第22期新人王戦決勝観戦記(4回戦)
第22期新人王戦決勝観戦記
4回戦
【担当記者:五十嵐毅】
4回戦(藤井-晃平-柊-黒田)
ここまで首位を行く晃平がトップ1回分のリード。
ここがトップを取ると、他3者は厳しくなるというところだ。
序盤は全員2万点台で推移するというおとなしい展開。
しかし、東3局から晃平に風が吹きだす。
ドラがで7巡目にこの形。
ピンズのホンイツ、七対子などがあるが、黒田のソーズ一色手の仕掛けを考慮してのトイツ落とし。
これが功を奏す。
黒田のチンイツはイーシャンテン止まりだったが、親の柊がダブアンコをいかして7700のテンパイ。
掴んだは止まらなかった。
これをポンで仕掛けていた晃平がポンテン。
–対–の引き合いに晃平が勝った。
東4局は七対子をリーチしてツモ。
この2回のアガリであっと言う間に4万点を超えた。
南1局は少々不可解。
晃平はこの形からを切ってしまう。
明らかな切り間違いでフォローのしようがないので、対局後に聞いた返答をそのまま書く。
「あのときは尿意と戦っていました」
卓上よりも下半身の戦いが一瞬勝った瞬間だったのだろう。
ベテランなら立会人を呼んで進行を止めてトイレに行くのだが、新人王戦らしくて初々しい。
この手は結局をアンコにし、を引いてテンパイ。
切りの場合と同じタイミングでのテンパイだが、ピンフが付いていないのでリーチせざるを得ない。
結果はを一発ツモで満貫。
私(五十嵐)は解説席で「僕なら700・1300です」と言っている。
ただ一人4万点超えなのだ。役アリならヤミテンがセオリーだろう。
ここも対局後のインタビューをそのまま載せる。
「いえ、ピンフでテンパイしても、決めに行くためにリーチします」
なんだ、どのみち満貫か……。
誰も晃平を止められないまま迎えたオーラス、親の黒田が勝負手のリーチ。
ドラが雀頭の高目三色。
安目のはすでに場に3枚切れだが、リーチ一発目にすでにを切っていた晃平が掴んだ。
ヤミテンならば5800直撃は可能だったかもしれない。
結果は……流局。
一本場、親の黒田の配牌は重く、テンパイも難しそう。
そのため黒田は形テンも辞さずと、喰い仕掛けるがテンパイしない。
一方、晃平はいつでも降りられるように悠々と始めた国士無双をテンパイしてしまう。
結果は晃平の1人テンパイで終了。
これで6万点も超えた大トップとなり、圧倒的優位で最終戦を迎えることとなった。