第12回関西女流スプリント決勝観戦記(3回戦)
第12回関西女流スプリント
決勝観戦記 3回戦
【担当記者:新田友一】
●3回戦(夏月-大島-鳥井-小松)
中盤の3回戦だが後がないのは鳥井。
トップの大島とは150ポイントほど離されており、最低でも大島より上の着順で終えないとかなり厳しい。
夏月、小松にとっても大島にトップを取られるとかなり厳しい戦いになる。
東1局1本場
5800をアガって連荘した夏月の配牌が整っている。
親のダブルリーチ。
しかしこの対戦相手達は黙って親のツモを眺めている面子ではないだろう。
追いついたのは小松、ドラ待ちのカンチャンだが迷いなくリーチ。
すると決着はすぐに訪れた。
東2局
トップを取ると優勝にグッと近づく大島にチャンスが訪れる。
メンホン、、高め一盃口のダマテンを入れる。
そこに鳥井が追いつきリーチ。
さあ二人のめくり合いかと思いきや、手が開かれたのは・・・
危険牌を掴まずに、ペンカンのテンパイを維持していた夏月。
これはびっくりの会心のツモとなった。
東3局
鳥井と小松の選択が個性を発揮する。
6巡目にタンヤオドラ1のテンパイを外したのは鳥井。
小松のリーチを受けての一発目も、テンパイは取らずに好形変化を待つ。
一方の小松、役無しドラなしのカン待ちでも迷いなくリーチといく。
どちらが正解かはわからないが、小松が一発目に掴んだのがで、鳥井が両面になり追いかけるも小松がをツモアガる決着となる。
こういった勝負どころでの選択こそが、3度の優勝経験を誇る小松といまだ優勝経験のない鳥井との差なのかもしれない。
だが、南2局では好形変化を待ってリーチを打った鳥井が2000/4000のツモアガリでトップ目に立つ。
2着の大島24900、トップの鳥井31200点という僅差でオーラスを迎える。
大島は鳥井をまくることに成功すれば、全員と100ポイント以上の差をつけて残り2回となりかなり優勝に近づく。
大島のトップだけは何としても阻止しなければいけないのだが・・・
ツモればトップ、出アガりでも直撃か裏1であればトップである。
同巡に鳥井が追いつきリーチ。
3回戦ではあるが、鳥井にとっては絶対に負けられない戦いである。
4年連続出場で、最もこのタイトルを欲しいと願っているはずの鳥井の熱意が、大島に一発でを掴ませた。
これで鳥井はトップをキープ、そして大島をラスに落とすことに成功。
トータルポイントと真逆の着順の決着で白熱する展開となるのであった。
鳥井 +57.4(△14.2)
夏月 +2.4(△15.2)
小松 △18.4(△5.6)
大島 △41.4(+35.0)
(カッコ内はトータルポイント)