第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(14回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】

3日目が始まる時よりは少し、少し縮まったものの奈良の圧倒的優位だ。
周囲からどれほど優位に見えようとも打っている本人は、追われる立場の人間は安心できないもの。
インタビューによると奈良は前年に「300ポイント差を3回戦で逆転された」経験を持つ。
そんな奈良が優勝を意識したのは13回戦の終わり、4着から2着に浮上した時であると言う。
残り2戦で3人と300ポイント以上の差、そして3人の差は少なく準優勝狙いにシフトする可能性もある。
東1局 親:林

もう慌てる時間じゃない奈良はこの手からを余裕の2枚スルー。

親の林はリーチ。待ちは悪いがドラ3内蔵の勝負手だ。
奈良は慌てず騒がず
ツモ
ドラ
とっておいたを切り出していくと
ツモ
ドラ
欲しいカンと
はどちらもリーチの現物だ。

すぐにカンが鳴け、
でロン。
以降も東場は5200点が最高点と淡々と進んでいく。
南1局 親:林

松本はこの配牌からサクサク進み

絶好の単騎でリーチ。出アガリ倍満、うっかり裏ドラが乗ればツモ3倍満まで見える今日イチの勝負手だ。

もともとテンパイしていたが打点に不満でダマっていた入川もタンヤオに振り替わって追いかけリーチ。
残り枚数的にはどちらが勝ってもおかしくなかったがここは平和(?)に入川のツモ。1300-2600のアガリ。
南2局 親:入川

奈良はここからWを2スルー。さすがに字牌オタ風もあり安全マージンを取りながら進められる手だ。鳴いても良さそうだが??

林がここからをポン。
そう、「オレ(奈良)が流さなくても他のヤツが頑張ってくれる」のだ。
この後、松本・入川の2軒リーチに挟まれるも悠々とオリに成功。流局となる。
2本場
2本場600点とリーチ棒供託3本。これはみなアガりたい。

入川がネックとなるをチー。

林は役無し単騎の仮テンにとるのだが
ツモ
ドラ
フリテンのだが安全度でいったん振替え。
ツモ
ドラ
–
ノベタンにするが自分から
が4枚見えで実質
単騎。
ツモ
ドラ
とりあえず単騎。自分で
を切っているが一気通貫もないことはない。
ツモ
ドラ
見た目は3面待ちだがが4枚見え。不採用。
とまぁ、モヤモヤした仮テンが続く。

そうこうしている間に親の入川が1枚からのドラを暗刻にし12000点のテンパイ。
端にかかった両面で場況的にも悪くない。

ようやく林の納得できる形になり–
のリーチ。

受けた松本も実は中ぶくれ単騎の仮テンだった。
絶好のを引いたところで林のリーチ一発目。
自分都合なら打ち出す牌は5枚使いの–
のスジ。形の上で
のワンチャンスではあるが林はマンズをバラ切りしておりいかにも
周りのブロックはありそう。
15巡目になってもドラが1枚も見えていない。そもそもリーチ者だけでなく親の入川の仕掛けも怖い。
長考の末に松本の選択は切りリーチ。
この半荘のラス目であるし、ポイント状況的にも行くしかない。
3者の必死の思いが絡んだ展開だったが結果は流局。
3本場
3本場900点に供託5本。
今度こそ今度こそアガリたい。

奈良だ。
今度はしっかりと役牌を1鳴きし、1000点はもろもろ込みで6900点のアガリ。
安全マージンを持ちながらしっかりと仕事もこなす。
14回戦は入川トップ、奈良3着。
