第20期雀王決定戦観戦記 4日目/最終日(18回戦)
第20期雀王決定戦観戦記
最終日 18回戦
【担当記者:大浜岳】
優勝のために矢島は三連勝、小川は三連勝+並びを作ることが必須である。
つまりこの半荘でどちらか、もしくは両者が実質的な終戦を迎えることになる。
東3局
連続失点で厳しい立場で迎えた矢島の親番。
苦しい配牌だったが、終盤に役無しながらドラ単騎の形式テンパイ。
ドラ
また、仲林が13巡目にを両面でチー。
残すツモは渋川・小川・仲林が各1回ずつ。
流局濃厚だが、矢島の切ったに渋川がチーの発声。
このチーでハイテイが親の矢島に。
仲林の捨て牌模様的にタンヤオではない可能性が高い。
そうすると本命はドラのと何かのシャンポン待ちだろうか?
矢島にハイテイでアガられる事よりも、ライバルである仲林にハイテイでシャンポンの役無しの方でツモられるリスク排除を優先したチーである。
このチーで矢島の手元にやってきたのは
残っている役牌はとのみ。いわゆるS級危険牌というやつだ。
だが、トップ必須のラス目の親番。
止める理由も、押す理由も山ほど挙げられる。
実に82秒の長考
矢島はを抜いた。
82秒の間、色々な葛藤があっただろう。
そして開かれる仲林の手牌。
ドラ
ギリギリ、本当に矢島は苦しいながらもギリギリを戦っている。
迎えた東4局矢島の配牌
ドラ
ピンフやイッツー、上の三色を見据えながらの打
次巡ツモで打で以下の牌姿
ドラ
「チー」
チー?
矢島がここからをチーしてイッツーのみの仕掛けをするイメージは全くない。
そもそも上家から切られた牌はだ。
かなり強引なチンイツ仕掛けに見えたが、これが7巡目にテンパイ
これを小川から討ち取り、矢島らしい8000
一番の分岐点は2巡目だろう
ドラ
イッツー・三色・ドラ受けを残す打ではなく、チンイツの可能性を残す打
これぞ矢島、という所を存分に見せつけた一局であった。
しかしその後、仲林が小川から7700は8000
矢島の親番では渋川が2000/4000は2300/4300とアガリ、終わってみればトップは仲林、2着渋川という結果に終わった。
1回戦目より見逃しや大胆な戦略を駆使してきた小川、そして苦しい手牌が続きながらも存分に存在感を見せつけてきた現雀王・矢島の両名がここで散ることとなった。
2戦を残して渋川と仲林の差はわずか10.7p
最終戦までもつれる勝負になることは必須であろう。