第5期関西雀王決定戦観戦記 2日目(9回戦)

【担当記者:こいで】

入川 尚平(いりかわ しょうへい)
1994年生まれ 出身は愛媛県
22期前期 関西本部所属

最高位戦から移籍した経歴を持ち、雀王戦でもC1リーガーとして活躍中。
初のタイトル獲得を目指す。

【東1局】
入川に選択。

麻雀牌:二索麻雀牌:五索テンパイ。中盤なのでリーチと行くのが自然だが、麻雀牌:南をトイツ落としをすることでタンヤオが確定すること、ピンズの場況がいいこと、ピンズが下に伸びての234三色が見えることから入川はここで麻雀牌:南を打つ。 

親の松本にテンパイが入る。

ソーズの場況は悪いが親番・ドラ1ということでカン麻雀牌:四索でリーチを敢行。
中筋にはなっており、これ以上変化を待てないという判断か。
 
同巡に入川もテンパイ。

ピンフにならなかったがタンヤオに変化し形は十分。
麻雀牌:二索麻雀牌:五索で追っかけリーチとした。

その入川が麻雀牌:二索を一発ツモ。
メンタン一発ツモで2000/4000の好スタートを切った。

【東4局】
入川が2巡目に選択を強いられる。

カンのタイミング問題だが、くっつきのタネの麻雀牌:四索麻雀牌:三筒、両面のフォロー牌の麻雀牌:九萬どれも切りたくないということで麻雀牌:七索をカンとした。
先に新ドラをめくることで麻雀牌:発の仕掛けをするかも決められる。

先制リーチは林。 

麻雀牌:三萬麻雀牌:六萬麻雀牌:北待ちで麻雀牌:六萬麻雀牌:北でアガれば三色。
三色確定にする打麻雀牌:六萬の選択もあったが、麻雀牌:北は1枚切れで討ち取りやすいと見て打麻雀牌:八萬リーチとした。

その同巡、奈良が衝撃のテンパイ。

メンチンのペンカン麻雀牌:三筒待ち。
一通が付きダマで24000テンパイだ。

次巡、奈良がツモ麻雀牌:二筒

麻雀牌:二筒麻雀牌:五筒の筋は6枚持っており林のリーチに対して危険だが、待ちが一番広い打麻雀牌:五筒でリーチとした。

松本もドラを重ねてタンヤオイーペーコードラドラのテンパイで追いつく。
ドラの麻雀牌:南を勝負してダマテンに。

3人が勝負手のめくり合いとなった。

林が麻雀牌:六筒を掴み奈良のアガリ。
高めの麻雀牌:六筒はメンピン一通イーペーコーにチンイツで三倍満。
奈良、36000のアガリとなった。

【東4局 1本場】
奈良がツモ番なしリーチ。
チートイツの麻雀牌:発単騎だ。

テンパイを入れていた林が生牌の麻雀牌:東を掴み、オリに回る。

奈良の一人テンパイで親継続となる。

【東4局 2本場】
苦しい林に手が入る。
麻雀牌:六索麻雀牌:九索待ちのピンフリーチで麻雀牌:九索でアガれば三色が付く。

粘った入川から麻雀牌:九索がこぼれて林の8000(+1600)アガリとなる。

【南1局】

林がドラドラのチャンタを上手く仕掛けて親の松本から8000のアガリ。

【南2局】

36000の放銃からハコが戻ってきて林の親番。
林がメンピンの麻雀牌:五萬麻雀牌:八萬で先制をリーチ入れる。
ほぼ一人旅の状況だったがツモれず、流局し林の一人テンパイ。

【南2局1本場】

ドラドラの林が役牌の麻雀牌:東を仕掛けて三副露。
これをツモって2000は2100オールのアガリ。

【南2局2本場】

麻雀牌:中を仕掛けた林が奈良から1500(+600)のアガリ。粘り強く点棒を積み重ねていく。
条件を残すために林はこの親番を落とせない。

【南2局 3本場】

麻雀牌:九索を切ってリャンシャンテンだが、入川は奈良から打たれた麻雀牌:中を2枚ともスルーとした。

ポイント状況が関係してなければトップが遠く、ラス目の林の親番を落とすために鳴く局面だが1000点で局を流してしまうとトータルトップの奈良が優勢となってしまう。
局数を少なくするより、高打点にして奈良との点差を縮めるための強い意志を感じる。

麻雀牌:二萬を引き入れて以下の形。

イーシャンテンに取るなら打麻雀牌:二筒や打麻雀牌:六索が自然だが、ピンフ三色ドラのルートを見て麻雀牌:中をトイツ落とし。

中盤、麻雀牌:七索を引いてテンパイ。

ツモが安い方に効いてしまいリーチのみ。
タンヤオ、ピンフ、三色、ドラ、どれかはつけたかったが全て消えてしまうが、ここは巡目との兼ね合いでリーチへ踏み切った。
これ以上手変わりを待つのは厳しいとの判断だろう。

林も同巡に追いつく。
フリテンだがタンピンドラ1の麻雀牌:二筒麻雀牌:五筒でツモれば4000オールからだ。

共通安牌に窮した奈良が林の現物麻雀牌:一索を打つ。
放銃するなら子の入川で、タンヤオの絡まない牌を選んだ。

これが入川の当たり牌。
リーチ裏1の2600(+1900)のアガリ。 

【南3局】
入川の親番、3巡目に分岐点。

チートイツのイーシャンテンだがホンイツも色濃く見える。
麻雀牌:五索トイツ落としするのも自然だが、入川は麻雀牌:中を打つ。
既に役牌が2つトイツで鳴いてマンガンが見えるため、麻雀牌:中を重ねる価値が高くないと見てチートイツのイーシャンテンとホンイツの両天秤に受けた。

切った麻雀牌:中を奈良がポンして好形のイーシャンテンとなるも、入川は奈良から麻雀牌:発麻雀牌:七萬がポン出来て麻雀牌:三萬麻雀牌:八萬のくっつきイーシャンテン。
ツモ麻雀牌:二萬で入川が5800テンパイ。

奈良も2副露目を入れて追いつく。

入川はツモ麻雀牌:二萬麻雀牌:三萬麻雀牌:東のシャンポンに待ち変え。
トイトイに変化したので麻雀牌:東でアガると18000。 

入川と奈良のめくり合いになったが入川が麻雀牌:六萬を掴み、奈良に1000点の放銃。

事実上半荘トップを決定づけるアガリとなった。

【南4局】
松本、林の二人テンパイから林が引き勝ち700/1300のアガリで3着へ浮上。
奈良は役なしの両面をダマテンに構え、終盤でオリる形となった。
ポイントを大幅リードしている以上、局数を増やすのはターチャに役満条件の抽選を与えるだけで最初から伏せるつもりだったか。

親でアガった三倍満のリードを守りきった奈良が盤石のトップとなる。
【4回戦結果】
松本 △48.5(△87.8)
林 △25.3(△73.3)
入川 +3.1(△144.5)
奈良 +70.7(+305.6)