第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(3回戦)

【担当記者:城戸大生】

2回戦を終えてのスコアがこちら。

まだ2回戦とはいえ、2連ラススタートの林はいい気ではないだろう。
残り3回でなんとかプラスを持ち帰ることはできるのか。

【3回戦】
起家から奈良-入川-松本-林

小場で進んで迎えた東4局。
西家の入川が、嬉しいカン麻雀牌:八萬を引き入れて先制リーチ。

北家の松本、麻雀牌:二筒を引いて手牌が高目メンタンピン三色にパワーアップ。ノータイムで麻雀牌:五筒をプッシュしていく。

続く麻雀牌:六萬もプッシュして引いてくる麻雀牌:八萬

自身で両無筋の牌を2枚押して残りスジの危険度は上がっている。
巡目も11巡目、雀頭の麻雀牌:六索が中筋で、対子落としで迂回するか。

押した!
やはり勝負手はそうそう入らないから、決め手を逃さないという強い意志を感じる。
松本は2着トップで現状首位だが、少しも気を緩めない。
程なくして入川が1300-2600をツモアガリ。

続く南1局。
親の奈良の手が悩ましい。

打牌候補は麻雀牌:七萬麻雀牌:八筒麻雀牌:白
麻雀牌:七萬を切ると麻雀牌:白頼みにはなるが、麻雀牌:白を鳴いた後に麻雀牌:二萬麻雀牌:八筒の受け入れが残るので一向聴の形が強い。
麻雀牌:八筒は6ブロック打法。タンヤオか麻雀牌:白かの選択を先延ばしにする選択だ。
麻雀牌:白はタンヤオ。強いポン材は無くなるが、麻雀牌:六萬を引いて567三色で、ドラの麻雀牌:二萬を鳴かずとも満貫のルートが残る。

奈良の選択は麻雀牌:白。まだ5巡目なので麻雀牌:七萬が横に伸びてメンゼンルートも十分あり、そうなると跳満も見える。MAX打点重視だ。
同じ巡目に聴牌を入れたのは南家の入川。

メンタンドラ1のカン麻雀牌:七萬での先制リーチ。
ドラドラの奈良もずっと一向聴をキープして粘り、残りツモ番2回で麻雀牌:三筒が鳴けて聴牌を入れる。

待ちは麻雀牌:二萬麻雀牌:七萬のシャンポン。麻雀牌:二萬は山には無く、残り2枚の麻雀牌:七萬の引き合いだ。

なんと勝ったのは奈良だ。
僥倖の2000オールで、トップの入川に迫る。

南2局。
なかなかいいところのない林に勝負手が入る。

メンタンピン高目一盃口の先制リーチ。麻雀牌:四萬麻雀牌:七萬は自分で2枚使っていて1枚切られているが、誰の手にも持たれていない。なんと山に5枚。
ここに勝負するのは南家の松本。

ドラの麻雀牌:二筒を引いて聴牌。まずは一発で麻雀牌:三萬を勝負。
その後は通りそうな牌を切り単騎を変えていく。

当たり牌の麻雀牌:七萬を掴み、麻雀牌:七萬単騎に入れ替える。
残りツモ番1回で、無筋の麻雀牌:六萬を掴む。これでやめる為のダマのように思われたが…

押した!
残りスジは麻雀牌:一筒麻雀牌:四筒麻雀牌:一索麻雀牌:四索麻雀牌:四萬麻雀牌:七萬麻雀牌:五萬麻雀牌:八萬麻雀牌:六萬麻雀牌:九萬
麻雀牌:一索麻雀牌:四索はワンチャンスで、麻雀牌:一筒麻雀牌:四筒はドラが麻雀牌:二筒麻雀牌:三筒りリーチのため可能性が低い。
(麻雀牌:二筒麻雀牌:三筒麻雀牌:三筒と持っていたら、ドラを使い切るために麻雀牌:三筒を先切りすることが多いため)
マンズの無筋の濃度はかなり濃いが、残りツモ番1回のため次に無筋を引かなければ聴牌料がもらえること、うっかり麻雀牌:七萬ツモの満貫の価値を重く見たか。
そんな最後のツモは麻雀牌:四萬

思わず笑ってしまう松本。

ここは冷静にオリを選択する。
林は5山のリーチが空振り。どうも神は林に味方してくれない。

全員大きく点差が開かず迎えた南3局1本場。
まずは7巡目に親の松本がメンピン高目一盃口の先制リーチ。

この宣言牌のドラの麻雀牌:西に反応したのは西家の奈良だ。

親リーチとドラポンの一騎打ちの局かと思われたが、黙っていないのは林だ。

なんと三色の確定する麻雀牌:三筒を引き入れ、満貫確定両面リーチで追いつく!
ドラポンしている奈良も、ここに立ち向かってくる林のリーチには敬意を表したか。

2人に両無筋の麻雀牌:五筒を引いて、打麻雀牌:六萬とする。
しかし麻雀牌:五索が鳴ければ話は別!

トイトイもついて跳満聴牌ともなれば麻雀牌:五筒はぶった切りだ。しかし残念ながら待ちは山にはゼロ。
松本の麻雀牌:六索麻雀牌:九索は残り3枚、林の麻雀牌:三索麻雀牌:六索は残り4枚。
そろそろ林も報われるかと思われたが、ここは松本に軍配。

トップ目だった入川が南3局2本場を交わし、オーラスも仮テンをすぐツモりトップに。
林は屈辱の3連ラス。勝負手が1回でもアガれていればトップも見えただけになんとももどかしい。