第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(5回戦)

【担当記者:城戸大生】
起家から松本-入川-奈良-林
東2局をポンしていた西家の林が、
を暗刻にして早くも確定三暗刻トイトイの満貫聴牌。

ドラのを引いて少考。

打点的には跳満の単騎だ。だが字牌単騎の和了率には通常かなわない。
しかし今局、南家の奈良と北家の松本が中張牌をバラ切りしていて字牌を持っている可能性が上がっている。
いわゆる”字牌の場況が高い”局面だ。
しかしのちにが余って放たれることもあるのと、ドラだけは切らないと止められることもある為ここは
単騎を継続。
同巡、親の入川も聴牌。

こちらも単騎選択。ドラのはちょうど今切られたばかりで、他者が合わせて切ることも考えられる。
対しては、全員マンズの上目が要らない河になっており、山に2枚はほぼ確定だ。
入川は前者のメリットを優先し単騎を選択。
程なくして林がをツモ!

トップが欲しいがここは欲張らずの選択が功を奏した。
南1局
親の松本がメンタンピンドラ1の先制リーチ。勝負手だ。山には3枚。

南家の入川も一気通貫確定のを引き入れて追いかけリーチだ!これがなんと山に6枚。

松本が一発でドラのをキャッチしてしまい、入川に跳満放銃と苦しい結果に。
ラス目の入川が2着まで浮上する。
南2局2本場
ラス目の奈良は、ドラのを暗刻にして選択。

か
を切れば一向聴だが、愚形愚形かつ門前のリーチ前提となってしまう。
それならピンズを払って鳴ける二向聴の方が優秀と判断して打。
6巡目に西家の林が先制聴牌、場1の単騎でリーチ。

リーチを受けての奈良、なんとが4枚になりホンイツのくっつき一向聴に。

ラス目なこともあり、ノータイムで無筋を次々切り飛ばしていく。を引いて聴牌。

をアンカンしてリーチ。出アガリ倍満から、
をツモれば三暗刻もついて三倍満の強烈な手だ。
なんとこの巡目で山に4枚残り。
先制リーチしたはずの林もこれだけ無筋を押されドラをアンカンされれば気が気でないだろう。
奈良が(一応)安目のをツモ。

このアガリで一気にトップ目に立つ。この男恐ろしすぎる。
続く南3局
3着目に落ちてしまった入川、ドラのが対子。

バック、うまくいけばトイトイまであるため
ポンから発進していく。
そんな中、先制聴牌は親の奈良。

現状奈良はトップ目で南3局。
ここで5800をアガればトップ率が大きく上がると踏んで、ここは冷静なダマテンを選択。
だが数巡後ツモ切りリーチを選択!

まずは最もいい手替わりである–
–
が3枚切られてしまったこと。
そして入川が2副露目にを仕掛けて
の手出しも入っていて、脇から
–
が切られにくくなったこと。
なんとこの選択が…

一発ツモである。6000オールで全てを突き放してしまった。
迎えたオーラス。
ラス目の松本に希望の見える配牌が配られる。

ドラ暗刻だ。ここからツモも順調に伸び、7巡目に聴牌する。

ダブ南ドラ3の満貫聴牌。入川か林から直撃すると着アップ、奈良からの直撃は着アップこそしないもののトータル首位の奈良とのポイント差を縮められる為どこからアガっても大きい。
親の林も七対子で聴牌。

3着の入川とは900点差で、リーチ棒を出すと一旦着ダウン。
リーチ棒を出した後の松本のマンツモはラスまで落ちてしまう。
トップもかなり遠いためダマにして2着率を上げるのが現実的だが、今日は決定戦。
もう奈良にトップを取らせるとトータルかなり厳しいと思えば、押さえつけのリーチも選択肢としてはあったか。

最後も奈良が自身で決め切り、連勝で初日を終えた。

最後の連勝で、奈良が大きくポイントを離すことになった。
残り2日は、他三者がどれだけ奈良を押さえつけられるかだ。
さあ、誰が止められるか、この男を。