第22期雀竜位決定戦観戦記 2日目(6回戦)
【担当記者:武中進】
全選手敬称略
初日を終えて首位はA1リーグ所属の真田、自身初のタイトルに向けて視界良好の出だしとなった。
一方で苦しんでいるのが現王者の安藤、とにかく展開に恵まれない初日となった中、巻き返しのためにまずこの6回戦でトップが欲しい所だろう。
しかしこの半荘も初日と同じように彼にとって試練の戦いとなった。
まず東場に好スタートを切ったのは秋瀬だった。
東1局は安藤が原田より3200をロンアガリ、東2局に彼女が1000/2000をツモアガリで迎えた東3局の親番、以下の3面待ちの高めを原田からロンアガリ。
ちなみに原田の放銃時の形が以下のとおり。必然的にが飛び出る事になるのツモ、この東3局までは原田にとって厳しい展開が続いていた。
が、東4局の真田の親番から今度は安藤への逆風が吹き始める。
まず0本場、9巡目に先制テンパイを入れた安藤、一通ドラ1の5200点でダマとする。
しかしそこに追いついたのが親番の真田。––の三面待ちでリーチ。
当然、安藤も勝負手ゆえ追っかけリーチ。しかしさすがにこの待ち勝負となると安藤の勝ち目は薄い所、結果をつかんで3900の放銃。
安藤、次局1本場は以下の手をテンパイ、1手替わりの役満も見える形。
だがこれは仕掛けを入れていた原田に5200は5500を放銃。
放銃したはかなり危険度が高い牌ではあるが、役満も含めた高打点の可能性、そしてこれがタイトル戦決勝である事を考えると勝負に行くのも止む無しの感もある所。
これらにより東場でダンラスだった原田にもほぼ追いつかれてしまった。なんとか挽回したい親番の南2局。
ここで役牌をポンして先制–のテンパイを入れる。
しかしここで切ったドラのを、既に自風のをポンしていた真田がポン。そして数巡後にをチーしての3フーロにて–のマンガンテンパイで追いつく。
さて直後の安藤。
真田の河と自分の手を見る限り、一番危険度が高いのは3フーロ目の際の手出しとなるマタギのピンズに見える。よりにもよって超危険牌のをツモる。
さすがに自身の打点の低さと危険度からここでマンズを切ってテンパイを外す判断となる。
まだ巡目もありここからテンパイ復活も狙えるし、そうならなければこの半荘はもう3着やむなしといった所だろう。
しかしその数巡後だった。
先ほどの形からを重ねてのテンパイ復活、しかも今度は打点が自模なら4000オールの形となり、さらに言えば勝負牌のは一応真田がポン、チーしたソーズと同色、つまりピンズよりはましには見える。
ここまで条件がそろうと勝負もやむなしといった形で放たれたが上述の真田のアガリ牌。
南4局も必死にあがく安藤、役牌のとドラをポンして跳満確定、ツモならラス脱出となるテンパイを果たす。
そしてこのアガリ牌をつかんだのが親であり秋瀬と3600点差でギリギリトップだった真田、しかも自身もメンホンをテンパイしている状況。
が、当たり前と言わんばかりにこれを抑えてテンパイを崩す真田。
自体の危険度の高さももちろんだが、この安藤の仕掛けが入った場面で原田・秋瀬の両者が聴牌を入れられる事なんてめったにないと考えての判断、色々な誘惑もあるこの局面でもさすがの冷静さである。
結果このまま安藤の1人テンパイで流局となり6回戦は終了した。
真田の盤石の試合運びはさすがと言わざるを得ない。一方で安藤にとって厳しい半荘だった。
原田はまだポイント的にも慌てた様子も無く、ここからが勝負だと感じているのが南場の進行からも見て取れたが、秋瀬・安藤はいよいよこのままだと苦しいと感じている事が打牌にも少々表れていた1戦にも思える。
今日で敗退者1名が決まる2日目、果たして今日最後に各自のポイントはどのようになっているのか、目が離せない戦いが続く。