第22期雀竜位決定戦観戦記 3日目（14回戦）

【担当記者：坪川義昭】

真田がポイントを減らすことがあれば三者に優勝の可能性は残るのだが、真田がトップだった場合に限り今決定戦は終焉を迎える。
最後までギリギリの闘いが観ることができるのか、最終戦が真田にとってのウィニングランとなるのか。
間も無く新たな雀竜位が誕生しようとしている。

東2局
真田を追いかける一番手である秋瀬の手が止まった。
役牌2組があるので仕掛けることが前提となるのだが、その中で勝負を決めるようなアガリを模索する。

1000点、2000点のアガリを簡単に拾うことを拒否し、優勝の為の細い道筋を手繰り寄せようと歩み出した。

ここまで来ると道筋もハッキリとしてきた。あとは一本道である。

最初の段階では想像もつかないハネマンのアガリだ。
真田の背中はもう目前までやってきている。

東3局
親の吉田が先制リーチときた。

吉田の放ったに真田は手を止めた。

ポイントリーダーである為、トータル4番手の吉田との勝負は避けたいところだが、そんな弱気な姿勢でタイトルを取り逃がしてきた選手を何人も観てきた。

が現物では危険牌ならば一旦安全牌を…なんて気持ちはさらさらない。
捲り合いをするなら優位な待ちでやらねば価値はなし。その判断への自信はどんな窮地に立たされても崩れることはない。

この男を崩すことが果たして出来るのだろうかと思わせるようなアガリがそこにはあった。

南1局
この回をトップ以外で終わった場合、優勝の目は完全になくなる親番の吉田が渾身のリーチと出る。

8000オールとなったが、あとこれを何回成就させれば優勝が見えてくるのか。
まだまだ吉田にとって真田の背中は遠い。

南2局
秋瀬にとっては最後の勝負所となるであろう真田の親番で先手を取った。感触は最高だ。

親の真田も立ち向かう。
待ちも打点も優秀とは言えないが、自身が3着だろうと4着だろうと20pしか変わりはしない。
ならば秋瀬を引き摺り下ろす為の捲り合いは上等なのだ。

決着はすぐに着いた。

いつの間にか真田の横に秋瀬が追い付いている。
真田のシナリオが崩れ始めた。

最終戦を残して真田の優位性は完全に失われ、優勝争いは秋瀬との一騎打ちとなった。
そのポイント差は10p。

二人だけの世界が間もなく始まる。