまさかの逢川だ。
出場所によっては着順アップも見込める勝負手が入った。
決着は早かった。
大きく素点を回復してのラスならば1つの着順と同価値である。
リーチ棒を出したものの親被りで奇跡のトップを奪取した澄川は首の皮一枚繋がった。
泣いても笑っても次が澄川にとっての最終戦だ。
どこまでりんのに迫ることができるだろうか?どれだけプレッシャーをかけることができるだろうか?
次戦のポイントはこの一点に絞られた。