第22期雀竜位決定戦観戦記 1日目（3回戦）

【担当記者：田籠謙介】

現雀竜位の安藤が2ラスと沈んで抜け番を迎えた3回戦。
挑戦者たちにとっては、安藤を突き放すチャンスの3回戦となるだろうか。

そんな4名の中でも一人マイナスの原田は、少しでも打点を欲しいところ。
東1局0本場 南家 原田 1巡目

この配牌から打とタンヤオ、123の3色を考えての一打。
元祖ワガママボディの綱川が解説で評したように、早くも5巡目にドラを切るなど打点重視のワガママな打ち筋で、中盤には配牌から想像し難いタンピン3色を見据えた形となった。

東1局0本場 南家 原田 8巡目

しかし、先行リーチをかけたのは親の真田。
自身の手牌を含めて–は6枚見えており待ちは残り2枚だが、捨て牌より他家で使っている可能性は低く、ヤマに残っていると判断してのリーチと考えられる。
この辺りは、真田のセンスの良さを感じられる。

そして、原田も同巡にテンパイを入れ、フリテンながらもなら高め3色の追っかけリーチ。
打点があるとは言え、東パツの親リーチに向かってフリテンリーチで追いかけるメンタルは、さすが決勝まで勝ち上がってきた自信の表れと言えよう。

東1局0本場 南家 原田 12巡目 リーチ

結果、残り2巡の終盤に原田が安めのの700/1300をツモ。

東3局0本場 北家 原田 6巡目

この手を育てて終盤に原田がリーチをかけ、親の秋瀬から一発で8000の出アガリ。

次局、先ほどの失点を取り返そうと秋瀬がリーチ。

東4局0本場 北家 秋瀬 9巡目 リーチ

このリーチを受けて、真田が妙技を魅せる。

秋瀬の現物としてを切りながらテンパイを目指してをチー。

遠い仕掛けにも見えたが、あっさりとを引き入れて役アリのテンパイ。
しかも、秋瀬のアガリ牌であるを下家の吉田へ送り込み、秋瀬のツモアガりを阻止して流局。
解説の綱川が称した暇つぶしチーにより、アガりまでは成就しなかったものの、仕掛け一つで結果を変えてしまう真田のセンスは観ている者を驚かせてくれる。

この繊細な攻防を知る由もない原田が親番で4巡目にリーチして2600オールをツモアガリ。

だが、このまま原田にトップを取られまいと、秋瀬も親番で2600オールをツモアガリ。

次局もマンズの染め手の仕掛けを進め、中盤には親マン以上のイーシャンテン。

南3局1本場 東家 秋瀬 11巡目

ここに今まで見せ場を作れなかった吉田もソーズの染め手にて参戦。
ダブ南が入れば、1回のアガリで2着に上がれるコスパの良さ。

南3局1本場 南家 吉田 11巡目

だが、同巡にラス牌のドラを引いてテンパイした原田が、ヤミテンにて吉田から8000は8300を出アガリ。

南3局1本場 北家 原田 12巡目

「コスパ良くアガったのは原田でした」との結果に、吉田も思わずこの表情。
麻雀界のロナウジーニョと言われる吉田は、ラテン系らしく様々な表情を見せてくれる。

最終局は、秋瀬が真田より2000の出アガリにて終局。

南4局0本場 北家 秋瀬 15巡目

挑戦者それぞれが自分の特徴を生かした見せ場を作り、まさしく人の性格は麻雀の打ち方に表れると思えた半荘であった。
吉田の見せ場は、、、4回戦以降に乞う、ご期待！？