第11回関西女流スプリント決勝観戦記(4回戦)

第11回関西女流スプリント決勝観戦記
4回戦

【担当記者:松浦裕充】

4回戦(音無-鳥井-小松-夏月)
4回戦が始まる前のポイントは状況は
小松124.2 鳥井62.1 夏月▲77.5 音無▲109.8
最終戦を迎える前に100p差以内にはしておきたい。トップラスで80p縮まるのでもう少しポイント差があってもいいと思われるかもしれないが、現実的な条件が残っていない選手がいる場合、トップラスにすることが困難になってくる。
なので、夏月、音無はここでトップラスを決めないと厳しい状況である。鳥井は小松より上の着順を取ればいい状況だ。小松がトップを取ればかなり優勝に近づく。どのような展開になるのか。
東1局は親の音無が1000オールをアガり、1本場、点棒が動く。
東1局1本場 ドラ
音無がダブ東を鳴いて、連荘を狙う。

しかし、小松の手牌が大物手の予感。役役ホンイツ、トイトイ変化もある。

しかし、先手は鳥井。ドラのを重ね、先制リーチ。

鳥井からリーチを受けた小松だが、を鳴いて、ホンイツテンパイ。無筋を連打。ここは勝負に出た。

同巡、夏月もテンパイ。三色にならなかったが追っかけリーチ。

この局を制したのは鳥井。小松がを掴み、満貫放銃となった。小松がラス目になり、3者の望む展開になった。

東2局 ドラ
親の鳥井がカンで先制リーチ。攻撃の手を緩めない。待ちはあまり良くないが、この親リーチにはなかなか勝負にこれないだろうという思惑もある。

しかし、小松の手牌がまたもや勝負手。先ほどの放銃を取り返すのに十分な手牌だ。

誰もが鳥井ピンチと思っていたが、鳥井の1発目のツモはなんと。僥倖の4000オールだ。小松との点差を大きく広げる。

東2局1本場 ドラ
小松は手が入るものの、なかなかアガりに結びつかない。この局もドラのをポンする。

ドラのを切ったのは音無。その音無からリーチが入る。三色確定の両面リーチだ。

小松もなんとかテンパイするが、ここは音無がツモアガり。またもや、小松の勝負手は実らない。

東3局 ドラ
この半荘、なかなかアガれない小松。しかし、親番で先制リーチ。リーチピンフドラ1。これも裏ドラがのれば満貫だ。4連続で満貫級のテンパイ。

このリーチを受けて、音無の手牌。安全牌がない。手牌も好形のイーシャンテン。を勝負するが、小松への満貫放銃となった。これで小松は2着浮上となった。

南3局まで進み点棒状況は以下となる。
音無286 鳥井313 小松192 夏月209
親は小松。ラス目だが、親番なので、トップの可能性もある。他三者は小松がラスで自身のトップを取りたい状況。終盤戦の勝負所。この局は小松が1000オールをアガり、連荘する。

南3局1本場 ドラ
4者ともなかなかテンパイが入らない。そんな中13巡目、先制テンパイは親の小松。カンでリーチ。リーチドラ1。捨て牌的にも出やすい待ちになっている。

次巡、事件が起こる。小松がを持ってきて、アンカン。新ドラはなんと。場が一気に重くなる。これをアガられたらかなり厳しい。リンシャン牌は。これを夏月がチー。形は苦しいがタンヤオ三色ドラ1のイーシャンテン。小松の海底もこのチーで消せる。

運命の海底。夏月のツモは。小松のツモアガりを食い取った。しかし、安全牌がない。何を切るか。

必死に安全牌を探すが、どれも完全に否定できない。ピンズがほどよく切られていることもあり、を選択。しかし、これが小松への放銃となる。

との2択だった。しかし、捨て牌的にはの方が通りそう。小松のアタマは。もし、シャンポン待ちになっていたら、も当たる可能性があったということだ。夏月の選択ミスというよりは小松の捨て牌作りがうまかった。
このアガりで夏月、音無はかなり厳しい状況になった。鳥井も苦しいがまだトップが狙える点差だ。しかし、小松の勢いは止まらない。この後、親マンを2回ツモアガり、特大トップで4回戦を制した。

4回戦スコア
小松88.7 音無▲0.5 夏月▲33.2 鳥井▲55.0
4回戦終了時スコア
小松212.9 鳥井7.1 音無▲110.3 夏月▲110.7