第22期雀竜位決定戦観戦記 3日目(15回戦)

【担当記者:五十嵐毅】
14回戦を終え、最終戦が始まる前のポイントは、
真田+167.2 秋瀬+157.2 吉田△19.7 原田△22.1
真田、最終日開始前は170P差だった秋瀬に10P差まで追い詰められている。
もうこうなると最終戦は着順が上のほうが優勝である。ちなみに吉田と原田の3位争いも着順勝負だ。
トップ目は東3局に親満を引きアガった吉田。
配牌でソーズから第1打
を切って決め打ちをするという昭和の手筋。
は先に埋まってペン
待ちとなったが。これを引きアガって4000オール。

真田と秋瀬はトップの必要がなく、サシウマ勝負なのでなんら影響なく、吉田に逆らうことなく互いに相手の上を目指す。
吉田は次局も原田のリーチを追っ掛け、一発で原田から討ち取り親満。ここで3位争いはほぼ決着である。

東3局3本場、秋瀬がドラをポン。
バック、ピンズが伸びればホンイツの構えだったが、先に
が埋まって
バック。これを原田からアガって満貫。

しかし、真田はこまめにアガリ、またはノーテン罰符をしっかり手にし、一進一退の攻防を続ける。
そしてオーラス、親は真田。二人の点差は真田が4000点リード。
ということは秋瀬一人テンパイでもこの半荘同点同順位となるので、真田はノーテンで終わらせても優勝である。
真田が9巡目、タンヤオ678三色のイーシャンテンでをツモ切る。
これをポンしたのが南家の秋瀬。234三色のイーシャンテンだったが、が3枚、
が2枚切れで難しく、それならば1枚持っているドラ
に賭ける仕掛けだった。
10巡目、ともにテンパイが入る。
真田は三色が崩れない引きでカン
テンパイ。

ピンズを払った秋瀬、を引いてテンパイ。

ドラのタンキはヤマに2枚残り。雀竜位に王手をかけた。
真田はツモ。これは通ってないが、
は通っている。大事を取って
切りにするとこの後の変化はなかった。
真田「は無スジの中でもかなり安全なほう。決定打となる7700の打点を落とすほどの危険牌ではないと判断した」
しかし、これはさすがに安全牌の
と入れ替えた。じつは
はすでに空テンなのだが、ここで三色を見切ったことでカン
に固執する必要がなくなり、
ツモ、現物の
切り、次巡の
ツモにつながる。

最初に弱気になって打ちとしているとこのアガリはない。
1000オールとはいえ、秋瀬の王手を潰した大きなアガリである。
秋瀬は次局、マンズのチンイツで攻めるがイーシャンテンまで。真田が見事に逃げ切った。
第22期雀竜位・真田槐おめでとう。
優勝が決まった瞬間に涙を流していた、男で泣くのは少数ではないかと思うが、対局中はそれだけ感情を押し殺して打っているので、一気に噴出するのだろう。
真田は早くからアイツは強いと言われていて、昨年A1リーグに昇級。今後の活躍が期待されている。

