第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(4回戦)

【担当記者:城戸大生】

3回戦を終えてのスコアがこちら。

屈辱の3連ラススタートの林が一歩後退。
他三者はすぐ覆るようなポイント差なので、まだ並びは気にせず打つことになりそうだ。

【4回戦】
起家から入川-奈良-松本-林

東2局、林の配牌何切るが面白い。

麻雀牌:二萬
麻雀牌:四萬
麻雀牌:三筒
麻雀牌:四筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:八筒
麻雀牌:二索
麻雀牌:四索
麻雀牌:四索
麻雀牌:発
麻雀牌:発

ドラ

麻雀牌:五索

一般的なのは麻雀牌:一萬だろうか。234の三色を残した5ブロック進行だ。
だが林の選択は打麻雀牌:四索
234の三色の受け入れMAX打法だ。
第1打に麻雀牌:四索を切って、最終カン麻雀牌:三索待ちになった時の出アガリ効率も侮れない。

ドラの麻雀牌:五索を引いて234の三色は崩れてしまったものの、麻雀牌:三索麻雀牌:六索が残っての先制リーチだ。

ここに対抗したいのは南家の松本。

大物手の一向聴だったが、ドラの麻雀牌:五索を引いてしまう。
ここは麻雀牌:中を切って、七対子で聴牌したら勝負の構えとした。
粘ってもらえれば麻雀牌:三索は出てもおかしくない牌だったが、三者とも出る手形にはならず。
林の1人聴牌で流局、聴牌料の3000点は大きいものの、なかなか和了まで結びつかないもどかしさが残る。

東3局、麻雀牌:発をポンしていた南家の林がホンイツの聴牌を入れる。

その後麻雀牌:三萬を引いての待ち選択。

シンプルな見た目枚数で打麻雀牌:五萬とするのが一般的だが、林は打麻雀牌:三萬
なんとこの選択が功を奏し、満貫のツモアガリとなる。

後に林に話を聞くと、「あれは倍満見るでしょ」と語る。
たしかにドラの麻雀牌:七萬を引くと倍満なのだが…
林が描く理想の和了形↓

麻雀牌:五萬
麻雀牌:五萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:中
麻雀牌:中
麻雀牌:中

ツモ

麻雀牌:七萬
麻雀牌:発
麻雀牌:発
麻雀牌:発

ドラ

麻雀牌:七萬

ただのトップでは物足りない、2回分のトップを取ってやる、そんな気概さえ見える。

東4局、林の親番。超大物手が入る。

タンヤオ三色一盃口ドラ1の聴牌、出アガリ12000、ツモれば6000オールだ。
西家の奈良、13巡目にカン麻雀牌:七索の聴牌。

役なしドラ1なのでリーチするかと思われたが、ここはダマテンを選択。
ドラの麻雀牌:六索が自身の持っている1枚しか見えておらず、カン麻雀牌:七索は1枚切れで特に感触無し。
そしてその場にしかわからない、嫌な予感を感じ取ったのかもしれない。
程なくして北家の松本からリーチが入る。

リーチにまわっていた奈良。

麻雀牌:九萬が4枚見えとはいえ、メンピンドラ1なので十分勝負する価値はあるが、ここもダマテンとした。
そのまま3人聴牌で流局。奈良の繊細な一面が垣間見えた一局だ。

南2局は、親の奈良がドラポンからの4000オールでトップ目に。

続く南2局1本場。

西家の林が13巡目に聴牌、ここは麻雀牌:二索を切ってダマテンとする。
ドラの麻雀牌:七索麻雀牌:八索を引けば満貫聴牌だ。
同巡に奈良が麻雀牌:五筒をポンして聴牌。


林は一旦麻雀牌:六索単騎に受けていたところから、思惑通り麻雀牌:八索を引いてリーチだ。麻雀牌:七索は山に1枚残っている!

なんとその1枚のお宝は海底に眠っていた!

林はこの満貫ツモで、奈良を300点まくってトップ目に立つ。
喉から手が出るほど欲しいトップまであと2局。

南3局、3着目松本の親番。

6巡目に先制リーチ。打点は無いが親の先制両面リーチは十分だろう。
ここに食らいつくのは林。

麻雀牌:二萬
麻雀牌:三萬
麻雀牌:四萬
麻雀牌:五萬
麻雀牌:六萬
麻雀牌:二索
麻雀牌:三索
麻雀牌:四索
麻雀牌:五索
麻雀牌:五索
麻雀牌:六索
麻雀牌:八索

ドラ

麻雀牌:南

役無しのカン麻雀牌:七索で聴牌していたところから、麻雀牌:七萬をチーして打麻雀牌:一萬
役無しから役アリへの食い伸ばしだ。
ラス目の入川も黙っていない。

麻雀牌:八筒麻雀牌:九筒を切ると聴牌だがリーチのみ。
マンズを全部切ってチンイツにいくこともできるが、巡目が13巡目と遅すぎる。
ここはツモって裏1か松本からの直撃が関の山と見て、麻雀牌:八筒切りリーチを敢行。
リーチを受けてオリていたはずの奈良は、両者のあたり牌を吸収して一向聴に。

切られた麻雀牌:四萬をポンして、スジの麻雀牌:七萬を切ってカン麻雀牌:七索聴牌。
なんと両者のリーチの待ちは山には無くなり、カン麻雀牌:七索がなんと山に3枚。
この短い山に3枚の麻雀牌:七索はすぐそこにあった。

リーチ棒2本とともに大きすぎる和了をものにし、奈良はトップ目でオーラスを迎える。

迎えたオーラス。
親の林は麻雀牌:八筒ポンからの発進。タンヤオドラドラ、MAXはトイトイをつけて18000だ。

アガればトップの奈良、なんと4巡目に役ありのカン麻雀牌:八萬聴牌を入れる。

聴牌していた奈良からドラの麻雀牌:七筒も鳴けて林も聴牌。

12000確定のこの仕掛けに通っていない牌はかなり切りたくないはずだが、奈良は

麻雀牌:二筒麻雀牌:六筒をノータイムでプッシュしていく!
これには林の切り順が関係する。
麻雀牌:八筒麻雀牌:五索をポンしている林が、麻雀牌:四筒を手出し→麻雀牌:中を手出し→麻雀牌:七筒ポン打麻雀牌:三萬 としている。
ピンズの両面が残っているとすると、麻雀牌:三筒麻雀牌:四筒麻雀牌:四筒麻雀牌:四筒麻雀牌:四筒麻雀牌:五筒から麻雀牌:中を残して麻雀牌:四筒を先切りしていることになり、ドラドラかつトイトイまで見えるこの手を手狭にすることはないと読んだのだろう。
続く麻雀牌:四萬も、少考ののちに押した!

最終手出しが麻雀牌:七筒ポン打麻雀牌:三萬だが、林は序盤に麻雀牌:二萬を切っている。
麻雀牌:三萬が手に必要だった&麻雀牌:四萬麻雀牌:七萬が当たるケースを考えると、麻雀牌:三萬麻雀牌:四萬麻雀牌:四萬麻雀牌:五萬麻雀牌:六萬麻雀牌:三萬麻雀牌:四萬麻雀牌:五萬麻雀牌:六萬麻雀牌:七萬からの待ちかえがあるのだが、どちらも序盤に麻雀牌:二萬を切っていてフリテンになっており考えづらい。
読みに心中した奈良が聴牌を取りきり流局。

続く1本場は奈良が自力でアガリきりトップを死守。

林は展開が傾きかけていたものの奈良に逃げ切られ悔しい展開。