第5期関西雀王決定戦観戦記 1日目(13回戦)

【担当記者:角谷ヨウスケ】

今日トップをとっている松本と林がトータル1位の奈良まで280-290ポイントの差。入川が355ポイント差。
全15回戦の残り3回戦の13回戦。
現実的な逆転ラインを考えるとここ、13回戦がいよいよ剣が峰だ。

東1局 親:松本
8巡目の奈良にこの形。

麻雀牌:六索を切って両面リーチをすれば5200点からのツモれば満貫。
麻雀牌:五索を切れぱ麻雀牌:五筒麻雀牌:八筒麻雀牌:六索の変則3面待ち。リーチして高めをツモれば跳満。
麻雀牌:五索切りには四暗刻変化もあるにはあるが、その場合はドラ麻雀牌:五筒を打ち出すことになるので微妙。それにダマの変化待ちは安め2600点だ。
追いかける立場であれば悩みどころもある牌姿だが、トータルポイントのある奈良は悠々と麻雀牌:五索切りダマを選択。

そこへ親の松本。

実は配牌からドラ麻雀牌:五筒が浮いている。形の上ではずっと麻雀牌:五筒が不要。
ソウズチンイツも少し見えるが親なので両面リーチのみになってもまぁ許せる。
いつ切ろう、いつ切ろうと考えていた麻雀牌:五筒がここで奈良にジャストミート。
ダマの高め一盃口かつドラドラの方、タンヤオも絡み8000点を献上してしまう。

東2局 親:林
わずか5巡目

奈良はペンカン麻雀牌:七筒の部分を引き入れて両面テンパイ。
この時点で全員リャンシャンテン以下、追いつくかけらもなくさらりと奈良のツモ700-1300のアガリ。

東3局 親:入川

親の入川がこの形でリーチ。カン麻雀牌:八萬は2枚切れだが手役上やむなし。
そこへ仕掛けていた奈良が放銃、裏も乗って12000点の出アガリとなる。
一見デバサイなのだが奈良的には入川が1番トップを取られてもいい相手でもある。

2本場

麻雀牌:七萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:九萬
麻雀牌:六筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:八筒
麻雀牌:一索
麻雀牌:二索
麻雀牌:三索
麻雀牌:六索
麻雀牌:七索
麻雀牌:八索
麻雀牌:八索

ドラ

麻雀牌:三萬

奈良はこの手を冷静にダマ。三色変化もあるにはあるが、打点よりもトータルポイントを意識した選択だろう。
入川の親リーチが入るもサラリとツモ。

東4局 親:奈良
さすがに奈良の親は全員が流したい。

麻雀牌:六萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:東
麻雀牌:白

チー

麻雀牌:五萬
麻雀牌:四萬
麻雀牌:六萬

チー

麻雀牌:二萬
麻雀牌:三萬

ポン

麻雀牌:北
麻雀牌:北
麻雀牌:北

ドラ

麻雀牌:四萬

入川は2巡目の麻雀牌:北ポンから発進してこの形。ドラ麻雀牌:四萬なので見た目にも迫力はあるが3副露してまだノーテン。
同巡に親の奈良は、

麻雀牌:四萬
麻雀牌:五萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:九萬
麻雀牌:四筒
麻雀牌:四筒
麻雀牌:六筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:八筒
麻雀牌:七索
麻雀牌:八索
麻雀牌:九索

ドラ

麻雀牌:四萬

親のピンフドラ1なのでリーチの打点効率はとても良いがここも冷静にダマテン。

さらに同巡、松本はドラのカン麻雀牌:四萬待ち。
マンズのホンイツが濃厚な入川とドラカンチャンをはめくりあいたくはないがラス目につきしぶしぶリーチ。
するとダマテンを入れていた奈良が麻雀牌:四萬を一発キャッチ。
「このためにダマにしていたんですよ」という奈良の声が聞こえてきそうだ。しかもただ降りるわけでもなく、

ここから麻雀牌:六萬をチー。場に安全なピンズメンツを切り出しながら形式テンパイを目指していく。

ここまで静かだった林も仕掛けてテンパイ。親の奈良が仕掛けた以上、テンパイ料で離されるのも避けたい。とれるテンパイはとっていく。
そして入川は

残りツモ0回にして完全に手詰まり。マンズのホンイツは見る影もなく手牌は全て無筋。
悩んで選んだ麻雀牌:四萬は松本への放銃牌。裏は乗らず5200点。
現状トップ目の入川は松本を押し上げたくもあるが、自身の放銃はトップが危うくなる。

南2局 親:林
親の林が6巡目にリーチ。

役もドラもない、待ちも良くないが、手変わりもない。親につきリーチ。

行くしかない松本が16巡目に追いつきリーチすると何とこれを林が一発キャッチ&放銃。
点棒の動きをまとめると
東4局 入川⇒松本
南2局 林⇒松本
南3局 松本⇒入川
奈良にとって良い横移動しか起こらない。東3局に12000点を放銃したものの奈良の安定感たるや。

南4局 親:奈良
持ち点は入川41600,入川21600、松本19600、奈良17600と、入川以外はとても僅差のオーラス。
奈良は最悪ラスでも良いが(入川トップなのでなおさらそう)、ここまで点差が近いとなるべく2着は取りたい。
とは言えアガリやめのないルールでもあるし、2000~5800点の中打点以下では次局も苦しい。
どのような進行にするか悩ましいところだ。

奈良は2巡目にここから麻雀牌:東をポン。ほぼ1500点から良くて2900点の仕掛けだ。
これがサクサクと有効牌をツモり8巡目にテンパイ、そして即出る。

麻雀牌:六萬
麻雀牌:六萬
麻雀牌:一筒
麻雀牌:二筒
麻雀牌:三筒
麻雀牌:五筒
麻雀牌:六筒
麻雀牌:六索
麻雀牌:七索
麻雀牌:八索

ロン

麻雀牌:七筒

ポン

麻雀牌:東
麻雀牌:東
麻雀牌:東

ドラ

麻雀牌:六索

考えてみれば奈良以外は打点にこだわらない状況なのだ。ここはアガリ競争上等の構えを取る。
その後も
1本場

麻雀牌:二萬
麻雀牌:三萬
麻雀牌:三萬
麻雀牌:四萬
麻雀牌:五萬
麻雀牌:六萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:六筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:八筒

ロン

麻雀牌:二萬

ドラ

麻雀牌:三筒

ウラ

麻雀牌:一索

2900は3200


2本場

麻雀牌:五萬
麻雀牌:六萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:九萬
麻雀牌:中
麻雀牌:中

ロン

麻雀牌:四萬

ポン

麻雀牌:発
麻雀牌:発
麻雀牌:発

ポン

麻雀牌:西
麻雀牌:西
麻雀牌:西

ドラ

麻雀牌:六筒

5800は6400


3本場

麻雀牌:六萬
麻雀牌:七萬
麻雀牌:八萬
麻雀牌:三筒
麻雀牌:四筒
麻雀牌:六筒
麻雀牌:七筒
麻雀牌:八筒
麻雀牌:三索
麻雀牌:三索
麻雀牌:七索
麻雀牌:八索
麻雀牌:九索

ロン

麻雀牌:五筒

ドラ

麻雀牌:七萬

2900は3800
アガリを積み重ね、アッという間に33900点。余裕の2着目に。

トップまではマクれなかったものの、奈良は浮きの2着で13回戦を締める。
12回戦に続き、オーラスのラス目からの2着浮上。順位点で80ポイントも底上げに成功。
さらにトップを11回戦から林、松本、入川とその瞬間のトータルラス目がとっている。
奈良がそこまで操作したわけではないだろうが、ポイントを踏まえた打ち方がとても老獪だ。
これは決まったか…??