第22期雀竜位決定戦観戦記 3日目(13回戦)
【担当記者:田籠健介】
原田がトップを取り、1トップで首位が替わる三つ巴となって迎えた13回戦。
ただ一人、負債を抱えている吉田にとっては、試練の半荘といえる。
開局の口火を切ったのは秋瀬。
配牌から3ターツ完成しており、早くも4巡目にテンパイ。
東1局0本場 西家秋瀬 4巡目
ツモ
ドラ
リーチは難しいものの、一旦、カンのテンパイ取りでも悪くないが、手替わりを重視して打を選択。
これが功を奏し、7巡目にドラを引いてリーチからの2000/4000をツモ。
新人王戦、女流モンド杯などのタイトル決勝戦を経験しているだけあって、チャンスの活かし方を熟知していると感じた。
東2局1本場、こちらも手が早く、真田が5巡目にリーチ。
このリーチを親の原田が上手く潜り抜け、フリテンながらもアガれば親マン以上の3メンチャン待ちにて追っかけリーチ。
ドラ
脇の秋瀬、吉田は真田のアタり牌を上手く止めていたが、終盤に真田が1300/2600は1400/2700をツモ。
このアガりを見てか、吉田が動いた。
東3局0本場 西家吉田 4巡目
ドラ
4巡目にしてホンロー、トイトイもあれば、含みのチャンタも想定でき、上家にあたる真田には非常にやりづらい場面。
このまま真田にトップを取られ、残り2半荘を消化試合にしたくない吉田ならではの老獪なプレーだ。
そんな思惑を知ってか知らずか原田がお構いなくリーチ。
ドラ
秋瀬も呼応したかのように、原田のリーチ宣言牌のをチーしてテンパイ。
道中でカンしてドラを乗せた原田から秋瀬が12000を出アガリ。
東3局0本場 東家秋瀬 14巡目
ロン
ドラ
続いて次局、原田がめげずに9巡目での先制リーチ。
これを受けての終盤の吉田。
ツモ
ドラ
何れにせよは切れないと踏んだ吉田はをカンと宣言。 するとカンドラがとなりドラ5の勝負手となる。
しかし、次巡にを引いた吉田が、原田の中スジにあたるを捨てるとロンの宣言を受け5200は5500を放銃。
真田を抑えることに成功したものの、吉田自身のアガりに繋がらず厳しい状況が続く。
が、こんな状況を吉田は南場の親番で打開した。
終盤の真田のリーチを受け、追っかけリーチした吉田。
仕掛けていて安牌に窮した秋瀬より12000を出アガリ。
何とかトップ目になってホッと一息つけただろうか。
このままトップ目を維持したい親の吉田が南1局1本場でもリーチ。
ドラ
次巡、ヤミテンで構えていた真田が少考の上、 ツモったドラを空切りし追っかけリーチ。
更に追っかけリーチした原田がアタり牌を掴み、真田が8000は8300の出アガリ。
南2局も、真田が親番の原田より8000は8300を出アガリ。
吉田の思惑が、無惨にも砕け散った瞬間であった。
・・・決勝戦で一息つけるタイミングなんて、あるわけ無いですよね。f(^_^;)
速攻、高打点の応酬で目を離せなかったが、終わってみれば真田のトップで終了。
トータルポイントも2着目の秋瀬と100ポイント以上を離し、新世代のチャンピオンに王手をかけた。