第22期雀竜位決定戦観戦記 2日目(8回戦)
【担当記者:五十嵐毅】
8回戦
座順・安藤―真田―吉田―原田
東2局、原田がメンタンピンツモ。ドラは表裏ともにで1300・2600のアガリだが、供託棒3本、それにこの局先行リーチの吉田のリーチ棒も入って大きな収入。
原田は35300持ちで迎えた東4局の親番で、追加点を目指してリーチ。ドラも何もない手だが、待ちのカンは場を見ると非常にいい受けで、親の先制リーチとして悪くない。
しかし、すぐに真田が追いついた。こちらはイーペーコー出来合いでドラも使ったピンフ–待ち。満貫が確定している。
原田がを掴んでトップから転落。
真田のリーチのほうが先だったら、原田はトップ目だけに大事に打っただろう。もしヤミテンにしていれば、真田リーチ後に持ってきたはドラだけに、ここで現物のあたりを抜いてテンパイを壊し、ちがう一局になっていたはずだ。
トップ目に立った真田、南2局の親番は早くから安藤にソーズホンイツで仕掛けられ、さらに原田のリーチも受ける。
真田はイーシャンテンで粘っていたが、終盤はヤメ。ノーテンで親を流した。
先に手が入ったためにカウンターを喰らった原田、後手を踏んで丁寧に打ったために通行料(ノーテン罰符)を払うだけで局を進められた真田。両者の親番での結果のちがいが印象的だ。
次局は安藤が自風とを鳴いた500・1000+1本場のアガリで吉田の親番を潰す。
自分の着順上昇よりも吉田のラスを確定させようというアガリだ。
この日の最下位は敗退確定者となる。現在5位の安藤としては吉田の足を引っ張ることも重要なのである。
オーラス、親の原田は真田との15000差を逆転するべく、3巡目にポンから入ってマンズホンイツに走る。
上家の吉田は難しい。配牌からあるはいつ切られてもおかしくない牌だったが、切りきれないままにテンパイが入ってしまった。このままでは3着浮上もままならない手だが、とが振り替われば価値は出る。
吉田は大長考の末にテンパイ取りでヤミテン。しかし、このがアタリ。途中で切っても鳴かれる牌ならばあきらめもつく。しかし、原田のテンパイ形は……
途中で切ったとしてポンもチーも入らない形。
吉田はなぜもっと早く切らなかったのかという思いだっただろう。牌を落とす姿勢にその忸怩たる思いが現れているようだ。
真田と原田の差は7300差となった1本場、原田はまたもホンイツ、今度はソーズの仕掛け。
終盤に形テンを入れた吉田と2人テンパイ。これで真田と4300差とグッと詰まる。
しかし、次局の真田の手は早かった。
2巡目にイーペーコーができてイーシャンテン。5巡目にをツモってを払い、カンテンパイ。次巡にを引いてシャンポンに。
そして11巡目にフィニッシュ。
さらに上下の幅が広がるタテ長の展開になってしまった。